中央盆地帯の探鳥事情
どこの国でも同じですが、首都や近郊の都市には大規模な森林がありません。コスタリカの場合、質の高い森で探鳥するには、サンホセから車で30分は移動する必要があります。しかし、セントラル・バレーにも野鳥は多く生息しています。バードウォッチングは、どこでも気軽にできる点で優れており、小さな公園や裏庭でも様々な出会いがあります。
都心部でもハチドリ、インコ、カッコウ、キツツキ、カケス、フウキンチョウ、ハチクイモドキなど次々と野鳥が出てきます。探鳥ツアー初日の手鳴らしとしても最適なエリアですね。熱帯雨林ではないので、オオハシ、コンゴウインコなどはいませんが、初めてコスタリカで探鳥される方々には満足できる質と量だと思います。都心部でもそうなのですから、一級の探鳥地に行くと、怒涛のように押し寄せてくる野鳥に圧倒されてしまうことでしょう(笑)。
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ボルチモアムクドリモドキ

ナツフウキンチョウ

ソライロフウキンチョウ

キバラオオタイランチョウ

ハチクイモドキ

オオツリスドリ

コスタリカキビタイシマセゲラ

ミドリインコ
セントラル・バレーは北米からの渡り鳥の憩いの場でもあります。特に、戻って来たばかりの時は、都心部の公園などで英気を養っている個体を見かけます。植林が豊富なエリアですから、餌には事欠きません。在米時代には、春の渡り、アメリカムシクイの観察が「華」で、何度も何度も渡り鳥の休憩地点へ足を運びました。コスタリカは、これらの鳥達の越冬地となっています。ボルチモアムクドリモドキ、ナツフウキンチョウなどは、在米時代からの「長い付き合い」です。また、このエリアでしか観察できない野鳥も存在し、それらの鳥たちだけをターゲットにされる、ハード・コアなバーダーもいるほどです。
最近、サンホセ郊外にある一戸建てに引越し、小さいながらお庭もできました。ハチドリに来てもらえるように、ハチドリが好きな花々をたくさん植えました。翌日からハチドリが蜜を吸いに来るようになり、子供のようにはしゃいでしまいました。バルコニーからヤマセミが観察できたり、珍しいフクロウにも遭遇しました。都心部だと「大した鳥」はいないと軽視していましたが(野鳥ガイドの偏見?)、セントラル・バレーの良さを再認識させられる思いでした。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
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