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フォトスポット Vol.9
大阪港周辺

こんにちは。スクエア大阪の伊藤です。先月に引き続き、大阪港湾エリアのフォトスポットをご紹介したいと思います。
前回は大正駅から尻無川沿いを通り、渡し船で港区に渡ったところまででした。今回は新旧の景観が混在する大阪港周辺を巡ります。

【大阪臨港線の面影 その2】
先月も紹介した大阪臨港線。福崎地区にあった浪速貨物駅から、さらに後述する天保山運河沿いに各突堤や安治川沿岸まで線路が伸びていました。今はレールも撤去されてしまっていますが、よく見るとあちこちに面影が残っています。

建物の間に残る不可思議な細い路地。かつてはここを単線の線路が通って安治川沿いにあった大阪東港駅まで繋がっていた。

廃線跡沿いにある駐車場のガードにレールが使われているのを発見。

【なみはや大橋】
1995年に12年の年月をかけて完成した港区(築港)と大正区(鶴町)を結ぶ橋で、東側に歩道も併設されているため徒歩・自転車でも通行可です。この橋も大型船の通航を考慮して桁下が高く、坂の勾配は日本有数(最大6.9%)。歩道の欄干が思いのほか低くて高所恐怖症の方にはお勧めできませんが、その分絶景。特に夜景は一件の価値ありです。

写真は港区側。
大正側の方が勾配がきついが、それでも十分迫力がある。

あべのハルカスや通天閣も見える。
が、ここまで橋を上るのが一苦労。

【港大橋】
完成は1974年。真っ赤に塗装された雄大な姿は大阪港のシンボルです。トラス橋としては真ん中の桁間が日本最長なのはあまり知られていません。

大型船舶通航確保のため大型橋が多い大阪湾岸エリアでも
最大級の橋。

写真ではわかりにくいが、港大橋のすぐそばまで近寄ると、その迫力に圧倒される。

【天保山運河】
港区の下町地区と港湾施設が集中する築港・海岸通り地区を隔てる運河。よく見ると、船に関わる施設があちこちに見られ、独特の景観を見せてくれます。また、高速道路のジャンクションマニアが「萌えるJCT」として必ずといっていいほど名前が挙がる、阪神高速天保山JCTはこの運河の北端にあります。

船舶用の燃料スタンド。

運河の上を走る阪神高速(手前側が港大橋)。

阪神高速、国道172号、地下鉄中央線、運河が重層的に立体交差する天保山JCT。
船溜まりや安治川を越える斜張橋の天保山大橋など、周囲にはフォトジェニックな被写体が数多くあり、
いろいろな場所、アングルで狙うのがオススメ。

【天保山】
標高4.53mの築山(つきやま:人工的に作られた山)。国土地理院の地形図に山名とともに記載されていて、山頂には二等三角点が設置されています(写真)。江戸時代天保年間に、安治川の大浚渫工事「天保の大川浚」が行われ、その際に出た大量の土砂を積み上げて造られました。開国前の幕末には、外国船に備えた砲台として利用された歴史も。かの坂本龍馬が妻のおりょうとの出かけた日本初といわれる新婚旅行の出発点でもあります。

天保山公園入口。すぐ隣の海遊館周辺はにぎやかだが、
ここは別世界かと思うほど静かな佇まい。

「日本一低い山」の表示がある三角点。

天保山と此花区桜島を結ぶ天保山渡し。もちろん無料。

【中央突堤周辺へ】
新しいレジャースポットとして人気の水族館「海遊館」周辺は、ショッピングモールや整備されたデッキなど新しい施設が目立ちますが、かつては大阪臨港線の大阪港駅がありました。少し歩くと古いビルや港湾施設など、昭和の雰囲気が漂う景観が残っているので、あちこち散策してみるといいでしょう。ただし、港湾施設は関係者以外立ち入り禁止のエリアも多いので気を付けて。きちんと確認してから撮影しましょう。

天保山マーケットプレイス内には、かつての大阪臨港線の
なにわ駅の面影を伝えるコーナーがある。

大型水族館「海遊館」のあたりに貨物駅があったが、
その面影はない。

中央突堤上屋。コンテナ輸送が主流になった現在、
上屋はほとんど使われなくなった。
この上屋も使われなくなって久しいが、
他が撤去されていく中、なぜか廃墟として残っている。

大きな建物は大阪港と大阪南港を結ぶ「大阪港咲洲トンネル」の施設。かつて手前の広場には、船舶の航行を見守るレーダー施設「ハーバーレーダー」が立っていたが、
トンネル建設の支障になるため、
大阪万博予定地の舞洲に代替新設が設置された。

昭和の匂いが残る建築物 赤レンガ倉庫。ガイドブックや検索で出てくる赤レンガ倉庫は、現在クラシックカーの博物館になってきれいに整備されているが、こちらは昔のまま。
手前のスペースに貨物線が走っていた。

昭和の匂いが残る建築物 天満屋ビル。戦災でほぼ全域が焦土と化した港区では、非常に珍しい昭和初期建築の建物。2階建てに見えるが実は3階建て。かつての1階は、戦後の高潮被害後に道路が嵩上げされたため、半地下状態になっている。

いかがだったでしょうか。この大阪港周辺は、まだまだ魅力的な景観がたくさんあるのですが、すべてを紹介することはできませんので今回はこのくらいでご勘弁を。あとは、皆さんがご自身の目で見て、そして愛機で撮影してください。最後に大阪港は夕日の名所でもあるので、そのワンショットで終わりたいと思います。

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