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GRist

GRist 4 若木信吾さん

第4回目のGRistは若木信吾さんです。
私、初インタビューに行ってきました!

若木さんは、まさに第一線で活躍されている写真家です。
撮影した写真集に、「TAKUJI」(99)、「young tree」(03)、その他にも「Let's go for a drive」(97)、「Free for All」(99)、木村拓也写真集「%」(06)などがあります。
実は学生時代に、おじいさまを撮られた写真集「TAKUJI」を見たことがあったのでドキドキ!

そして、初映画監督作品の「星影のワルツ」がもうすぐ公開されます。
試写会を見せていただいたのですが、映画の中で、なんと!銀塩GR1が登場しているんです。GRユーザーでもある若木さんの元へ、GRの話や映画の話などを聞きたいなぁと、期待に胸を弾ませ、渋谷まで行ってきましたのでご紹介します。

GRist 4 若木信吾さん


■若木さんの撮影スタイル!
GRist_W_2.jpg

ちっち(以降 ち):いきなりですが、撮影されるときはどんなスタイルですか?

若木さん(以降 若): ダボっとしたズボンをはいていることが多いのでいつも後ろポケットに入れてる。写真を撮るときはいつも手ぶらだね。バッグは邪魔だから・・・
設定はデフォルトで、ワイコンは重いからつけないんだけど、ファインダーは必ずつけてるね。 のぞいたほうが、その世界に入り込めるし、被写体に近づける。

ち:
なるほど。被写体に近づくためにも、ファインダーは必須なんですね。
 
■スナップ撮影について

ち: 若木さんのスナップ撮影のスタイルを教えてください。

若:歩きながら撮る、止まらないことかな。撮りたい時と撮る時のいろいろなズレを最小にしたいからね。立ち止まるとそこで1テンポずれるでしょう。
もちろん、静止している状態であればそのまま撮るけど・・・

ち:もうずっとその撮影スタイルですか?

若:写真の学校に行っていた頃はがちがちだったんだけど、マンハッタンに行った時に、一度身軽になりたくてコンパクトカメラを使うようになったんだよね。
その頃は、スケーターの友達といつも一緒に街を歩いてて・・・スケーターっていいポイントをみつけると、いきなり滑り出すんだよ。
だから、ジャンプのタイミングを予め見計らってフォーカスを先に合わせて撮影したり、起動時間も計算して撮ってた。このころに今の撮影スタイルが確立されたかな。

撮ろうと思った時と、実際に撮った時が同じだといいね~。

GRist_W_3.jpg

 
■スナップ写真を撮るときのアドバイスを!

若:スナップは自由に撮るべき!こう撮ろうとかワクにはめるのが良くないね。
撮ったものを受け入れて、次にどうしようかと考えること。実験と結果です。
そして撮ったものに対してどれだけ思い入れ(マインド)がもてるかじゃないかな。撮りっぱなしが一番まずいと思うよ。

ち:確かに。。。デジタルカメラを使うようになって、写真を撮ってもパソコンに落とさないまま削除してしまったり、パソコンに落としたままになっていたり。。。
プリントアウトすることも減りました・・・(;´Д`A ```

若:フィルムの時は、昭和なら昭和の写真がアルバムになってある。今はプリントしなくなってるから、将来、平成の写真が残っているか心配だね。
でも、写真が「タイソウ」なものから、携帯に代表される「気軽」なものになったから気軽に消されちゃうんだろうね。だからこそ「なるべくプリントアウトしましょう!」。
プリントアウトして見えてくることってたくさんあるしね。
 
GRist_W_4.jpg ■お気に入りの一枚

ち:GRで撮ったお気に入りの一枚を見せてもらえませんか?

若:じゃぁ、今撮るね。ここから見える景色、いいんだよね。

ち:
えええ~!凄い!撮りおろしですね!ありがとうございます。

 
■写真と映画について

ち:ところで、若木さん監督の映画「星影のワルツ」がもうすぐ公開されますよね!?若木さんの中での映画と写真の位置づけは?

若:最初は、映画は写真の延長だと思っていたのだけど、でも、映画を撮ってみて、写真を改めて見直すことができた。 映画の場合、多くの人がセッティングしてライティングもして10秒間のシーンを撮るでしょう。
それが、1枚の写真を超えることも、超えられないときもあって、改めて写真ってすごいなぁ、と・・・

あと、映画には「間」っていうのがあるよね。うまい「間」の取りかたというか。

ち:確かに!「間」っていうのは映像独特な部分ですね。映画を撮る時に、他に何か気にしていることはありますか?

若:映画も写真も「距離感」が大事だよね。自分の落ち着ける距離感、普通に会話ができている距離感。どちらも距離感は一緒。それは、スナップ写真で見知らぬ人を撮るのも、身近な人をとるのも同じだね。
 
■これからのテーマ

ち:映画では写真集にもなっている、若木さんのおじいさまを撮られていますが、これからの若木さんのテーマはありますか?

若:実家はこれからも撮っていきたいと思ってるよ。 「良く写っているね」というのは、「写っているもののことを良く知っている」ということだと思う。
カメラで見えているものも一部で、見てないものにはフォーカスをあてないでしょう。
見えてないものは写らないからね、地元で活動するのは一番良く見える場所だから。
 
これは人にも当てはまることで、家族写真とか子供の写真はもちろん、犬を撮らせたら飼い主が一番かわいく撮れるでしょう。自分がおじいちゃんを撮りつづけたのも同じなんだよね。
 
■普段の生活について

ち:ところで、写真以外で普段はどんなことに興味をもたれてますか?

若:写真以外では、音楽かな。GRist_W_6.jpgでも結局、写真や映画に結び付けちゃうんだよね(笑)今回のエンドロールもそうだけど、レコード、録音と写真は似ていると思う。
レコードがあって、ハリがあって、アンプで増幅して、スピーカーから音がでてくるという過程が写真に似てるね。
 
■GRに一言!

ち:最後に、GRに一言お願いします!

若:是非、続けて欲しいカメラ。コンパクトカメラの中で、デジタルまで精神が続いてるっていうのは素晴らしいよね。
一つのものに対する愛情というか、やっぱり作り手の愛情がないと!

■取材を終えて
かなり緊張して臨んだ取材でしたが、若木さんはとても気さくな方で、あっという間に時間が過ぎてしまいました!
   
◆のぞいたほうが、その世界に入り込めるし、被写体に近づける。
◆「良く写っているね」というのは、「写っているもののことを良く知っている」
◆撮ったものに対してどれだけ思い入れ(マインド)がもてるかじゃないかな。
◆映画も写真も「距離感」が大事だよね。自分の落ち着ける距離感、普通に会話ができている距離感。

などなど、心に残るフレーズがとてもたくさんありました。
そして、若木さんのアドバイスのように、「プリントアウトすること」を是非心がけて行きたいと思います!

さて、次回のGRistは誰でしょう!?
皆さんのご意見も是非聞かせてくださいね。


若木信吾 [わかぎしんご]:

1971年3月26日静岡県浜松市生まれ。
ニューヨーク州ロチェスター工科大学卒業後、The New York Times Magazine、Newsweek、Switch、Elle Japon、HF、relax をはじめ、雑誌・広告・音楽媒体など、幅広い分野で活躍中。写真集も多数。
また自身の出版社「youngtreepress」を興し、個人的視点の集まりをドキュメンタリー・スタイルで表現することを追及している。

▼星影のワルツ
若木さんの初監督となる長編映画『星影のワルツ』。
20年間撮り続けてきた祖父琢次さんとの思い出やメッセージを、何気ない日常のシーンの中に丁寧に表現している作品。
2年前に他界した琢次さん役には、あの漫才師「いとしこいし」の喜味こいしが演じる。movie.jpg
ゆったりとしたテンポの中に、誰もが持つ大切なものを思い出させてくれるストーリー。

監督・脚本:若木信吾
出演:喜味こいし、山口信人 ほか
www.youngtreefilms.net

4/21(土)~27(金)、シネマライズにてレイトショー!
4/28(土)より、ライズエックスにてロードショー!
www.cinemarise.com

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