 PENTAX K-1実写レポート FAリミテッドレンズで写す
PENTAX K-1に期待するのがFAリミテッドレンズの3本を装着した時の写りです。このレンズはフィルムカメラのMZシリーズの時に発売され、未だに現役です。このレンズの特長は、プリントをして目で評価して開発する感応評価によるところです。3本に共通する描写性能は(1)ヌケのよいクリアーな描写、(2)線が細く繊細な描写、(3)開放F値が2を切る大口径できれいなボケの描写です。描写を決定づけるのが解像力などの数値だけではないことを教えてくれるレンズです。そのレンズもAPS-Cのカメラに装着すると換算焦点距離が1.5倍になるため、本来のこだわりの焦点距離が活かせませんでした。だからこそFAリミテッドをフルサイズで使用したかったのです。
大口径の広角レンズ31mm
焦点距離が28mmと35mmの中間で広角レンズは開放F値が1.8と明るくコンパクトなレンズです。ボケがきれいで、絞ればカリッとしたシャープな描写が特長です。偶然に出会った猫を開放で写しました。抜け出るような描写にさすがに31mmと納得しました。
撮影データ:smc PENTAX-FA31mmF1.8AL Limited、絞り優先自動露出(1/125秒・F1.8)、-0.3EV、感度ISO100、カスタムイメージ:ナチュラル、オートホワイトバランス (クリックすると拡大します)
やわらかいボケ味が魅力
カフェに入りテーブルに置かれた花を開放のF1.8で撮影しました。このやわらかいボケ味が31mmの特長です。しかもピントの合ったところはあくまでもシャープで分離度も期待どおりです。このレンズの特長である、絞れば驚くほどにシャープになる描写もいずれ試してみたいところです。
撮影データ:smc PENTAX-FA31mmF1.8AL Limited、絞り優先自動露出(1/25秒・F1.8)、-0.3EV、感度ISO100、カスタムイメージ:ナチュラル、オートホワイトバランス (クリックすると拡大します)
43mmというこだわりの焦点距離
24×36mmの35ミリ判フィルムの対角線の長さが43mmで、まさにその長さを焦点距離にした標準中の標準レンズです。パースペクティブが肉眼に近いことからこのレンズ一本勝負で街撮りを楽しむのも一興です。まず一日の始まりの日の出を撮影。ホワイトバランスをCTEにして赤味を強調。このCTEは通常のオートホワイトバランスとは逆に、メインの色味を強調して印象的に仕上げるペンタックス独自のモードです。K-1との組み合わせでも、湖面の細かな波までしっかりと描写できています。
撮影データ:smc PENTAX-FA43mmF1.9 Limited、絞り優先自動露出(1/400秒・F4)、感度ISO200、カスタムイメージ:雅、ホワイトバランス:CTE (クリックすると拡大します)
描写に力を感じる
内面反射を極力抑えた設計になっているのでヌケのよいクリアーな描写を特長とします。そのため色ノリが深く、絞ればシャープな描写となります。ボケは素直で自然です。このレンズの使いこなしには絞りの設定が重要です。
撮影データ:smc PENTAX-FA43mmF1.9 Limited、絞り優先自動露出(1/60秒・F7.1)、-0.7EV、感度ISO320、カスタムイメージ:ナチュラル、オートホワイトバランス (クリックすると拡大します)
街撮りに重宝な画角
一般的な標準レンズは50mmですが、それよりもやや広めに写る43mmはスナップにも重宝します。F8に絞ればシャープで気持ちのよい描写が特長です。
撮影データ:smc PENTAX-FA43mmF1.9 Limited、絞り優先自動露出(1/320秒・F8)、+0.7EV、感度ISO100、カスタムイメージ:ナチュラル、オートホワイトバランス (クリックすると拡大します)
大きなボケ味が魅力の77mm
77mmは内面反射を極力抑えた設計のためヌケの良さが特長です。そのために白の中のハイエストライトを描写することを得意としています。また、白をきっちりと描写するためにレンズのコーティングにも工夫を凝らしています。描写においては開放からやや絞ったF2.5あたりがボケと像性能のバランスがとれていてお勧めです。この写真はF2.5にしてRAW現像時にホワイトバランスを微調整しました。
撮影データ:smc PENTAX-FA77mmF1.8 Limited、絞り優先自動露出(1/100秒・F2.5)、-0.7EV、感度ISO2000、カスタムイメージ:鮮やか、オートホワイトバランス(B5・M1) (クリックすると拡大します)
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