鳥撮をもっと楽しむために
一方、留鳥や夏鳥たちは、5月から7月中旬にかけてペアリングし、抱卵、子育てをする時期となります。運が良ければ、巣立ったばかりの雛鳥を見かけることもできます。
だた、子育て期間中は、野鳥たちにとっても非常に敏感な時期となります。この時期の撮影には細心の注意と、撮影する側のモラルが求められます。鳥撮を続けていると、運良く、珍しい野鳥の子育てを撮影できる機会に恵まれることもあります。そんな美しい自然の姿も、数日後には、心ないカメラマンの無謀な撮影行為によって巣を放棄してしまったという悲しい話をよく聞きます。こういった話題を耳にするたびに、保護が必要な野鳥たちの撮影を継続的に楽しませてもらうためにも、カメラマン自らが自然を破壊することにつながるような行為は、慎まなければいけないと痛感させられてしまいます。
デジスコは、距離を隔てても撮影できるのが最大の特徴ですが、それでもやはり、営巣中や子育てしている時は、巣に近づかない。撮影も短時間で済ませてすぐに立ち去るという、野鳥撮影を楽しむカメラマンとしての心構えやモラルを待っていないと、ただでさえ数の少ない野鳥たちがさらに減り、ともすれば、自然界から姿を消してしまうことになってしまいます。勿論、自然界には、いろいろな脅威があり、カラス、ヘビ、リスなどに孵化した幼鳥が食べられてしまうこともありますが、美しい自然、ありのままの自然を保つために、そしていつまでも野鳥の撮影を楽しませてもらうためにも、ひとり一人のカメラマンが肝に銘じなければいけないことでしょう。