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GRist

GRist 7 那和秀峻さん

こんにちは、ワッキーです。

今回のGRistはカメラマン兼ライターとしてだけでなく、カメラグランプリの選定委員や大学講師として幅広くご活躍中の那和秀峻さんの登場です!
写真撮影の技術から、カメラそのもののメカニズムまで幅広く深い知識をお持ちの那和さんに良いカメラとは?デジタルとフィルムについてなど、興味深いお話を伺うことができました。

横浜みなとみらいから中華街まで、那和さんのお気に入りのコースを撮影散歩しての取材になるはずでしたが、取材当日は残念ながら小雨の降る空模様。
雨を避けて室内に入り、お話を伺いました。

GRist 7 那和秀峻さん


■GR DIGITALのセッティング

ワッキー(以下、ワ)さっそくですが、GR DIGITALで撮影するときのセッティングを教えていただけますか?

那和さん(以下、那): GR DIGITALで撮影する時は、ほとんど外部ファインダーをつけて撮影してますね。

01.jpg

ワ:
どういった理由でファインダーで撮影されているのですか?

那: 光学ファインダーに慣れているというのが一番大きいのですが、カメラを体にくっつけて撮影できるので手ブレしづらい、というメリットもありますね。
外部ファインダーをつけて撮影する時は感度をISO100に設定してますよ。この感度でも十分に手ブレのない撮影が可能です。

ただ、外部ファインダーだと視差があるので、マクロ撮影だけは液晶で撮影しています。液晶での撮影の場合はISO400ですね。今日は2台のGRを持って来ましたが、それぞれファインダーあり(ISO100)、なし(ISO400)の設定になっています。

(ファインダーなし、のGR DIGITALは那和さんに審査員を勤めていただきましたGRフォト&キャッチコピーコンテストの副賞モデルです!格好いい!! )

ワ:
感度以外のカメラの設定はどの様にしていますか?

那:他に特に設定しているのは、軟調設定くらいですね。GR DIGITALの軟調描写が好きなんです。
撮影モードダイヤルはほとんどP(プログラム)モードのままです。
A(絞り優先)モードの使用率は、10%位かな?M(マニュアル)モードは、もうほとんど使いません。動画モードにいたっては、ファームアップの時くらいかな?(笑)

ワ:
(笑)

那:露出補正もほとんどしませんよ。極端に黒かったり白かったりすればもちろん補正しますが、基本的に±0のままです。
GR DIGITALはシンプルに使えるのが良いところですね。デジタルカメラには色々設定を変えて撮影ができる面白さもありますが、僕はシンプルな設定のままで使えるところが好きです。
 
■よいカメラとは?

ワ:那和さんはカメラグランプリの選考委員でもあり、新旧様々なカメラを手にされていらっしゃるのでは、と思います。
漠然とした質問で申し訳ないのですが、良いカメラの基準っていったい何でしょうか?

那:カメラグランプリの場合は先進性や人気度もポイントになりますが、僕個人の感じる良いカメラの基準は、使っていて気持が良いかどうかだと思っています。
GR DIGITALは使っていてつっかかる様な事がないカメラで、気持ちがよいカメラの1つです。

ワ:つっかかることがない、というのは先ほどおっしゃっていたシンプルに使える、ということですか?

那:そうですね。

ワ:仕事の撮影以外ではどのように撮影されていますか?

那:普段撮る写真はWeb日記用ですね。散歩していてふと目に入った、気になったものをパっと撮影します。
いわゆるスナップと言われる撮影方法に似ていますが、僕はあえて「スケッチ」と言っています。この言い方のほうが実際の感覚に近いんです。
スケッチをするためにはシンプルであることが大切です。

ワ:なるほど、「スケッチ」素敵なフレーズですね。
先ほどの移動中も、ふと気がつくと撮影していらっしゃいましたね。

那:急に動き出してすぐ撮り終わっちゃうから、撮影している姿を撮りづらかったでしょ。(笑)

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写真の撮影スタイルには、2つのタイプが有ると思います。
ひとつは被写体に対してカメラの存在を消して撮影する方法。
カメラどころか自分の気配も消して・・・となるのが理想ですが、なかなかそうはいきません。(笑)
もうひとつは、撮影者の存在を相手にはっきりと自覚させて撮る方法です。
GR DIGITALは、前者の撮影スタイルに適したカメラですね。
 
■デジタルとフィルム

ワ:デジタルカメラは画像処理が容易であることが特徴のひとつですが、画像処理についてはどのようにお考えですか?

那:画像処理が簡単に出来る事自体は、デジタルの良いところです。
しかし、デジタルだからといって後で画像処理でなんとかなると思って、撮影自体がおろそかになるようでは良くないと思っています。
撮影するときは真剣に、その時だけで全てを決めてしまう心構えで撮ることが重要で、あくまでも画像処理は補助的なものとして考えないと。

ワ:私もたまに後でなんとかなるかな~、って思って撮影してしまうことがあります。身に沁みます。(笑)
では、何かと取りざたされるデジタルカメラのノイズに関して、どの様な考えをお持ちですか?

那:一昔前と比較すると遥かに良くなってきていますね。ただ、ノイズがなくなれば良いかというと、そのようには考えていません。ノイズが無くなる代わりに塗り絵のような絵になるのもどうかと思いますし、かといって今のデジタルカメラのノイズは好ましくないです。ノイズの出方がもっと研究されてくるとうれしいですね。

フィルムでも感度が高いものはノイズが出ますけど、そのノイズによってたとえば迫力を出すような表現が出来ます。いずれはデジタルカメラでも感度を上げるとフィルムのようなノイズが出せるようになれば最高ですね。

ワ:最近のことなのですが、私のPCが突然クラッシュしてしまいまして、HDDに入っていたデータの大部分を失ってしまったことがあったんです。デジタルカメラだと写真が長期間残らないのでは、という危機感を感じたのですが、那和さんはデジタルデータに関する信頼性をどの様に感じていらっしゃいますか?

那:デジタルデータは結局0101・・・の組み合わせで実体のないものだから、随分慣れてはきたけどそれでも信じられない面があると感じています。
その点フィルムでは実際にフィルムに映し出された画像が目の前にあるわけですから、安心感は違います。

現在では技術の進歩に従ってデジタルカメラにどんどんシフトしていますが、このような流れだからあえてフィルムの良さも主張したいですね。
フィルムにはフィルムの、デジタルにはデジタルの良い面があります。どちらかに傾倒するのではなく、バランスをとって共存していってほしいですね。

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■GR DIGITALに期待すること

ワ:今後のGR DIGITALへ期待することはありますか?

那:レンズが更にワイドになると良いですね。今でもワイドコンバージョンレンズを使えば21mm相当になりますが、私はワイドコンバージョンレンズが嫌いで(笑)。
どうにも付けたり外したりが面倒なんです。だからといって、ズームレンズじゃあ嫌なんです。わがままですが。(笑)

ワ:最後になりますが、読者にメッセージをお願いします。

那:フィルムカメラ時代の写真も長い歴史があり、とても素晴らしいものがたくさんあります。
若い人には古くからの「名作」と呼ばれる写真もぜひ見ていただきたいです。

ワ:本日はありがとうございました!

お気に入りの一枚
(取材の当日に撮っていただきました!)

 

■取材を終えて

実はこの日のGRist取材陣は全員が初取材ということで取材前はかなり緊張していたのですが、那和さんは気さくに、そして質問ひとつひとつに丁寧に答えてくださいました。

・古くからある「名作」と言われる写真を若い人にも見て欲しい
・デジタルの時代だからこそフィルムにも目を向けて欲しい
・写真を撮影する時は常に真剣に

というお言葉は、デジタル・フィルム問わず、那和さんの写真に対する愛情の表れのように感じました。
素敵なお話をありがとうございました!


那和秀峻 :Hidetaka Nawa
1944年神戸市生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒。
毎日新聞社、英文毎日記者、カメラ雑誌「カメラアート」編集者を経て、フリーのカメラマン兼ライターに。
カメラ雑誌のハウツー記事やメカニズム解説などを中心に活動。

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