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星空で心を癒す!
夏の天体観察ガイド

こんにちは。スクエア大阪の伊藤です。
この記事を執筆中に、東京都での緊急事態宣言発令、大阪もまん延防止等重点措置の延長が決まってしまいました。いわゆる「コロナ前」の状況に戻るには、いましばらく時間がかかりそうです。私もそうですが、皆さまもなかなか撮影スポットへ気軽にお出掛けとはいかないのがつらいところですね。
とはいえ、せっかくの夏をステイホームだけで過ごすのは、心身ともによろしくありません。そこで今回は、昨年4月にもお届けした星空観察の夏バージョンです。折よく8月7日(土)の夕方にリコーフォトアカデミー教養講座初めての星空観察 大沼崇先生 8/7(土)PM オンライン開催」がございます。詳しい内容や詳細ページへのリンクは文末でご紹介しますが、残念ながら参加できない方は、この夏の星空観察用のガイドとして、今回のスクエア通信をご活用いただければと思います。

オススメグッズで星空観望をより楽しく!

昨年4月の記事でもご紹介しましたが、せっかくですからこれがあるとより楽しくなるというオススメグッズを紹介します。

  1. 星座早見盤or 星空アプリ
    その時に見えている星や星座の位置・名前・形などを知るために必要です。星座早見盤は1,000円前後、星空アプリは無料のものがたくさんあります。意外かもしれませんが、空の明るい街中でもある程度星座の形をたどることはできます。自分の星座(星占い)がどんな姿か知るのも楽しいですよ。
  2. 双眼鏡
    後でお話しするペルセウス座流星群以外では、以前ご紹介した星空観察にオススメの双眼鏡(スクエア通信2019年8月9日号)があると、肉眼だけよりもグッと楽しくなります。お手元のバードウォッチング・スポーツ・観劇用などの小型のものでも結構楽しめます。

それでは、今年の夏の星空の見どころを、順にご紹介しましょう。

<図1:2021年8月中旬 21時頃の東京の星空/参照元 国立天文台

●夏の天の川
まずは何といっても南の空、地平(水平)から立ち上がる天の川。8月上から中旬は月明かりも少なく好条件。街明りが少ない場所では、肉眼でもその迫力は十分楽しめます。空が明るい都市部でも双眼鏡があればぜひ使ってみてください。星座や星の知識がなくても視野いっぱいに広がる色とりどりの星々は、眺めているだけでも楽しめます。
★ちょっと星知識★
天の川は、その名の通り私たちの太陽系が含まれる「天の川銀河(銀河系)」の一部の姿です。天の川銀河は外から見ると渦巻型(正確には棒渦巻型)の直径10万光年にも及ぶ巨大な星々の集団なのですが、私たちはその天の川銀河を中(中心から約2万5800光年の位置)から見ているので帯状の姿となります。夏の天の川は、天の川銀河の星が分厚く密集している中心部分(バルジ)が見えているので、このように大きく明るく見えるのです。逆に暗く幅の狭い部分は、中から天の川銀河の外側方向を見ているわけです。

●七夕伝説:織姫星と彦星
空が暗くなってくると、頭上に明るい1等星が3つ目立つようになってきます。そのうちの2つが七夕伝説で有名な織姫星(おりひめぼし こと座の1等星ベガ)と彦星(ひこぼし(牽牛/けんぎゅう) わし座の1等星アルタイル)です。空の条件が良いところでは、織姫と牽牛を隔てるように流れる天の川が見えるはずです。
★ちょっと星知識★
こと座のベガ(織姫星)とわし座のアルタイル(彦星)の近くに、もう一つ目立つ1等星があります。はくちょう座のデネブです。この三つの1等星を結ぶと大きな三角形が出来上がります。これが「夏の大三角」です。はくちょう座はデネブを含めて比較的明るい5つの星で大きな十字を形作っていますが、これは南の空に輝くみなみじゅうじ座(南十字星/サザンクロス)に対して、北十字星/ノーザンクロスとも呼ばれます。

<図2:2021年8月13日 ペルセウス座流星群と放射点/参照元 国立天文台

●ペルセウス座流星群
三大流星群の中でも毎年お盆休みのころにピークを迎えるので、日本では天文ファン以外の方でも名の知られている流星群です。今年はピークが12日の夜半から13日明け方にかけて、その前後1日も普段より多くの流星が見られるでしょう。さらに今年は8月8日が新月で月明かりの影響がほとんどないという絶好の条件です。<図2>では放射点を中心に流星が流れるイメージで記されていますが、実際は空のあちこちから流星は現れます。流星群の観察には双眼鏡や望遠鏡は必要ありません。放射点を集中して眺めるのではなく、視野を広くとって空全体をぼんやりと眺めるぐらいがちょうどです。長時間頭上を眺めるのは首に負担がかかりますので、可能であれば折り畳みマットなどの上に寝転がるのもいいでしょう。空の暗いところでは1時間に約50個のペースで流れると予想されます。
★ちょっと星知識★
流星は、宇宙を漂う非常に小さい塵(1mm~数cm)が大気圏に突入し、空気との摩擦で蒸発しガスとなることで発光する現象です。この塵が空気中で燃え尽きないほど大きくなると地上に落ちて隕石となります。時々ニュースで「火球」と呼ばれる非常に明るい流星が話題となりますが、そのうちのいくつかは隕石として発見されることもあります。流星群のもととなる塵は彗星(ほうき星)が放出したもので、その彗星の軌道上に帯状に漂っています。そこに地球が飛び込むことでたくさんの流星が流れるのです。

<図3:2021年8月下旬 月が土星・木星に相次いで接近/参照元 国立天文台

●土星と木星が見ごろ
今年の夏は、土星と木星が揃って見ごろとなります。どちらも南東方向、天の川の左側にひときわ明るく輝く2つの惑星は、誰でも簡単に見つけることができます。左側の明るい方が木星、右側の少し暗い方が土星と覚えておくとよいでしょう。8月下旬には<図3>のように月と立て続けに接近します。地球から見える太陽系天体でも代表的な3つの星のランデブーを楽しみましょう。
★ちょっと星知識★
望遠鏡(天体望遠鏡はもちろん、バードウォッチング用のスポッティング(フィールド)スコープでもOK)をお持ちの方は、ぜひ月・土星・木星に向けてみましょう。有名な土星の輪を見るためには約100倍の倍率が必要ですが、月と木星は20倍前後でも肉眼とは違う表情を見せてくれます。特に木星の「ガリレオ衛星」と呼ばれる明るい4つの衛星(木星の月)が木星のそばで輝く様子は、前述のおススメ双眼鏡のうち、SD8×42WPやSP8×40でも三脚で固定するか手すりなどを利用して手振れを抑えれば、何とか見ることができます。ちなみにガリレオ衛星の「ガリレオ」は、「それでも地球は動く」のエピソードで有名なイタリアの天文学者のガリレオ・ガリレイが、自作の天体望遠鏡で木星を見て初めて発見したことが由来です。

さて、最後に冒頭でも触れたリコーフォトアカデミー教養講座初めての星空観察 大沼崇先生 8/7(土)PM オンライン開催」のご案内です。本講座では次のような内容を学ぶことができます。

  • 身近な距離感とリンクさせて、身近な天体までの距離と宇宙のスケールを理解する。
  • 星の色はなぜカラフルなのか。
  • 12星座と惑星の動き。なぜ惑星(惑う星)と呼ばれているか。
  • 星の輝きと私たちの関係
  • 星の輝きになぜ心が癒されるのか。
  • 一生に一度は見ておきたい天文現象
  • 星空を楽しむためのツールと星空を安心して見る場所

星空や宇宙を楽しみたいけど、きっかけがつかめない、とっかかりが分からない。そんな人たちのための「きっかけ」となる楽しくてためになる星の話です。この夏、星空観察にチャレンジしたいと思っている方、オンラインの無料講座ですから、ぜひお気軽にご参加ください。

リコーフォトアカデミー教養講座 初めての星空観察 大沼崇先生
8/7(土)PM オンライン開催

日程:
8/7(土) 17:00~19:00
※通常と開催時刻が異なります。ご注意ください。
会場:
Microsoft Teamsを利用したオンライン会議形式

詳細・お申込みはこちら

それでは皆さま、夏の星空ライフをお楽しみください!

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