デジスコ一口メモ拡大版
さて今回の「デジスコ一口メモ」では、撮影方法について少し具体的に触れてみたいと思います。
1. 撮影動作に身体を慣れさせておく
デジスコの構え方は、右利きの方の場合で、右手にビデオ雲台のバーン棒、左手はスコープのピントノブへ手をかけておきます。右足を引いて、左足を前に構えます。右目は照準器の窓を覗き、左目で全体を眺め、被写体の導入を行います。
照準器に被写体が導入できたら、すぐにカメラの液晶モニターを見ながら、スコープのピントノブを回転させてピント合わせをします。屋外の光が当たる中で、液晶モニターを見ながらのピント合わせは大変難しいと感じることでしょう。私のように近視と老眼が混じったような目の持ち主にはより困難になります。
液晶にフードを付けたり、そのフードに2倍程度のレンズをつけて液晶を見易くしている方も多いようですが、私の場合は強度の近視と老眼のため、液晶にはフードを付けず、照準器は遠近両用の眼鏡越しに被写体をとらえ、液晶モニターはメガネレンズを通さず、眼鏡越しに裸眼で直接液晶モニターを見て、ピント合わせを行っています。
ピントが合ったところでスコープから手を離し、レリーズでカメラのシャッターを半押し、AEロックしてピントが来ていることを確認。ピントが来ていれば、レリーズでシャッターを押し込みます。動きのある野鳥が相手ですから、この一連の動作をいかに早くできるかがデジスコ野鳥撮影上達の道です。
フィールドに出て実践される前に、この動作をいかに早くできるかという練習をオススメします。先ずは、距離の違う小さな目標物を相手に、この動作を繰り返して見ましょう。素早くできるようになったところでフィールドへ出向き、カワセミなどの動きの少ない野鳥を相手に撮影することをオススメします。
2. カメラを好みの設定にしておく
鳥撮の場合、事前にデジタルカメラを好みの設定に調整しておくことをオススメします。露出優先やシャッタースピード優先といった機能がある場合はそれらのどちらを選択するのか、また、USERモードがある場合はその内容を事前に設定しておきます。特に、感度、測光モード、ホワイトバランス、記録サイズ、画質を事前に設定しておきます。
私の場合、感度はそのカメラの最低感度(ノイズが発生しにくい)に設定します。測光方式は中央部重点またはスポット測光を多用しています。ホワイトバランスはその時々で違いますが、オートホワイトバランスまたは太陽光に設定します。黄色味がお好きな方はホワイトバランスを曇天にしているようですね。こうやってある程度設定を固定しておき、撮影した画像を確認しながら、露出補正機能で微調整しています。プログラムオートでの撮影では、カメラ側である程度調整しますので、その特徴をつかみながら補正していくことになります。
この時の露出は、若干アンダー目にして撮影することをオススメします。白トビを起こしてしまった写真では、後刻、調整のしようがありません。アンダー目の写真であれば、その後のレタッチによって、ある程度明るさを調整することが可能です。
3. レタッチについて
Joypapaさんについて
野鳥に魅せられて以来、その姿を収めるために人一倍の情熱を燃やすJoypapaさん。独自の視点で撮影活動にいそしんでいらっしゃいます。
デジタル写真の良さは、撮影後、自分の好みに合わせて画像をパソコンで調整することがあげられます。それを考慮しておけば、彩度、明度、シャープネス、コントラス等々は、カメラ側の初期値のままでも十分に良い画像が得られると考えています。
撮影したままのオリジナル写真が撮影技術のように言われることもありますが、フィルムの現像やプリント時には、多くのDPEラボで機械的にレタッチを加える調整が行われています。また、自分で現像される方は、その焼付け時間や現像時間を調整して、自分好みに仕上げます。フィルム写真が現像、プリントすることで完成するように、デジタル画像をレタッチすることは、自分好みのデジタル写真にするためには必須になると思います。
ただ、あまりレタッチをしすぎると、画質の低下を招き、良い画像を得ることは不可能です。やはり、撮影時の画像そのものがしっかりしてなくっては、その後の技でも手の施しようがありませんね。