バタフライウォッチングの楽園
バードウォッチングの聖地であるコスタリカ。しかし、鳥の活動が盛んなのは早朝と夕刻近くが一般的で、日中は林内もシンと静まり返ります。そんな時にお薦めなのがチョウの観察。こんな小国に現在まで少なくとも1,200種以上のチョウ、8,000種以上のガが記録されているそうです。どれくらい凄いかというと、あの広大なアフリカ大陸に生息するチョウの種類よりも多いのです。コスタリカを野鳥の宝庫だけで終わらせてしまうのは、勿体無いですよね。
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Heliconius charitonia

Heliconius doris

Urania fulgens

Siproeta stelenes biplagiata
Morpho peleides
ペレディスモルフォチョウ

Callicore pitheas

Synale cynaxa

Greta oto
中南米の代表的なチョウといえば、やはりモルフォチョウでしょうか。メタリックブルーに輝く羽は溜め息が出るほどの美しさです。コスタリカを舞台にした映画に、余命僅かな少年の最後の願いがモルフォチョウと出会うこと…という作品がありましたが、そのくらいのカリスマ性を有しているチョウだと思います。
ほかにも、フクロウの目玉のような模様をもつフクロウチョウ、「88」の模様が羽にあるウラモジタテハ、羽が透けたトンボマダラ、体内に毒素を含むドクチョウなど、魅力的なチョウがたくさん生息しています。習性や自己防衛方法も非常にユニークで、観察も楽しいものです。
ただ、学名しかない種が多く、専門家でないと種の識別がほぼ不可能なのが難点ですね。まあ、気軽に観察が楽しめれば、それはそれで良いのですが。ちなみに、私の双眼鏡DCF SPは最短ピント距離が短いので、バタフライウォッチングでも大活躍です。
野鳥同様、チョウも大好きな私ですが、一番のお気に入りはUrania fulgensです。実はチョウではなく、昼光性のガなのですが。4~8年の周期で起こる大移動は、Danaus plexippus(オオカバマダラ)のそれに匹敵する一大スペクタクル。何十万単位の個体が中南米を渡るそうです。ちょうど私がコスタリカに移住した最初の年がその年だったようで、どこへ行ってもUrania fulgensだらけ。道路には無数の死骸が横たわっていて、移住早々驚きの体験でした。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
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