爬虫類、両生類
哺乳類よりはずっと観察が容易なのが爬虫類と両生類です。わざわざ国立公園や保護区の散策路まで足を運ばなくとも、ロッジの庭先で出会いがあります。
グリーンイグアナは、最大級になると全長2m近くにまで育つそうです。日中は樹冠部で日光浴しており、性格も非常に大人しいものです。繁殖期には写真のようにオレンジ色になります。喉下にある肉だれ、背中のギザギザ、まさに恐竜のミニチュア版ですね。
イグアナを小型にしたグリーンバシリスクは、「世界で最も美しいトカゲ」と形容されることもあります。「水面を走るトカゲ」としても有名で、誰もがそのシーンを一目みたいと思うでしょう。私的な経験では、2匹が徒競走でもしているかの如く、水面を走るシーンを目撃しています。
遭遇チャンスは低くなりますが、大蛇ボア、毒蛇ヴァイパーなどとの出会いも冒険心をくすぐります。
原色のカエルも生き物好きにはたまらない存在です。アカメアマガエル(
第1回に写真掲載)は自然関係の本、雑誌、カレンダーの表紙などを飾り、様々なメディアにも取り上げられる「世界一人気のカエル」です。アカヤドクガエル(同じく
第1回に写真掲載)やマダラヤドクガエルの毒々しい色合いも注目に値します。コスタリカに生息するヤドクガエルの毒素はそれほど高くありませんが、触るだけでも危険な種も存在します。
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グリーンイグアナ

グリーンバシリスク

マダラヤドクガエル

ハキリアリ
その他の生き物
上記以外にはチョウとの出会いがあります。
第5回でチョウに関して書きましたので、ここでは多くを述べません。コスタリカは「蝶の宝庫」でもあるとだけ言っておきます。
最後に忘れてはならないのがアリの存在です。ハキリアリのユニークな習性は、自然番組でご覧になっているかもしれません。熱帯雨林の「リサイクル」を担う重要な役目も請け負っています。一方、グンタイアリの行進は熱帯雨林における一大スペクタクルです。集団の規模にもよりますが、地面が「黒い絨毯」に見えるほどの大行進もあります。詳しくは書きませんが、グンタイアリの行進はアリドリなど特定の鳥と密接な関係にあります。グンタイアリとの遭遇は、バードウォッチャーには願ってもない好機なのです。