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開発の現場から / Challengers

信頼性 ~機能性・操作性との両立~

人物紹介

稲塚 雅弘

開発推進リーダー

稲塚 雅弘

“カメラの要求性能を実現しつつ、外観寸法を抑え、なおかつ耐久性、防塵・防滴性能を満たすために”

機能・操作性と信頼性の両立

カメラは一般的に、構成部品が増えるほどに強度や信頼性を保つことは難しくなると言われています。
K-1、K-1 Mark IIでは機能性、操作性向上のためにこれまでのKシリーズの中でも最も多い操作部材を設けましたが、強度や、防塵・防滴性能を担保するために細かなところまでこだわって高い信頼性を実現しています。
K-3 Mark IIIにおいては、測距点レバーを新設したうえで、同等の操作性、信頼性を維持しながら、K-3シリーズのサイズに落とし込むことに苦労しました。

稲塚 雅弘
PENTAX K-3 Mark III, PENTAX K-3 Mark II

小型堅牢ボディ実現への道のり

カメラの堅牢性を高めるために、外装カバーをすべてマグネシウムにすることを目指しました。
軍艦部が金属になることで、これまでK-1やKPではペンタ部に配置していた無線のアンテナを他の場所に移させなければなりません。
さらに、高倍率実現のために大きくなったペンタプリズムや、情報量を大幅に充実させた表示パネルなどを小型ボディに収める必要があります。
そのために、従来機種に対して配置の工夫や、非常に細かな内部構造の見直しまでも求められました。
移動させた無線アンテナはどこに行ったかというと、グリップ内に仕込みました。無線アンテナは、通信性能を確保するためにできるだけ張り出した部分に配置する必要があるためです。
しかしながら、グリップにはバッテリー室があり、バッテリーによる通信阻害も回避する必要があります。バッテリーとアンテナの距離を取ったうえでグリップの握り心地を損なわないようにする工夫も重ねています。

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リーフスイッチの採用

これまでのKシリーズのAPS-Cモデルは小型化を優先してシャッターボタンに「タクタイルスイッチ」を採用していましたが、K-3 Mark IIIでは軽快なシャッター感覚を得るために、645シリーズやK-1で搭載している「リーフスイッチ」を採用しています。
リーフスイッチはクリック感のない軽快な押し心地を得られるだけでなく、耐久性の向上にも寄与しています。
K-1で評価の高かったシャッター感覚を実現するためにK-1の構成をそのまま採用できれば良かったのですが、それだとK-3 Mark IIIの目指す小型ボディでは納まりきりません。
それを回避するために、内部構造を工夫することでレリーズユニットの高さを約3mm抑えることができました。これにより、肩の部分を大幅に低くすることができ、外観デザインにも大きく貢献しています。

新開発のシャッター駆動系と、シャッターユニットを採用することで30万回の耐久回数を実現しており、シャッターボタンも同様の耐久回数をクリアしています。

リーフスイッチ構造図
リーフスイッチ構造図
高耐久シャッターユニット
高耐久シャッターユニット

最後に

カメラの要求性能を実現しつつ、外観寸法を抑え、なおかつ耐久性、防塵・防滴性能を満たすために、担当者には数多くの無理な要求を突き付けました。

力業の部分はありましたが、各担当者は前向きにそれぞれの課題を解決し、結果的に、とても良い製品が完成したと実感しています。

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