日の光を浴びてきらきらと流れる水は見ていてとても気持ちがいいものですよね。でもいつもプログラムモードで撮っていて、同じような写真を量産しちゃっていませんか?
今回は、シャッター速度優先モードを使って水滴や波紋を写し止める方法をお教えしましょう!
シャッター速度優先モードとは、任意のシャッター速度を自分で設定することができ、絞りはカメラが自動的に調整してくれる撮影モードのことです。
動きの速い被写体やスポーツの撮影などに使うことが多い撮影モードなので、静物やスナップ撮影をされている方には馴染みがないかも知れませんが、海や川、滝などの流れる水を撮るのに便利なモードなので、ぜひ覚えておいて欲しいと思います。
作例は、和風の庭園を撮影しました。水面の波紋と竹から流れ落ちる水の水滴がわかるようにしたかったので、シャッター速度を1/40秒にしました。とは言ってもかなりアップで見ないとわかりにくいと思いますので、同じ構図でシャッター速度0.8秒の写真と見比べてみてください。
この2枚の写真の水車を見ると、シャッター速度の違いがわかると思います。シャッター速度0.8秒の写真は水車の回転を止められていないので、ただの輪のように写っています。糸のように流れる水は面白いのですが、写真としてはなんだか訳のわからないものになってしまいましたね。
初心者の方でどれくらいシャッター速度を速くしていいかわからない場合は、この水車のように写し止められているかが一目でわかる被写体を構図に入れるといいでしょう。
A~Dは公園の噴水を撮影したものです。Aからシャッター速度が速い順に並べてあります。
Aでは水滴として見えていた水も、Bでは水滴の輪郭がぼやけ、Cでは細切れの線のようになりました。Dではもはや水滴とは言えず、水の線として描かれています。つまり、輪郭のはっきりした水滴を撮りたければシャッター速度を速くする必要があるということです。
ここでA~Dの絞りの数値を見て頂きたいのですが、Aから順に絞りが絞られて(数値が大きくなって)いるのがわかると思います。これはつまり、絞り優先モードで撮影しても、同じ状況下であれば同じような写真が撮れるということなのです。
シャッター速度優先モードが苦手だったりよく分からない方は、‘水滴が写るように撮る=シャッター速度を速くする=絞りを開ける’の簡易公式を応用して、絞り優先モードで撮影してみてもいいでしょう。そうして水滴を写し止めることに慣れてきたら、シャッター速度優先モードも使いこなせるようにチャレンジしてみてください!
東京都出身。モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味がわき写真を学ぶ。作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、様々なジャンルの写真家の作品と撮影現場に触れる機会を得る。2010年に独立し、現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活躍中。撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。