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連載コラム 写真三昧 SHASHIN ZANMAI
プロフィール

 

池永 一夫
いけなが かずお

 

東京写真大学卒(現・東京工芸大学)、写真大好き人間。一日一写、写真俳句を日々の楽しみにしている。リコーイメージング株式会社リコーイメージングスクエア銀座所長。武蔵野美術大学の非常勤講師を勤めるなど、カメラ、写真の講師としても活躍中。一滴会同人。

リンク ペンタックスファミリー 光と色の反射率 by Dr.M

雨の箱根湿生花園を写す

究極の組合せK-5IIs+DA60‐250mmED [IF]SDM

雨の日はどのようにお過ごしですか。私は雨の撮影がとても好きです。濡れた景色は風情があり、植物の色は深くなるし、いつもと違った出会いにわくわくします。今回は雨の箱根湿生花園を望遠ズームのDA60‐250mmED[IF]SDM の1本勝負で撮影してきました。木道を歩きながらの撮影のため長めの望遠ズームが役立ちます。カメラはローパスフィルターレスのK-5IIsです。

ボケを活かして

このレンズはスターの称号のつく高性能レンズです。結像性能はもちろんのことボケ味も素敵です。湿生花園の入口すぐの小さな池のほとりにアジサイが咲いていました。まわりにはほかの植物もあり、ボケを活かすことにしました。ボケはピントがあっていないことを表す日本語ですが、海外でもBOKEHとして通用する国際語です。手前の前ボケを活かすには思いきってレンズをその葉っぱに近づけます。絞りはアジサイのピントを満足させ、ボケを活かすために開けすぎず絞り込み過ぎないF5.6に設定しました。

撮影データ:使用焦点距離250mm、絞り優先自動露出(F5.6・1/250秒)-1EV、感度ISO320、カスタムイメージ:雅(MIYABI)、ホワイトバランス:太陽光

防塵・防滴だから安心

撮影データ:使用焦点距離128mm、絞り優先自動露出(F11・1/40秒)-1EV、感度ISO200、カスタムイメージ:雅(MIYABI)、ホワイトバランス:太陽光

雨の撮影で絶対に外せないのが防滴機能です。使用機材のK-5IIsとDA60‐250mmはともに防塵・防滴だから雨も気にせず撮影に専念できます。滴を纏うフトイを見つけて驚きました。雨降りならではの出会いです。このような雨の撮影で注意したいのはレンズに水滴を付けないことです。その点、このレンズのフードは大型ですので安心です。撮影前にレンズに雨滴がついていないかをチェックします。雨滴がついていたらブロアーを使って中心から外側へ雨滴を吹き飛ばします。レンズにはSPコーティングを施していますので不思議なほど雨滴が外側へ転がりきれいに取れます。決してレンズ拭きで拭かないことです。拭き残しをつくってしまい厄介です。

「雅(MIYABI)」をお試しください

デジタルカメラで色をどのように調整するのか、そのレシピのひとつを紹介します。色に関するカメラの設定項目はカスタムイメージ(画像仕上げ)とホワイトバランスです。今回の撮影はすべてカスタムイメージを「雅(MIYABI)」にしました。雅はペンタックブランドのカメラの特徴的な画像仕上げで、期待色や記憶色をベースにしています。忠実色とは対照的にこうあってほしいという期待の色です。特に緑に対して有効です。緑を強調し、その変化を細やかに表現してくれます。写真はエゾミソハギで拡大するとミツバチも見えます。

撮影データ:使用焦点距離108mm、絞り優先自動露出(F5.6・1/400秒)-1EV、感度ISO800、カスタムイメージ:雅(MIYABI)、ホワイトバランス:AUTO

三脚使用で注意したいこと

防水リモートコントロールO-RC1
希望小売価格3,780円(税込み)

箱根湿生花園では土日の三脚使用を制限しています。訪れたのが平日で入園者が少なかったのでスペースを確保できる条件下で三脚を使用しました。三脚を使用するからといって油断は禁物。必ずレリーズを使います。お勧めは防水リモートコントロールO-RC1です。O-RC1なら雨の撮影でも安心です。手ブレ補正は手持ち撮影に有効のために三脚使用時にはOFFにします。その点、ドライブモードをリモコンモードに設定すれば、自動的に手ブレ補正がOFFになり都合がよいのです。さらにミラーアップも併用します。あらかじめミラーをアップしておけばミラーショックの影響がなくなるからです。ミラーアップして5秒くらい待ってからレリーズします。ミラーアップした直後のレリーズは三脚内に振動が残ってブレの原因になることがあります。雨に濡れたヤマボウシを撮影しました。いかにシャープに写っているか拡大してご覧ください。

撮影データ:使用焦点距離98mm、絞り優先自動露出(F8・1/60秒)、感度ISO320、カスタムイメージ:雅(MIYABI)、ホワイトバランス:AUTO、三脚使用

ノカンゾウを最短撮影距離で写す

撮影データ:使用焦点距離250mm、絞り優先自動露出(F5・1/250秒)-0.3EV、感度ISO320、カスタムイメージ:雅(MIYABI)、ホワイトバランス:AUTO

湿生花園の帰りにヤマブキの葉っぱの間からノカンゾウが顔をだしていました。焦点距離を望遠側に目いっぱいの250mmにセットし、ぐっと近づいて最短撮影距離の1.1m近くで撮影をしました。いわゆる望遠接写です。自由にフレーミングをしたいので手持ちで撮影をしました。雨に濡れた花びらが克明に写っています。最後に濡れた機材は乾いた布で丁寧に拭き取ってください。濡れたバックに入れたままは禁物です。