第5回
多彩な多重撮影を楽しめるPENTAX
PENTAXだから撮影できる最近の多重撮影とは
私がフィルム時代からPENTAXにこだわる最大の理由は、多重撮影にあります。初期のデジタルカメラからもその遺伝子は引き継がれていて、多彩なことができる機能を順次搭載して楽しませていただいています。PENTAXの多重撮影機能は独特なものが多く、とても機能的で面白い効果が得られます。ここではその機能をご紹介したいと思います。
- 2,000枚まで多重撮影できる(K-1、K-3 II、K-3、K-70、K-S2)
星の撮影や連写の多重撮影など、いろんな用途に活用できます。 - 多重方式の多彩さ(K-1、K-3II、K-3、K-70、K-S2)
加算、平均、比較明と3タイプあります。 - 背面のモニターにて、多重撮影する度に撮影画像が重なっていく様子をその都度確認しながら撮影することができる(K-1、K-3 II、K-3、K-5 II/5 IIs、K-5、K-70、K-S2)
イメージの状況確認と位置合わせが容易にできます。 - 多重撮影途中でISO感度を変更できる(K-1、K-3II、K-5 II/K-5IIs、K-5、K-70)
- 多重撮影途中でレンズを交換できる(十字キーにISO感度がない機種全般が可能)
- インターバルで撮影中に途中画像と最終画像を残すことが可能(K-1、K-3II、K-3、K-70、K-S2)
写真1
PENTAX K-70使用。3枚の多重撮影作品です。初めに青いイルミネーションをボカして撮影し、真っ黒な背景を青みのある優しいトーンに仕上げ、次にイルミネーションにピントを合わせてまるで雪が降っているかのように撮り、最後にカメラを傾けて先に撮った2枚のイメージに合う大きさでカボチャの馬車とお城をモニターを位置合わせしながら撮った作品です。
写真2
PENTAX K-1使用。ISO感度を1枚ずつ100と1600に変えてシャッタースピードを低速と高速になるようにして、花と噴水の位置が重ならないようにモニターを見ながらずらして、2枚多重撮影した作品です。
操作性の良さが作品撮りへの意欲につながる
K-3、K-S2以降の機種は十字キーに多重撮影機能が搭載されてとても使いやすくなりました。この操作性の良さもPENTAXだから撮影できる作品を生み出す素になっています。操作性が悪いと多重撮影をする気がなくなってしまいますが、操作性が良いと、ちょっと楽しんでみようという気が起こり、はまってしまいます。でもそのお蔭でカメラの楽しみ方の幅が広くなり、見たものを見たまま撮るのではなく、見たものからイメージしてそれをカメラを使ってどう描いて残すかを考え、具現化して「私だけの作品」として残すことができます。この楽しみ方を知れば撮る世界は無限に広がります。自然風景でも記録作品でも多用途に活用ができることが嬉しいです。
今回の記事の詳細は12月10日(土)発売の日本カメラ社の「写真の教室」67号に、撮るまでの思考方法とその結果の作例をイルミネーションを題材に8P掲載しております。“合成”と“多重撮影”の違いについても私の持論を記しています。ぜひこのコーナーと合わせてご一読ください。
プロフィール
まえのかつみ
1968年3月4日大阪生まれ。学生時代からカメラ片手に世界中を旅し、日本から世界各地まで世界遺産および自然風景を'体感'する撮影活動を実施中。2003年より、フランス、アメリカ、中国、ボルネオで作品を数回発表。その後はパリのインテリアメーカーのテオジャスマンと契約。作品をパリでトートバック、スカーフなどグッズ化し販売。日本でも自分のブランド「avan K」(アヴァンケー)を立ち上げ、グッズをyouyouフォトメイド や各地で販売。また友遊撮影倶楽部を設立、埼玉、東京などで教室を11運営中。ネット教室「日本カメラyouyouフォトの未来教室」も業界初の形式にて創設。写真集には「古代蓮」シリーズや「レンゲショウマ」シリーズがあり、「写真が変わる魔法の撮影術」では自分の作品のレベル感を簡単に変えたい人向けの解説を行っています。
過去の記事
ペンタックスだから撮影できる作品
- 第6回 ハードモノクロームをPENTAXだから撮ることができる撮り方で撮り残す!
- 第5回 多彩な多重撮影を楽しめるPENTAX
- 第4回 "旧極"のスーパーコラボ撮影
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