smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WRはフルサイズ仕様のレンズです。主なスペックは最短撮影距離が30.3cmで等倍(センサー上で被写体と同じ大きさ)撮影ができ、ワーキングディスタンスが13cmのためマクロ撮影に有利です。そのうえF5.6まで円形絞りのためボケ効果を引き出すのに適しています。また、アウトドアでの撮影を助ける防滴構造です。このマクロレンズをPENTAX K-1に装着して紫陽花を撮影しましたのでレポートいたします。
画面全体をシャープに撮影する
紫陽花の撮影は雨が似合うのですが、晴れた日の撮影で心がけるのが日陰での撮影です。この撮影では構図に変化をつけるために左下に木漏れ日を入れました。絞りは全体をシャープに写すためにF11にしました。紫系の色を再現するのにカスタムイメージの選択はとても重要です。この時のカスタムイメージはナチュラルがもっとも正しく色を再現していました。カスタムイメージはRAWで撮影しておけば後で選択ができるので便利です。
やわらかいボケ味が魅力
ボケはピントがあっていない描写を表します。ボケは日本語ですが、国際語として通用します。スペルは「BOKEH」と綴ります。ボケの効果を最大にするために絞りのF値は開放のF2.8にして撮影。前ボケを入れてフレーミングしました。ピントは中心部のみにして周辺をやわらかい緑の前ボケで包みました。
超接写を楽しむ
マクロ撮影も最短の30.3cmで撮影すれば等倍の撮影ができ、肉眼で見ているものと異なる世界を捉えられます。これにはまってしまうと時間の経つのも忘れてマクロ撮影を楽しんでしまいます。この撮影では膨らんだ雨粒をポイントにしています。
滴を写す
フレーミングを縦位置にして大胆に狙ってみました。ポイントは滴です。絞りを開放のF2.8にして被写界深度を浅くしての撮影です。ボケは肉眼で見ることができません。レンズを通して初めて見えるもので、写真ならではの表現です。
35mm マクロリミテッドで写す
APS-Cフォーマット用のHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro LimitedをPENTAX K-1に装着してフルサイズで撮影しました。このマクロレンズはイメージサークル(結像性能を確保している範囲)が小さいために一般的な撮影距離では周辺にケラレが生じます。撮影距離が50cmとなるとケラレがわずかとなり、30cmではほとんど気になりません。焦点距離が短いため背景の写る範囲が広くなり、遠近感を強調した接写ができます。この写真は撮影後のJPEGデータをデジタルフィルターのトイカメラに設定して、さらに周辺を暗くするシェーディングをやや強めにし、トーンブレイクをブルーに設定しました。
プロフィール
池永 一夫
(いけなが かずお)
東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座勤務。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。
過去の記事
- 「3種類のマクロレンズを使いこなそう(2.パースペクティブ/遠近感 編)」 2017.11.29
- 「PENTAX KPで富山の路面電車を撮る」 2017.07.10
- 「3種類のマクロレンズを使いこなそう(1.画角編)」 2017.06.27
- 「新湊街歩き」 2017.05.15
- PENTAX KP 夜の体験会にて
- PENTAX KP ファーストインプレッション
- 初めまして、朝倉です。
- 「ハタオリの町を歩く」
- K-1 実写レポート マクロ100mmで紫陽花を写す
- スクエア銀座で開催の今野義好写真展
- K-1 実写レポート FA リミテッドレンズで写す
- PENTAX K-1試写レポート
- 『電子ダイヤル』をカスタマイズする
- 『クイックビュー』をカスタマイズする
- K-S2を相棒に五島列島をめぐる(後編)
- K-S2を相棒に五島列島をめぐる(中編)
- K-3IIのリアルレゾリューションを体験する
- K-S2を相棒に五島列島をめぐる(前編)
- K-3のインターバル合成で星を撮る
- K-3で桜を写す
- Q7で写す伏見稲荷大社
- 「CP+ 2014」と「フォトスクール&オフミーティングin松山」に是非足をお運びください。
- K-3で巡る石垣の集落
- K-3で京都の紅葉を写す
- 雨の箱根湿生花園を写す
- GRで初夏の横浜山手を歩く
- GRで下町情緒を残す佃界隈を写す
- GRデビュー ファーストインプレッション
- Q10で春の京都を写す
- K-5ⅡsとDA18-270mmで「長崎さるく」
- GR DIGITAL Ⅳで夏の妻籠宿を写す
- 岡田紅陽没後40年展「富士山」に行ってきました
- K-30レポート(続)と猿島での写真展
- K-30ファーストインプレッション
- RICOH GXRで新緑を写す
- PENTAX Qでトイレンズを楽しむ
- フォトスクールのご紹介
- 645Dと大判プリンターのコラボ
- ホワイトバランスの運用法(2)
- 灯りまつりをK-5で
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- 645Dを気軽に楽しむ
- ホワイトバランスの運用法(1)
- 初めまして
- カラマツ林を立体的に仕上る
- 夜明けの秋元湖
- 645Dで滝を写す
- 写真散歩「嵐電沿線」
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- K-7+DA 15mmで永平寺を写す
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