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精密描写に挑戦 今回は京都の梅小路蒸気機関車館で蒸気機関車のクランク部の精密描写に挑戦してきました。カメラは小型軽量のK-m、レンズはDA 35mm F2.8 Macro Limitedを使用しました。展示館には蒸気機関車18両が保存され、うち7両が動態保存されています。中にはボイラーに火が入り、お客さんを乗せて構内を走ったりしています(この走りの写真はK20D+DA 55-300mmF4-5.8EDで撮影しました)。場内は石炭や油の匂いがしてファンには胸ときめく聖地となっています。ここは学生時代に訪れてから、なんと36年ぶりのことになります。
K-mで精密描写 精密描写に適したDA 35mm F2.8 Macro Limited。絞り優先モードで全体にピントをしっかりとさせるため、絞りはF8に設定しました。デジタルでは絞りの設定に注意をしなくてはなりません。絞り過ぎると回折現象でシャープネスを損なう危険があります。感度は精密描写の質を追求するために基本感度のISO100 にしました。展示館の中はうす暗いために、当然のことながらシャッター速度は1/4秒以下と遅くなります。手持ちでは手ぶれ補正機構がついているとはいえ、困難です。そこで三脚を使用します。K-mの場合はカメラぶれを防ぐためにレリーズ(シャッターを切る)時にリモコンFを用います。それから三脚使用時は手ぶれ補正機構を必ずOFFにしなくてはなりません。K-mはドライブモードをリモコンのモードにセットすると手ぶれ補正機構が自動的にOFFになり便利です。さらにK-mに搭載されたシャドー補正は金属の質感と力強さを出すためにあえてOFFにしました。
液晶モニターを見るためのアクセサリー
次に正しい露出をどのようにして決めるかです。その判断をするための最大の武器がヒストグラムです。ヒストグラムは輝度分布を表わすグラフですが、この見方が分かれば露出を掌握することが簡単になります。なぜならば再生時の液晶モニターの明るさで露出を判断すると、失敗のおそれがあります。理由は見え方が見る場所の明るさに影響してしまうからです。ヒストグラムであれば露出の状況を論理的に見られるというメリットがあります。ただし、外光を遮断してしまえば、外部の影響を受けないことになります。今回の撮影では、液晶モニターをすっぽり覆って外光を遮断して見ることができる液晶モニター確認用ルーペを使用しました。全体はラバー製で3インチの液晶モニターに対応しています。外光を遮断できるため、戸外でも抜群に見やすくなりました。撮影の必須アイテムといえます。なお、ヒストグラムの見方は改ためて別の機会に述べたいと思います。 DA 35mm F2.8 Macro Limitedの威力 そして撮影した機関車の動輪部の2点の写真をご覧ください。DA 35mm F2.8 Macro Limitedの写りのよさに驚きました。焦点距離は35ミリ判に喚算すると53mmで、精密描写にちょうどよい写角となります。写りはピクセル等倍に拡大して見ると金属部にハンマーで叩いたスクラッチが克明に写っていて、レンズの力を感じます。このような精密描写に威力を発揮します。さらに標準レンズの写角でありながら最短撮影距離は13.9センチと等倍の撮影ができ、開放F値が2.8と明るく、ぼけを生かした撮影も得意です。このレンズはぜひ揃えておきたい1本です。
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