• ブランド
  • 製品
  • ストア
  • フォトアカデミー
  • コミュニティ
  • サポート
探鳥ツアーでのエピソード2 (メガネフクロウ編)
フクロウ類も皆さんが見たい鳥ですが、ご存知のように夜行性です。私は夜にフクロウ類をまず探しません。夜は毒蛇が活発に行動しますし、皆さんもお疲れです。そこで日中にお昼寝してるフクロウを事前に探しておき、お見せるようにしています。勿論、生き物ですから絶対はありません。ねぐらに戻っていない時もあります。
コスタリカには、メガネフクロウという容姿がユニークな大型フクロウがいます。お客様が見たいフクロウの筆頭です。ほぼ確実にお見せできる場所があったのですが、ねぐらの竹やぶが伐採されてしまい、以降しばらくご無沙汰でした。しかし、他の探鳥地でメガネフクロウの家族を見つけ、ねぐらも確認し、これなら高確率で観察できると思いました。
問題は散策路から大きく外れ、林内をかなりの距離歩くことです。散策路と違い道に迷いかねません。ガイドのくせに方向音痴の私は、自分なりの目印を決め、一度散策路に戻りました。そして、目印を頼りにねぐらまで再度到達できたのです。これは大収穫だと思いました。なぜなら重要な団体ツアーが直前に迫っていたからです。メガネフクロウの親子はツアーの隠しだまになるとワクワクしました。
※小さい画像をクリックすると拡大表示します
メガネフクロウの親メガネフクロウの親
メガネフクロウの子メガネフクロウの子
ツアーの当日、フクロウを探す時が来ました。ねぐらまで林内を歩き、留守だったら困ります。そこでお客様には散策路で待ってもらい、ツアー講師の方と二人だけで探しに行きました。多少迷いながらも目的地に到着し、三羽を確認。私だけでお客様を呼びに行くことにしました。長時間待たせては行けないと足早に道なき道を歩きました。焦りがあったのでしょう。ふと足を止めると、周りの景色がどこも同じに見えました。完全に迷ってしまったのです。
これには困りました。脳裏に一瞬「遭難」の文字が浮かびました(苦笑)。しかし、トランシーバーを持っていたので、まずは講師の方と連絡を取り合い、一旦ねぐらへ戻りました。それから二人でお客様を呼びに行きました。
講師の方の方向感覚が良かったせいもあり、無事に到着。ねぐらでメガネフクロウの親子も観察できました。普段、何気なく歩いている熱帯雨林ですが、ヒヤッとさせられた思い出です。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10-1] [10-2] [10-3] [10-4] [11] [12]
露木貴浩氏について
オオツリスドリの古巣を持つ露木氏
滋賀県生まれ東京育ち。学生時代に渡米し、ロサンゼルスで手にしたピーターソン・フィールドガイド(北米の野鳥図鑑)がきっかけとなってバードウォッチングを始める。
活動の場は北米から中南米へと広がって行き、中南米の自然の美しさに魅せられると同時に、森林保護の必要性を感じ始める。以後、サラリーマンから野鳥ガイドに転身。中南米の玄関口であるヒューストンでの活動の後、2003年からはコスタリカに在住し、欧米バードウォッチャー御用達ロッジのガイドや、旅行会社の現地講師も兼任するなど、幅広い活動を続けている。
目標は、世界中のバーダーに新大陸の野鳥を紹介すると同時に、消えゆく熱帯雨林、熱帯雲霧林、密猟問題の現状などを伝えていくことだ。
露木さんのホームページ
「アメリカ大陸の野鳥」