4. 太平洋側の熱帯雨林
Hura crepitans
雨季と乾季が存在する熱帯雨林
今回は同じ熱帯雨林でも太平洋側の話しをしたいと思います。カリブ海側と異なる点は明確な雨季と乾季の存在です。12月後半から4月前半の間はほとんど雨が降りません。
その傾向は北部に行くほど顕著になり、落葉する木々があるくらい乾きます。カリブ海側の熱帯雨林に比べて、着生植物の数は少なめですが、セイバ、フィグ、ワイルドカシューなどの巨木がそびえ立ち、立派なジャングルを形成しています。リスザル、コモンバシリスク、クロイグアナ(トゲオトカゲ)などは太平洋側でしか観察できません。
太平洋側の南部は北部より多湿で、南米に生息している生物の最北端にあたるという興味深いエリアでもあります。特に野鳥に関しては、隣国パナマを越え南米種がどんどんコスタリカに入り込んで来ています。ですから、野鳥の記録リストもいずれは900種を超えるのではないでしょうか。
乾季は観光シーズンにもあたり、欧米の探鳥会社によるツアーは、ほとんどこの時期に行われます。私が最も忙しくなるのもこの時期です。鳥たちも繁殖期で大忙し。盛んにさえずっています。場所によっては落葉もしていますから、鳥を見つけやすくなります。
ジャングルをケーブルで滑走するキャノピー・ツアー
一方、一般の観光で人気があるのは、樹冠部をゴンドラに乗って見渡せる「エアリアル・トラム」、ジャングル内をケーブルで滑走する「キャノピー・ツアー」などです。いずれも気軽に熱帯雨林を体験できるアトラクションですね。
さて、この太平洋側の熱帯雨林は、ある鳥にとって非常に大切なエリアとなっています。初めてコスタリカを訪ねた時にその鳥と出会ったことが、現在の活動に繋がっているとも言えるほどです。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
[
1] [
2] [
3]
[4-1] [
4-2] [
5] [
6] [
7] [
8] [
9] [
10] [
11] [
12]