GR DIGITAL Ⅳで夏の妻籠宿を写す
昔ながらの街並みを保存する中山道の宿場町の妻籠宿を訪ねました。カメラを片手の散策にぴったりなのがRICOH GR DIGITAL Ⅳです。レンズは単焦点の広角で写角が35mm判換算で28mmになります。日常の視覚からするとかなり広く写ります。抜群に写るこのカメラを使いこなす秘訣はカメラマンの立ち位置、すなわち撮影ポジションということです。
ぐっと近づいて写します
妻籠宿の入り口近くに段々になった水田があり、稲穂がまっすぐに育っています。すがすがしい緑色です。カメラをぐっと稲に近づけました。アングルを目線よりかなり低くして、周辺の家や車が写らないように四隅に注意を払います。ピントは手前(画面を縦に3等分した一番下のライン上の真ん中)に合わせます。そのためにフォーカスはスポットにして測距点をターゲットに移動させます。実に気持ちがよいほどシャープに写っています。拡大すると稲穂の一粒一粒がはっきりと写っています。

撮影データ:絞り優先(F5.6・1/100秒)-1.3EV、感度ISO80、画像設定「スタンダード」、ホワイトバランス「マルチパターンAUTO」
花と水と
妻籠宿で目に付いたのが花と水です。どの家にも花が飾られています。その飾り方も様々です。花好きにとってこのうえない場所です。そしてふんだんに湧き出す沢水です。玄関先に丸太を刳り貫いた水舟と鉢植えの花が涼しさを誘います。ぐっと近づいて写しました。

撮影データ:絞り優先(F5.6・1/45秒)-1.3EV、感度ISO80、画像設定「スタンダード」、ホワイトバランス「マルチパターンAUTO」
切り撮る醍醐味
ひまわりの切り花が無造作に水甕に差し込まれています。まさに夏の一コマです。このときの撮影ポイントはどこまで見せるかです。画面に入れるかどうかの選択に注意を払います。説明的にならないように雰囲気を伝えたいと考え、左上のほうきや右上の石畳を最低限の情報にとどめました。そのためには撮影ポジションが大切です。カメラのアングルや振り(角度)、被写体に対する前後の動きなど、わずかな調節で決定づけられます。それがこのカメラで写す醍醐味といえます。

撮影データ:絞り優先(F5.6・1/32秒)-1.3EV、感度ISO80、画像設定「スタンダード」、ホワイトバランス「マルチパターンAUTO」
手持ち撮影だから気持ちよい
軒先に飾られた花籠を撮影しました。室内の照明も日暮れの雰囲気を醸し出します。手持ち撮影をかなえてくれる手ぶれ補正とISO 感度をオートにしているために安心です。水平を確かめながら正面から撮影。

撮影データ:絞り優先(F5.6・1/30秒)-1.3EV、感度ISO300、画像設定「スタンダード」、ホワイトバランス「マルチパターンAUTO」
夕立がやってきました。下駄屋さんの軒下で少し雨宿りをすることに。きれいに並べてある下駄を撮影させてもらいました。お祖父さんが下駄職人だったという。お孫さんの代になった今は近在から仕入れて商いをしていると。下駄といえば桐だと思っていたら、ここでは「ねずこ」という材です。「ねずこ」は「「黒檜(くろべ)」ともいい木曽の五木のひとつです。耐朽性に富み軽いのが特徴。ほかに「胡桃」が使われていて「ねずこ」がお勧めということで、「ねずこ」の下駄を買い求めました。

撮影データ:絞り優先(F5.6・1/30秒)、感度ISO800、画像設定「スタンダード」、ホワイトバランス「マルチパターンAUTO」
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