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GRist

GRist 24 織作峰子さん

こんにちは、えみっふぃーです。
今回は女性写真家、織作峰子さんの登場です。
元ミス・ユニバース日本代表から写真家に転向され、女性ならではの感性で、世界各国の風景写真を撮影されています。
3月4日(水)からRING CUBEにて開催される写真展「時」を控え、その見所も交えてお話を伺いました。

GRist 24 織作峰子さん

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え:さっそくですが、GRとの出会いについてお伺いできますか?

織:GRとは銀塩カメラのころからのお付き合いです。デザインがとてもいいですよね。
私は写真教室を開いているのですが、生徒の20人中16人が女性なんですよ。
GRユーザーが多いのですが、皆さん機械好きで。
GRの見た目だけでなくて、機構的な部分をきちんと理解して使っているようです。
デザインと機能性が両立しているんですね。

【写真家 織作峰子ができるまで】
え:織作さんはミス・ユニバース日本代表に選ばれ、写真を撮られる立場だったのが、今では撮る立場でいらっしゃる。
写真を始められたきっかけは、大竹先生(大竹省二氏)との出会いだった、とのこと。
写真学校に行かずに、いきなり大竹スタジオに入られたということですが、それで苦労されたことはありますか?

織:大竹スタジオには私のほかにも数名お弟子さんたちがいたのですが、みんな写真学校出身なんですよね。私はまったくと言っていいほど写真のことがわからなくて。
それは大変でしたよ。すべて現場で助手をしながら覚えていったんです。

え:いきなり現場に飛び込んでいった感じなんですね。

織:大竹スタジオでは、みんなで共同生活していて、炊事・掃除・洗濯などの雑用もしていました。
いろんなことで先生に叱られたりして、それはそれでとっても大変だったんですけど、私は陸上をずっとやっていたので体育会系の気質があるのか、どんなに辛くても耐えられたんですよね。

え:自分の写真を撮っている時間はあったのですか?

織:助手をしながら、その合間に写真を撮っていました。
大竹スタジオに入って2年目くらいだったでしょうか、先生には「君は絵心があるから実践で覚えなさい」と言われて、当時FOCUSで連載していた来日中の巨匠たちを撮影する仕事をさせてもらいました。

え:絵心があるというのは、生まれ持っての感性なのかもしれないですね。

織:こういう方向に進むには、環境には恵まれていたかもしれません。
石川県は伝統文化や芸術が盛んで、自然も豊かでしょう?
実家の向かいに抽象画の画家が住んでいたので、小さいころはよくその方のお宅に絵を描きに行っていたんです。
本人は遊びに行っている、という感覚だったんですけどね。
あとは学校帰りに、九谷焼の工場を覗きにいったりとか、生活の中に自然に芸術や文化が入り込んでいる状態だったわけです。

え:なるほど。写真という芸術の道に進まれたのは、運命だったのかもしれないですね。

織:私は、写真を撮りはじめる前は別のことをしていたんですよ。
絵か、京友禅をやりたいと思っていて。
京都にいた学生時代、ご近所にお住まいだった木村先生(日本画家 木村圭吾氏)のお宅に伺い絵を志したいとご相談していたのですが、その後ミスに選ばれて、現在に至ります。

え:そうなんですか。絵を志そうとしていたとは、初耳です。

織:木村先生には、「写真の道に進んでよかったね、日本画だったら芽が出なかったかもしれないよ」といわれました(笑)
4年前、その木村先生と、日本画と写真のコラボレーションをすることになり、そのときに真剣に桜の写真を撮ることになったんです。
それまでは被写体としての桜にはそもそもあまり興味がなかったんですけどね。

え:桜の写真って難しいイメージがありますが。

織:桜ってね、"女性"なんですよ。
見ていて、とても妖艶だし、精霊的なものを感じますしね。

桜を専門に撮影する写真家って、男性がほとんどで、女性で有名な人はなかなかいない。
男性はそういう部分を上手く撮ることができるし、そういう面を桜も見せてくれるんだと思うんですが、女性が撮ろうとすると、天気が荒れたりして、なかなか撮らせてくれないんですよね。

え:相手が女性だってわかるんですかね?

織:撮影に同行された木村先生曰く「ぼくがひとりでスケッチしている時、いつもいい天気なのにあなたと一緒だと桜が嫉妬するのかもしれないね。」と(笑)

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【織作峰子展について】
え:RING CUBEで開催される織作峰子展でも、桜の写真が展示されるんですよね。

織:はい。今回は大きな桜の写真と、海外で今まで撮ってきた写真を展示します。
なんだか、関連性がないように思うでしょ?

え:そうですね。異色の取り合わせ、というか。

織:被写体はそのように感じるかもしれませんね。
でも、
"日本人"である自分が見た桜。
"日本人"である自分が見た海外の風景。
まったく異質のもののミックスを、RING CUBEというちょっと変わった空間にどう見せられるのか。

自分に内在している感性と、被写体との「間合い」を表現しているのが写真だと思います。
撮り手は1人ですから、なにか共通するものがあると思うのです。
展示してみたときに、一貫したなにかが伝わるのではないか、と。

え:海外の写真は、撮りおろしですか?

織:月末(1月末)にロンドンに撮影に行きます。
今回はモノクロで撮ってきます。

え:冬のロンドン、寒そうですね。どんよりした風景、というイメージがありますが。

織:そうですね。私が生まれ育った北陸に似ているので、ヨーロッパの冬の風景は好きなんですよね。

え:それも織作さんに内在している感性ですね。
実際に展示会を拝見してなにを感じることができるのか。
展示会が始まるのが楽しみです!


【お気に入りの1枚】


【取材を終えて】
女性写真家として、大学やテレビなど多方面で活躍されている織作さん。
とてもチャーミングで、同じ女性として憧れてしまいます!
今回初めてお会いさせていただきましたが、初対面の緊張感を解きほぐしてくれるように、写真を志したきっかけ、大竹オフィスでの下積み時代のさまざまなエピソード等を魅力たっぷりに語っていただきました。
以前は写真を撮られる立場だったこともあり、きれいに写真を撮ってもらうコツをお伺いしたのですが、とにかくプラス思考でカメラの前に立つことが大切とのこと。
好きな人や、かわいい、とか、素敵だなと感じるものを思い浮かべると、よい表情になるそうです。
特に女性のみなさん!参考にしましょうね。


織作峰子(おりさく みねこ)

石川県出身。学生時代に友人が送った写真がきっかけとなり、1981年度ミスユニバース日本代表に選ばれる。
任期中に写真家大竹省二氏と出会い、翌1982年に入門。1987年独立。女性の優しい視線で世界各国の美しい風景や人物の瞬間を撮り続けている。日本全国及び世界各国で写真展を多数開催するかたわら、テレビ出演や講演に幅広く活躍中。大阪芸術大学教授。

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