第1回 肉眼を超える!ライブビューで倍率を上げてピントを合わせて撮影する
日に日に進化を遂げているカメラのライブビュー機能。皆さんはどのように使用していますでしょうか?ライブビュー機能は、ローアングルやハイアングルなど、ファインダーを覗きにくい時に使用すると便利な機能ですが、意外と知られていないのが、ピント合わせ時に使用することです。ピント合わせ時に使用すれば、より確実にピントの確認、ピント合わせができます。今回はライブビューを使ったマニュアルフォーカス撮影術について、ご紹介したいと思います(三脚使用が前提のお話です)。
例えばレンゲショウマを被写体とする場合、風の影響を受けやすいため、ファインダーからよりもライブビューからの方がピントの精度を高めて撮ることができるのです。
<レンゲショウマをライブビューで撮影する意義>
- 自分の肉眼よりも高い精度でピントを合わせることができます。特に望遠側では効果的です。
- 花が風で揺らいでいることがわかるので、止まった瞬間を狙ってシャッターを切ることができます。
- PENTAX K-3/K-3 IIのライブビューは、暗くてもノイズが少なく、拡大してもはっきりと被写体を見ることができるので、朝、夕の撮影時にも便利です。
私が開発者に感謝する操作性は以下の通りです。
- ダイヤルで簡単に表示倍率を変えることができます。
- シャッター半押しですぐに元の構図に戻せます。
- OKボタンを押すだけで、すぐに再度チェックしていた同じ倍率で見ることができます。
雨上がり、ちょうど一番上だけが咲き美しい瞬間です。マクロレンズでちょっと離れ気味に背景のボケを入れながら左上の花にライブビューで拡大してピントを合わせて撮影した作品です。
肉眼では暗くて目視してもピントが合わせられませんでした。そこでライブビュー拡大機能を使い撮影した作品です。暗いとほんの少しの風の揺らぎでもブレるので風が止まった瞬間を拡大して見ながら撮りました。
この作品は背景のボケと木のデザインにいかに花を合わせるかという点に全力を尽くしました。どの花にピントを合わせるときれいか、ライブビューで拡大しながら順に合わせては撮影し、後でこの作品を選定したのです。

<具体的な操作(PENTAX K-3/K-3 IIの場合)>
まずは電源を入れたら、背面のファインダー横のライブビュー/RECボタン(1:赤いボタン)を押してください。そしてフォーカスモード切替レバーをMFに設定をしてください。その後十字キー中央のOKボタン(2)を押してください。初期設定では2倍の拡大表示となります。次に、後電子ダイヤル(3)を右へ回してください。2倍から4倍、6倍、8倍、10倍まで拡大していくのが分かりますか?そこでレンズのピントリングを回してピントを合わせてみてください。くっきりと合えばシャッターボタンを軽く半押ししてください。すぐに元の構図の画面に戻ります。そして再度OKボタン(2)を押すと先程の見ていた倍率のままもう一度見ることが可能です。しかも十字キーで左右、上下にピントを合わせたい場所を変えることができるのです。
カメラ操作部 |
ライブビュー時の機能 |
OKボタン |
拡大表示/等倍に戻る |
後電子ダイヤル |
倍率変更 |
十字キー |
拡大位置移動 |
グリーンボタン |
移動位置から中央に戻る |
まえのかつみ

1968年3月4日大阪生まれ。学生時代からカメラ片手に世界中を旅し、日本から世界各地まで世界遺産および自然風景を'体感'する撮影活動を実施中。
2003年より、フランス、アメリカ、中国、ボルネオで作品を数回発表。その後はパリのインテリアメーカーのテオジャスマンと契約。作品をパリでトートバック、スカーフなどグッズ化し販売。日本でも自分のブランド「avan K」(アヴァンケー)を立ち上げ、グッズをyouyouフォトメイド(
http://youyouphoto.shop-pro.jp)や各地で販売。また友遊撮影倶楽部を設立、埼玉、東京などで教室を11運営中。ネット教室「日本カメラyouyouフォトの未来教室」も業界初の形式にて創設。
http://youyouphoto.com/mirai/nipponcamera 写真集には「古代蓮」シリーズや「レンゲショウマ」シリーズがあり、「写真が変わる魔法の撮影術」では自分の作品のレベル感を簡単に変えたい人向けの解説を行っています。