色とりどりの大輪の花が夜空に咲かせる花火は日本の‘粋’が詰まった夏の風物詩ですね。夏が終わり、もう花火のシーズンも終わりだとお思いかもしれませんが、10月は15,000発もの打ち上げ花火が上がる「こうのす花火大会」や、11月は「長野えびす講煙火大会」などの花火大会はもちろん、各地のスキー場でも打ち上げ花火を見ることができます。今回は、そんな打ち上げ花火を綺麗に撮る方法をお教えします。
まずカメラの設定の前に三脚を用意してください。花火は長時間カメラを動かさないで撮る必要があるので、カメラを設置したときにグラグラしない三脚を使用しましょう。
次に、レンズは望遠ズームレンズがなければ標準のズームレンズで大丈夫です。会場から遠い場合は花火が小さく写ってしまいますが、重いレンズを着けてカメラが揺れてしまうくらいなら、軽い標準レンズを使用して後からトリミングしましょう。
シャッタースピードは「バルブ」という、シャッターボタンを押している間は写真を撮り続けてくれるモードに設定しましょう。設定の仕方は各カメラによって違いますので、説明書を参考にしてください。
絞りはF11くらいまで絞りましょう。暗かったりブレが怖い場合はF8くらいでもいいですが、絞った(Fの数字を大きくした)ほうが、花火の光の筋がしっかり写ってシャープな印象の写真になります。
ISO感度はなるべく低く、100~200にします。ホワイトバランスは通常はオートで構いませんが、太陽光にすると赤味が増すので黄色やオレンジ色の花火を写すと鮮やかな色合いになります。逆に白や青の花火は蛍光灯や白熱灯にすると白が引き立つ涼やかな色合いになりますので、打ち上がる花火によって変えてみると面白いでしょう。
ピントは真っ暗な夜空をオートフォーカスで狙ってもジーコジーコとまったく合いませんが、花火ですとほぼ同じような位置に上がるので、一度上がった花火でピントを合わせたらそのまま半押しをしておくかマニュアルフォーカスに切り替えてピントをキープして、次に上がる花火からシャッターを切るとピントを合わせやすいです。
シャッターをどのくらい押し続けるかは何発の花火を重ねるかによりますが、あまり押し続けてしまうと花火がいっぱい重なって爆発したような写真になってしまうので気をつけてくださいね。画面上部に大きい花火、その下に小さい花火が数発あると‘花火らしい’写真になります。ですが、せっかく色々な形状の花火が打ち上がるのですから、長く押して派手な写真にしたり、短く押してひとつの花火の形状を描き出したりと、様々な花火写真に挑戦してみてください!
東京都出身。モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味がわき写真を学ぶ。作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、様々なジャンルの写真家の作品と撮影現場に触れる機会を得る。2010年に独立し、現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活躍中。撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。