コスタリカのハチドリたち
南米には百何十種類もハチドリが記録されている国がありますが、コスタリカは小国です。その面積を考えると、50種以上というその数は驚嘆に値します。ちなみに、アメリカ合衆国では20種ほどで、その大半はメキシコ国境地帯からの「珍客」です。
コスタリカのには固有種である野鳥が6種しか存在しません。うち3種は本土から離れたココス島に生息しており、本土にいる固有種は3種。このうち2種がハチドリです。
ドウボウシハチドリは頭部が銅色をしている小型種です。フィーダーに集まる中、大型種に追い掛けられ、なかなか餌にありつけない場合もあります。マングローブエメラルドハチドリは、マングローブ林やその周辺の森林に生息しており、マングローブ林を巡るボート・ツアーで遭遇する機会があります。コスタリカにしかいないハチドリですから、この2種を求めて特定の探鳥地を訪問される熱心なバードウォッチャーもいます。
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ドウボウシハチドリ

ムラサキケンバネハチドリ

ワタボウシハチドリ

シロエリハチドリ

クロツノユウジョハチドリ

ミドリトゲオハチドリ

ハイバラエメラルドハチドリ

アオムネマンゴーハチドリ

エンビモリハチドリ

コスタリカノドジロフトオハチドリ
ハチドリの基本色は緑色ですが、紫色が鮮やかなムラサキケンバネハチドリ、赤ワイン色をしたワタボウシハチドリなども存在します。前者は15cmもある大型種で、後者は7cmにも満たない小型種です。この2種が同じフィーダーにいるシーンは必見です。まさに大人と子供ですね。青と白のコントラストが見事なシロエリハチドリも見逃せません。
また、体の一部に「飾り」を持つ種も忘れてはいけない存在です。希少種で、頭部に毛のような鶏冠を持つクロツノユウジョハチドリ、尾が針金のような形状をしたミドリトゲオハチドリ、どちらもユニークな外見です。
このようにハチドリは種によってサイズ、体色、外見が異なり、非常に個性の強い野鳥です。私のデジスコ・システムでは、ハチドリの美しい飛翔姿を撮影できないのが残念です。ハチドリの輝きは体の色素によるものではなく、光の反射角度がもたらす「魔法」です。その一瞬の輝きは、図鑑のイラストや写真では表現できない美しさです。「空飛ぶ宝石」の輝きは、ダイヤモンドのそれ以上だと私は思います。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
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