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GRist

GRist 2 海野和男さん

こんにちは、ヒロです。

横木安良夫さんからスタートしましたGRist探訪の第2弾です! 昆虫を中心とする自然写真家として有名な海野和男先生の登場です。 海野先生はGR DIGITAL発売直後から愛用していただいており、写真集の中やご自身のブログ「小諸日記」の中にもGR DIGITALで撮影した作品をこれまで数多く掲載していただいています。

昆虫を撮るという視点から、GR DIGITALに対する意見や使い方のヒントが聞ければいいな、と期待して、お正月明け早々の1月初旬に市ヶ谷にある東京の事務所を訪ねました。

GRist 2 海野和男さん


■海野さんのGR DIGITAL!(以降GRD)

ヒロ(以降 ヒ):
海野さんが普段、GRDを使う際のカメラの設定を教えて頂きたいのですが、、、、おおっ 

海野さん(以降 海):
デザインがロシアのフェイクカメラのようでとても気に入っている。昨年からパーティーにたくさん出席したけれど首にかけていると「それ何ですか?」って聞かれてとても受けがいいんだよ。
それから街中で使うと写真撮ってますよって感じがして逆にいい。最近、都心にいる際は黒モデルではなくて天使モデルを使っている。

カメラの設定の話だけど

モードダイヤル:
「A(絞り優先)モード」。晴れの日は開放かF8近辺をよく使う。曇りの日に普通に撮る際は撮影モードにしてカメラ任せにしている。  

ISO感度:いつも「ISO100」。ISO64と100ではさほど画質が変わらない印象があるのでシャッタースピードを稼げるISO100に設定している。

ホワイトバランス: 
屋外では基本は「屋外(デーライト)」で屋内では必ず「AUTO」にしている。GRDに限らずどのカメラもそうしている。
フィルム時代ではデーライトフィルムしか使ってなかったので、特に意図がなければ「屋外(デーライト)」にしていた方が自分のイメージに近くなる。 例えば朝は青くなるとか夕焼けは赤くとか「屋外(デーライト)」にしておけば強調できる。    

露出補正:
-0.3EV補正にしている。GRDに限らずどのカメラもそうしているのはアンダーになったとしても後からレタッチで救える確率が高くなるから。教室等でもそう教えている。

画質・サイズ:
JPEGのF3264×2448。

画像設定:
コントラスト、シャープネス、色の濃さをそれぞれ1段づつ上げて設定している。

フォーカス:
いつもはマルチAFだけど飛んでいる虫とかを撮る際はスポットAFに切り替える。

操作音音量設定:
一番下のレベルで消音にはしない。ローアングル等、ノーファインダーで撮る際に測距したかどうか音がしないとわからないので。
後はストロボは必ず発光禁止にしていること位かな。

ヒ:
レタッチなどはされますか?

海:
ヒストグラムを見て露出を調整する位。出版物等の印刷にするのだったらPhotoshopでアンシャープマスクをかける。コンパクトカメラは最初からシャープネスがかかっているのでGRDの場合は写真を見てかけないこともある。
印刷会社にもよるけど基本は量を100%かけて印刷会社に渡している。そうしないと製本するとデジタルカメラの場合は眠い絵になってしまうので。
 
■スナップ写真について聞きたい!

ヒ:
コンパクトカメラで気軽に写真を撮るときのコツ等がありましたら教えていただけますか?

海:
レンジファインダー機を使った昔のプロカメラマンはノーファインダーで撮影している方が多かった。

広角28mmだったら画角が広いのでノーファインダーで撮れる。それからピントを1.5m位に固定して、絞りをF8位まで絞りこんでピント合わせ等せずに撮影していたよね。

撮像素子の小さいデジタルカメラは35mmフィルムカメラに比べてもともと被写界深度が深いし、GRDは28mmなのでさらに深い。この利点を活用してマニュアルフォーカスでピントを固定して、絞り込んで撮影した方がピント合わせの動作が無い分、AFで撮影するよりも小気味よく撮れる。

もちろん液晶や光学ファインダーを見ても良いけれどノーファインダーで撮影することをお勧めしますね。

ヒ:初心者の人が昆虫の写真を撮る時にはこんな練習をしたらいいとかありますか?

海:
動きの少ない虫がいいね。夏だったらアオカナブンが樹液を吸っている所とか簡単なのは小さなチョウが花にとまっている所かな。
AFでピピッとやっていると逃げてしまうことがあるので、初心者の人はマクロで虫等を撮影する時もピントを固定して撮影した方がいいね。

例えば昼間に動くチョウの写真を撮るときはGR DではMFのフォーカスバー表示のオレンジと白線の境目より少し上くらいにバーを合わせてF5.6か8位に絞り込めば20cm近辺はAFしなくてもピントが合う状態になる。その状態で動き回るチョウを待って手を伸ばしてノーファインダーで撮影する。

そうだな、、、後はノーファインダーで素速く撮影して、いかに被写体を写真の中央に持ってこれるようになるかだろうな、、 これの練習だね。ブレが気になる時は、何かにカメラを固定する。
だから僕のGRDは裏や側面が傷だらけになっている。 

ちゃんと構えてファインダーを見て撮るのが基本なんだけども、見ないでも撮れるようになっていた方がシャッターチャンスは増えるわけだし、あまり画角を考えて撮っていてもいい写真は撮れないので、もっと気楽にファインダーを見ないでスナップする練習をするのがいいと思うよ。動かない虫はちゃんと構えて、AFを使っていいけどね。
 
■要望等、GRDについて一言お願いします!

海:次機種ではストロボの発光量補正等のマニュアル機能、それからできれば専用の小型マクロストロボが欲しいね。マクロライトでは光量が足りないのでストロボがいい。角度が変えられて1cmでもケラれないものね。チョウの飛翔写真なんてこれで簡単に撮れるようになるよ。 
 
■GR BLOGは見たことありますか?

海:
最初のころはよく見ていたよ。つい最近も見たかな。

ヒ:
先生は毎日ご自身のブログ「小諸日記」を更新されていますが大変ではないですか?

海:
みんながブログなんてやっていない時からずっとやってきたのでつらいときもあったけど、後から本をつくる時とかまとめたい時にあれが資料になるんだよね。でも昆虫の面白さを一人でも多くの人に知って欲しいのでわかりやすく書くことを心がけている。自分が放送局になっているみたいに情報発信できることはとても楽しいことだよね。
 
■最後に、写真関係以外で最近一番興味のあることはなんですか?

海:
なんだろうなぁ?僕はカメラや虫が大好きなんで他になくて困ってますね。

ヒ:
最近、ペルーに行かれたそうですがマチュピチュとか遺跡は見てこられなかったのですか?

海:
遺跡を見ていたら時間がもったいないですね。今そこに虫がいるんだし(笑)
ペルーでは虫オンリーでしたね。ってどこに行っても虫オンリーになっちゃうんだけどね(笑)  
ペルーは本当に良いところだった。もう一度行きたいね。
 
■お気に入りの1ショット!

ヒ:
GRDで撮ったお気に入りの1ショットを見せていただけますか?

海:
写真は昨年撮った全ての写真の中で一番気に入っているものです。ペルーに11月に行き、偶然出会ったチョウの道です。熱にうなされるように10km以上のまっすぐに続く道をチョウに導かれるようにして歩きました。



■取材を終えて

予定時間を大幅にオーバーしてしまい申し訳なく思っていたのですが、さらに昆虫やカメラのお話を熱く語ってくれる海野さんの目はキラキラ輝いていて、あぁ虫やカメラが本当に大好きなんだなと感じました。
 
実は私の子供に最初に買ってあげた昆虫の本が海野さんの子供向け昆虫図鑑でして、ボロボロになる位に読みまくっているのですが、そうそう、私の子供も海野さんから昆虫の面白さを教わった一人なのだなと、海野さんのその活動の広さを改めて感じた次第です。

今度はメインの活動フィールドである小諸にも行って、先生が昆虫を撮影する現場に同行してみたいと思いました。


◆写真集:
デジタルカメラで撮る海野和男昆虫写真 -wild insects-


海野さんの写真集です。GRDの作品も掲載されていますし、巻末の糸井重里さんとの対談もとても楽しい内容ですよ! 

昆虫好きでない方も、興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか? 


海野和男 kazuo unnoプロフィール:
http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/

1947年、東京で生まれる。昆虫を中心とする自然写真家。もの心ついたころから昆虫の魅力にとりつかれ、少年時代は蝶の採集や観察に明け暮れる。東京農工大学の日高敏隆研究室で昆虫行動学を学ぶ。大学時代に撮影した「スジグロシロチョウの交尾拒否行動」の写真が雑誌に掲載され、それを契機に、フリーの写真家の道を歩む。

著書「昆虫の擬態(平凡社)」は1994年日本写真協会年度賞受賞。主な著作に「蝶の飛ぷ風景」(平凡社)「大昆虫記」(データハウス)、「蛾蝶記」(福音館書店)、昆虫顔面大博覧会(人類文化社)などがある。

NHK教育「ようこそ先輩」「人間講座」TBS「どうぶつ奇想天外」などテレビでも活躍。日本自然科学写真協会副会長、日本昆虫協会理事、日本写真家協会などの会員。

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