11/19は“ほぼ”皆既月食!!
12月のふたご座流星群も注目!
こんにちは。スクエア大阪の伊藤です。本日11月19日(金)は、夕方から“ほぼ”皆既月食と言ってもいい部分月食が全国で見られます。すでにこのスクエア通信を見るまでもなく、撮影準備に取り掛かっている方もいることでしょう。という私もその一人。このスクエア通信が公開される頃には、撮影ポイントでカメラを構えていると思います。
ただ、問題は天候。今年の5月の皆既月食では全国的に天候に恵まれず、肩透かしを食らってしまいました。今回はどうでなるでしょうか。こればかりは祈るしかありませんが、晴れることを信じて撮影に臨みます。
月食撮影のコツや撮影ポイントの決め方については、5月21日公開のスクエア通信をご覧いただくとして、今回の月食について簡単に解説しましょう。
●今回は地球の影からわずかにはみ出る部分日食
今回の部分月食は食分が「0.978」。食分「1」以上で皆既月食となりますので、地球の影(本影)からはみ出るのは、わずかに0.022%<図1のイメージ>。部分月食とはいえ、食の最大の時間帯には影の部分が赤く染まるのを見ることができると思います。撮影の準備が整わなかったという方も東の空で繰り広げられる天体ショーを、ぜひ楽しんでください。
●今回も月食と地上の被写体を同時に写し込むチャンス!
下の<図2>は、東京の星空を基準にした月食のおよその位置が記された図です。
今回の部分月食(ほぼ皆既月食)も、高度が低いことが特徴です。月食(部分月食)が始まった状態で月の出を迎える「月出帯食」となります。ぜひお気に入りの地上風景とのコラボレーションを狙ってみましょう。
※撮影のコツや撮影ポイントの決め方については改めて5月21日公開のスクエア通信を参照してください。食の最大時の露出パラメーターは「皆既前後」に準じます。月の出の方向が、前回より北寄りになりますが、地上の被写体とのバランスの取り方は、そのまま参考になると思います。
●12月は恒例の三大流星群の一つ、ふたご座流星群に注目!
今年のふたご座流星群のピークは12月14日の16:00ごろ。日本はこの時間昼間なのですが、ふたご座流星群は活発な時間帯が長く、13日夜から14日明け方にかけてと、14日夜から15日明け方にかけての2回チャンスがあります。両日とも夜半過ぎまで月明かりの影響を受けて悪条件ですが、日が変わってから明け方にかけての時間帯(東京で午前2時ごろから午前5時ごろ)は、ちょうど月が沈むため比較的好条件となります。この時間帯に空の暗いところなら、1時間当たり20~30個の流星が見られると予想されます。ただし、季節的にかなり寒くなります。防寒対策はしっかりと行ってください。また、見やすいからと言っても駐車場などは思わぬ事故につながる危険性があります。観察・撮影ともに、周囲の安全を必ず確認するようお願いいたします。
<図3>はふたご座流星群の放射点を示したものです。流星は放射点を中心に放射状に出現しますが、実際は空のあちこちに現れます。いつどこに現れるかわかりませんので、観察する際は双眼鏡や望遠鏡は使用せず、肉眼でぼんやりと広い範囲を見るように眺めるのがコツです。
撮影の際は、インターバル合成・アストロトレーサー等の追尾撮影ともに、長めのシャッタースピード(10~30秒以上)が良いでしょう。暗い星空の撮影ということもあり、高感度が必要というイメージがあるかもしれませんが、明るい流星は1~2等星並みの明るさになることも少なくありません。この明るさならば、通常の星景撮影と同じ条件で十分に写ります。高感度にすると、光害(街明りなど)で背景が白くかぶるばかりです。高感度のままかぶりを抑えるためにシャッタースピードを短く(早く)すると、インターバルの合間などシャッターが開いていない時間が結果的に長くなり、流星の流れるタイミングを逃しやすいというわけです。長めのシャッタースピードで背景かぶりが出ない程度になるよう感度調節することをお勧めします。
ある程度アストロトレーサーを使った星景撮影に慣れている方は、背景の星座や天体を意識してみましょう。<図3>を見るとお分かりの通り場所や時間にもよりますが、冬の大三角やオリオン座など冬の豪華な星座たちや、まだ頑張っている秋の星座、おうし座のヒヤデス星団やプレアデス星団(すばる)、北の方角では北斗七星とカシオペア座などを背景にすることができます。狙う背景にうまく流星が掛かるかは運任せになりますが、ハマれば傑作をモノにできるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。
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