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GRist

GRist 63 桃井一至さん

2015年最初のGRistは、桃井一至さん。
桃井さんといえば、2005年発売の初代GR DIGITALのムック「GR Perfect Guide」(ソフトバンククリエイティブ刊)でポートレートのコーナーを担当してもらい、横浜近くのハウススタジオにお邪魔して、撮影現場を見学させていただいた、それ以来のお付き合いになります。数え切れないくらいの新製品をレビューしてきた桃井さんに、カメラを評価するポイントなどを聞かせてもらいました。

GRist 63 桃井一至さん

野口(以降:野):いつ、どんなことがきっかけで写真家になろうと思ったのですか?

桃井(以降:桃):中学の頃からカメラが好きで、父が持っていたフイルムカメラであるNIKONのマニュアル機を持ち出して撮っていました。今と違って、なかなか思うように撮れない。そういう、言うことをきかないものを自分でコントロールしていくのが面白くて夢中になりました。

野:それを仕事にしようと思ったのは?

桃:どうせなら好きなことをやろうという感じで。

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野:それで写真の専門学校に入ったのですよね。

桃:1年で辞めましたけど。(笑)

野:それはどうして?

桃:校風が合わなかったんでしょうね。ジャーナリスティックな風潮が強めだったんですが、自分はそういうのにあまり興味がなくて。

野:そのあと、長友健二さんに師事されたのですね。そのときに一番印象に残っていることは?影響を受けたことなどあれば教えてください。

桃:3年服役してました、というくらい、過酷な体験で(笑)。学んだのは、撮影術以上に、仕事への姿勢とか人のネットワーク作りとかかなあ。

野:新製品レビューを数え切れないほどしていますが、初めてのカメラを前にした時の、桃井さんならではの視点はなんでしょう?

桃:「使い易さ」です。ボタンやレバーの配置や大きさ。思い通りに言うことをきいてくれるか、が一番のポイントです。画質はその次。

野:使いにくければ、画質や機能も活かせない、ということですか。

桃:こういう取材だから言うのではなく、GRはその点で、当初から良く出来たインターフェースでした。僕は片手撮りしないけど、操作が片手だけで完結するように考えられているというのは、様々なシーンで使いやすいんです。良い写真が撮れていれば、画質なんて気になりません。

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野:桃井さんといえば、ポートレートという印象が強いです。ヨドバシカメラの新年でのポートレート撮影会も長く続けています。もう10年以上続けているとのこと。

桃:今年、1月4日に、高齢のご婦人が目を真っ赤にして、スタジオ会場に入ってこられて、堰を切ったように「昨年、主人が亡くなりまして、遺影に写真を使いました。」と。

野:そんなこともあるんですね。

桃:聞くところによると、昨年の新春イベントで、ご主人がお一人で来店されて、私が撮影。その後、突然のご不幸が訪れた、と。急遽、遺影を用意するにあたり、家族みんなが気に入った写真があって、本当に良かった。今日は主人が撮影した場所を、自分で見たくて来ました、とわざわざ足を運んでくださいました。

野:長くご家族に見守られていく、かけがえのない一枚が残せましたね。

桃:開催中は一日数百組のお客様を撮影しますが、私たちには、数百分の一枚であっても、お客さまにとっては、かけがえのない一枚。大切に対応しなければいけないと、改めて思いました。

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野:ポートレートを撮るときのコツは?

桃:トークかな?(笑)特に先のようなイベントでは、いかに笑顔を引き出せるかですね?短時間での勝負だから。

野:ちょっと漠然とした質問ですが、桃井さんの写真に対する考え、スタンスのようなものを教えてください。

桃:「わかりやすいものを撮る」です。万人が綺麗、楽しいと思えるものを、真正面から撮っていきたいです。逆に社会の痛みとか、胸の痛むものは見たいと思わないから、あえて撮りたいと思わない。

野:それはむしろ難しいですね。

野:綺麗な写真はたくさんあるけど、スルーしてしまう写真と、心にひっかかる写真があります。その差はなんでしょう?

桃:うーん、それはそのうち、Googleが解析するかもしれない(笑)膨大な写真の中で、なにがどのくらい見られているかを分析していけば。

野:なんか、はぐらかされた感じですが(笑)確かにそういう研究もあるかも。

野:GRはコンセプトとしても性能機能面でも、ストリートスナップ的なキャラクターのカメラを目指してきましたが、最新モデルではAPS-Cサイズのセンサーを搭載しました。どう評価しますか?

桃:僕に撮って、ベストGRはGR DIGITAL IVなんです。あのサイズ感がいい。

野:最新GRは桃井さん的には大きい?

桃:いつもレンズ交換式カメラは持っているので、僕にとってGRはサブ機、だからサイズ感はとても重要です。1cmまで寄れるし。

野:なるほど、カメラは画質の前にまず使い易さ、というポイントで見て、GRは一回り大きくなったのがマイナスということでしょうか。

桃:今のGRはそのまま進化させつつ、GRは2ライン化にして、IVの後継機も併売して欲しいなあ。

野:伝えておきます(笑)


■お気に入りの一枚
今回は大サービス!歴代GRシリーズのなかから、7枚のお気に入りをピックアップしてもらいました。ミニギャラリーon GR BLOGです。

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~取材を終えて~
人の撮らないものを自分らしい表現で撮る、というスタイルもありますが、それはややもすると、他人が基準になってしまう場合もあります。「誰もが綺麗と思うものを撮りたい」と明言した桃井さん。熱く語るのではなく、さらっと言ったその言葉に、桃井さんの気概を感じた取材でした。

■プロフィール
桃井 一至 (ももい かずし)
京都府生まれ。1990年よりフリーランスとして活動。
各種雑誌やカタログをはじめ、カメラ専門誌などでの執筆も多数。
またテレビ出演、講師など活動ジャンルは多岐に渡る。
公益社団法人 日本写真家協会会員。

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