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GRist

GRist 54 藤原ヒロシさん

今回のGRistは、藤原ヒロシさんです。日本のDJの先駆者であり、デザイン集団 Fragment Designとして様々な企業コラボを手がけながら、シンガーソングライターとしても活躍中。フィルムカメラ時代からのGRヘビーユーザーとしても有名な藤原さんを、ホームグラウンドとも言える原宿のカフェで取材させていただきました。

GRist 54 藤原ヒロシさん

GRとの出会い

野口(以降:野):GR、使い込んでいただいているようで、ありがとうございます。

藤原(以降:藤):もう、手放せない存在ですね。

野:そもそもカメラとの出会い、写真をたくさん撮るようになったきっかけは何だったのですか?

藤:親戚がカメラ屋をやっていて、母親がそこで働いたりしていたので、子供の頃から現像室に入って遊んでたんです。

野:現像液の匂いを嗅いで育った(笑)。

藤:はい、そんな関係もあって家にもカメラが転がっていたりして。

野:馴染みは深いものだったんですね。

01.jpg藤:自分で撮るようになったのは、仕事を始めてからです。プロカメラマンに撮ってもらったりしてるうちに写真家の知り合いも増えて、どのカメラがいい?と相談して薦められたのがCONTAX TシリーズとGRだったんです。

野:当時から、一眼レフとかに行かずに、小型で高性能なカメラを選んでいたんですね。

藤:ポケットに入れて撮る、というのが重要でした。それは今でも変わらないです。

野:デジタルカメラも早くから使い始めてるんですよね?

藤:デジタルの前にもKODAKのディスクカメラも買ったし、SONYのフロッピーカメラも買ったし、CASIO QV-10は発表直後に量販店に行って予約しました。お客さんが一番だ、と言われたから、もしかしたら日本で最初のユーザーだったかも(笑)。

野:ガジェット好きなんですねえ。

藤:そうですね。小さくて見たこともないようなものに興味が湧く。だから写真も好きだけど、カメラというハードも大好きなんです。

02.jpg

「宣言」と「時間」

野:藤原さんは、DJ、デザイナー、音楽プロデューサーなど幅広くクリエイティブな活動をされていますが、その中で写真はどんな存在なのでしょう?

藤:写真は完全にプライベートな趣味なので、仕事としての創作活動とは分けています。

野:それはなぜ? クリエイターのセンスは写真表現でも活かせる可能性があると思いますが?

藤:プロと言われるには、「宣言」と「時間」が必要なんです。写真家やります、と宣言したときから、実績を重ねていく時間を経て、初めてプロとして認められる。それより、趣味で写真撮っているくらいがちょうどいいかなと思っています。

野:音楽、絵画、小説など他のジャンルのアーティストが撮る写真は、やはりそれぞれの視点が面白いものが多いので、藤原さんがどんな写真を撮るか、みなさん興味あると思いますよ。

藤:デジタルカメラが普及する前は今ほどカメラを持ち歩く習慣がなかった、そんな時代から撮ってきたので、当時のクラブの写真とか、アートというよりドキュメンタリー的に面白いものは結構あると思います。

野:それ、いいじゃないですか? ぜひ作品にしてくださいよ!

藤:うーん、まあ、なにか面白い企画があれば考えるかもしれませんね。

好きな写真家

野:好きな写真家、お気に入りの写真集は?

藤:石塚 元太良さんの「PIPELINE ALASKA」に惹かれました。あとは花の写真を撮っているテリー・ワイフェンバッハとか三好耕三さんとか。テーマを持ったドキュメンタリーが好きです。

藤原さんのスタイル

03.jpg野:GRのセッティングは?

藤:シャッター優先で前ダイアルで切り替えて使うのが基本ですね。あとはあまりいじらない。クラブとか暗いところで撮ることも多くて、新型GRはISO感度上げてもノイズが少ないのでとても使いやすいですね。

野:ストラップもつけずに、ケースにも入れないんですね?

藤:むき出しでポケットに入れたいから。

野:カッコいいストラップとケースで持ち歩いてるのかなと、勝手に想像してました(笑)。

GRに望むこと

野:GRに望むことは?

藤:歴代GRを使ってきて、やっぱ初代GR DIGITAL、GR DIGITALIIくらいまでのサイズが快適なんですよ。新型GRはセンサーサイズから大きくなったのはわかるけど、GR DIGITALのサイズくらいのもまた出して欲しいな。

野:ポケットサイズということですね。

藤:そう、各社のカメラを使う機会もあって、ミラーレスも使ったけど、ボディサイズがいくら小さくてもレンズが出っ張っているからポケットには入れられない。GRにはやはりサイズにこだわって欲しいなと思います。

野:他には?

藤:1cmマクロがなじんでしまっているので10cmは物足りない、これも是非また実現して欲しいです。 

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私生活と今後

野:カメラの話とはずれますが...。バックカントリー(整備されていない雪山などをスノーボードやスキーで滑走すること)をおやりだと伺いました。イメージになかったのですが、もう長いんですか?

藤:そうですね、20年以上やってます。それこそ、シーズンには毎週末行っています。

野:かなりの趣味ですね。過酷な環境だと思うですが、GRは持って行ってます?

藤:今は携帯だけですね。ただ、携帯だと雪の中でバッテリーが全然持たなくて・・・GRのバッテリーはどうですか?

野:私は雪山でも普通に使ってますよ。動画もバカになりません。藤原さんが撮る白銀の世界、見てみたいです。

その時に楽しいことを

野:去年はCDも発売されましたね。音楽プロデューサーの藤原さんが自分で歌うというのが、結構衝撃的でした。他でもデザイナーや大学の客員教授と色々な肩書がありますが、今後、こんなことをやっていきたい、というような考えは何かありますか?

藤:僕はあまり先のことは考えなくて、その時に楽しいことをやっていきたいんですよ。

野:藤原さんとリコーのコラボなんてどうでしょう?

藤:実は、過去にやろうとしたことはあったんですよ。なんでなくなったんだっけなぁ。

野:え...。知りませんでした。是非、面白いことをやる機会があったら今度こそやりましょう!!

■お気に入りの一枚
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~取材を終えて~
物静かな落ち着いた雰囲気で、藤原さんの持つ「空気」を感じながらの取材でした。
藤原さんの歴代GRは、カスタマイズされていたり、本当に使い込まれていました。機能性を重視し、むき出しでポケットに入れて使うスタイルは、まさに"Candid photo"ですね。
マニアックな人が集まるところが好きとのことでしたが、写真だけでなくカメラという機械が好き、と話す藤原さんからはマニアックな匂いと、少年のような好奇心を垣間見ることができました。

■プロフィール
藤原ヒロシ
音楽プロデューサー。
音楽プロデュース、作曲家、アレンジャーとして活動の幅を広げる。
2011年よりAOEQやソロでの演奏活動を活発に行っている。
またストリートカルチャーの牽引者としての顔も持ち、ファッションの分野でも若者に絶大な影響力を持つ。

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