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K-3 Mark III Impressions

瀬尾 拓慶

私の撮影スタイルは、光による空間構成と現場にいる自分自身の心の変化をテーマとし、シャッターを切ったその瞬間に作品として完成させる事を心がけています。
特に森を中心とした自然風景に存在する様々なシチュエーションの光を被写体としています。

smc PENTAX-DA50-135mmF2.8ED[IF] SDM F2.8、1/1250秒、0.0EV、ISO400、3580K(Amber 14)、フラット

それは好みであって、勿論私生活の中の小さな世界や都会を撮るという事もしてはいます。
そこには綺麗だと言えるものもあれば、一般的に被写体としてふさわしいとは言えないものも存在します。
しかし、それらを空間の構成、光を表現する為の要素として捉えることにより、それぞれが重要な存在となります。

HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR F4.0、1/800秒、0.7EV、ISO500、5290K(Amber 14/Magenta 5)、ほのか

それらを撮影し、その場で作品として完成させる為には、如何にしてカスタムイメージ等の設定項目を最速で調整し、自分がフォーカスを置きたい場所にピントを合わせるかが重要になります。
PENTAX K-3 Mark IIIのカスタムイメージ等のパラメーターはこれまでの表示とは変わりました。
今までの使用に慣れている場合、慣れるまでに少し時間を要します。
しかし、慣れる事により今までよりも早く的確に調整することができるようになりました。
これは個人的な感覚ではありますが、使いやすさのためか、それぞれのパラメーターの反応速度も上がったように感じます。

また、測距点レバーが新設されたことにより測距点移動と、カスタムイメージ・ホワイトバランスなどの切り替えが独立しているため、これまであった切り替えのタイムラグが無くなり、より直感的な撮影が可能となっています。
その為、心の中に目の前の光景と、その瞬間の自分の心の機微と対話する余裕が生まれ、今まで以上に被写体となる光を観察し、作品を練り上げることができるようになりました。
心の機微と対話するということは、自分の中に生まれた「印象」をしっかりと把握することが可能であり、シャッターを切った後の姿をはっきりイメージすることができるのです。

smc PENTAX-DA50-135mmF2.8ED[IF] SDM F3.2、1/320秒、0.0EV、ISO1250、5210K(Amber 10/Magenta 4)、ほのか

そして、クリアなファインダーは覗いた瞬間に印象がマイナスとなる要素がなく、頭の中に浮かんでいる構図やイメージが正しい事をしっかり肯定してくれます。
覗く前には気がついていなかった光の存在を教えてくれることもあります。
そして、軽やか且つしっかりとした心地の良いシャッターの音を響かせた後、手の中で完成した作品を背面液晶で見た時の感動、喜びに出会うことができるのです。
全てが繋がっている、そう感じることができるカメラです。

私は光学ファインダーが好きです。
目の前の光景の、そのままの光を素直に見せてくれるからです。
特に森の中には数多の光が存在し、それこそとても繊細な光度の変化を見つけることが出来ます。
それが損なわれてしまうということもなく、しっかりと目に届けてくれます。
私にとって光学ファインダーを覗くという行為は、電源のオンオフに関わらず、いついかなる時も世界を特別なものとして切り取ってくれる素晴らしいものなのです。

PENTAXブランドビジョンは、私が今まで最も大切にしてきた事を肯定してくれました。
あの発表を聞いた時の喜びを今でも覚えています。

smc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limited F1.8、1/200秒、-1.3EV、ISO500、5250K(Amber 14/Magenta 1)、フラット

私はPENTAXしか使っていない写真家です。
撮影時に考え抜き、光学ファインダーを覗き、その場でカスタムイメージを調整して作品を完成させる事に喜びを感じ、またプライドを持っています。
その瞬間の心を後から思い返すという事を私は出来ません。

自分の中に生まれる感情も何もかも全てをその場で閉じ込めて普遍のものとして完結させてしまいたいのです。
その為、今の時代に於ける変化を恐れます。

もちろんその変化を否定するものでもありませんが、これから先PENTAXというカメラが今の時代の中でどのような変化を遂げていくのかが分からないという不安を持っていました。
だからこそ、このブランドビジョンにより、この先も光学ファインダーを覗き、更に自分のスタイルを変えずに成長していくことができるという道を保証してくれたことが嬉しかったのです。

smc PENTAX-DA50-135mmF2.8ED[IF] SDM F2.8、1/60秒、-1.7EV、ISO400、5140K(Amber 6/Magenta 6)、ほのか

私は自分の写真を愛しています、そしてこの先に生まれる作品を楽しみにしています。
それを諦める事なく喜び続けることができるというのは幸せなことでしょう。
完成した画を思い描いてシャッターを切るという大切な時を、これから先も与えてくれるという未来を示してくれたPENTAXに心から感謝しています。

Takumichi Seo
瀬尾 拓慶

Takumichi Seo

瀬尾 拓慶

1990年4月24日 神奈川県川崎市生まれ 多摩美術大学環境デザイン学科卒 株式会社エス・イー・オー所属。幼少期より、音楽、自然、様々なデザイン現場に囲まれ、物事に対する特異な感性と視点を持ち育つ。自ら撮影した写真を用い、ポスターやCDジャケット、様々な広告媒体のデザイン、バックグラウンドミュージックの作曲等も手掛ける。 写真に合わせた作曲活動、個展ではピアノの即興演奏なども行う。

Takumichi Seo / 瀬尾 拓慶 公式ホームページ
Takumichi Seo × PENTAX「光の記憶」

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