カタログ(4.2MB)デジタル一眼レフカメラ/K10D
表現へのこだわりが息づく、
ペンタックス伝統のハイパー操作系
自由な露出コントロールは写真表現の醍醐味です。一方でプログラムAEは、カメラまかせの手軽さやシャッターチャンスへの即応力をもたらしました。K10Dは、両者のメリットを併せ持つハイパー操作系を搭載。写真本来の楽しみを見つめる、ペンタックスのこだわりです。
通常はプログラムAE。しかし前ダイヤルを回せばシャッター優先AE、後ダイヤルを回せば絞り優先AEへと、瞬時に切り換わります。グリーンボタンでいつでもプログラムAEに復帰。撮影モードダイヤルを操作する煩わしさを解消し、ひとつのモードでスポーツや風景、ポートレートなど、幅広いシーンに対応できます。プロやハイアマチュアに高い評価を得ているペンタックス独自のAEシステムです。
マニュアルモードで撮影時、グリーンボタンをワンプッシュするだけで適正露出に設定できます。
さらに前ダイヤルでシャッター速度を、後ダイヤルで絞りを操作して露出を調整。カメラのプログラムラインを参考に、自分だけの適正露出が得られるのがメリットです。さらに、任意の露出を設定した後にAEロックボタンを押せばプログラムシフトができる、合理的な仕様となっています。
TvとAvにISOの概念をプラスした、
新コンセプトの撮影モード
シャッター速度、絞りに加え、ISO感度も露出の大切な要素です。それが自在に変更できるデジタル一眼レフのメリットを活かして、K10Dは2つの新しい露出モードを搭載しています。
後ダイヤルの操作でISO感度を設定、その感度で適正露出になるよう、シャッター速度と絞りはカメラが自動制御します。設定感度はファインダー内に表示されるため、被写体から目を離す必要はありません。たとえば、ロウソクの明かりのみで人物をぶらさずに撮影したい場合は、高感度に。三脚を使って夜景をじっくり撮影するなら、低感度に。明るさが同じシーンでも、撮影意図に応じた露出が手軽に得られます。
シャッター速度と絞りを任意で設定。その設定値で適正露出になるよう、カメラがISO感度をコントロールする、シンプルな発想の露出モードです。これまで難しかったマニュアル撮影が簡単に。明るさが目まぐるしく変化する状況の中、被写界深度と動感をどちらも思い通りに表現したいシーンなどでも威力を発揮します。
◎各モードの操作法は、カスタム機能で任意に変更できます。
撮影者のスタイルをカメラが憶える、
USERポジション
よく使う撮影モードやISO感度、記録画質、露出補正など、各種の設定をあらかじめ登録しておくことができます。ダイヤルを合わせるだけで、いちばん慣れた撮影設定を瞬時にセット。撮影のたびに操作を繰り返す手間が省けます。
9点のクロスセンサーを含んだ、
高精度11点ワイドAF
11点の測距点で被写体を捉える、ワイドAFシステムを搭載しました。しかも、中央の9点はタテヨコいずれのコントラストも検出できるクロスセンサー。被写体のパターンに影響されない、信頼性の高いAFシステムとなっています。ペンタックスが熟成を重ねてきたSAFOX VIIIを測距センサーに採用し、高い合焦精度を獲得。さらに、応答性に優れたAF駆動メカニズムを搭載。ピント合わせはきわめてスピーディです。
11点の測距点をフルに活用し、被写体をカメラが自動で検出します。測距点を広視野に配置することにより、被写体が画面中央になくても的確に捕捉、すばやく合焦。構図の自由度とシャッターチャンスへの強さを両立させました。
ポートレートやマクロ撮影など、あらかじめ構図を決定してじっくり作画に集中したい場合は、どの測距点を使うか任意で選択しておくことができます。カメラ背面のダイヤル操作で任意選択、測距点がスムーズに切り換えられ、さまざまなシーンに柔軟に対応できます。
光と影を表現するための、
3つの測光モード
露出モードは、16分割測光をはじめとする3種類。光の状況や撮影者のスタイルに合わせて選択できます。カメラ左上の測光モードレバーを操作することですばやく切り換えられます。
光と影が入り組んでいる。逆光になっている。そんな露出の判断が難しいシーンにも的確に対応。被写体の明るさを重視しつつ、背景とのバランスもとれた適正露出が得られます。16の測光エリアは測距点との関連づけも可能。
画面の中央部分にウェイトをおきながら、画面全体を測光。伝統的な測光方式のひとつで、経験やカンを活かしつつ自ら露出を判断したい撮影者に適した測光モードといえます。
画面中央の約2.5%の範囲だけを測光。画面全体の輝度に影響されず、被写体だけを適正露出にしたい場合に有効です。ステージや結婚式など、暗いシーンでスポットライトを浴びた人物を撮影するときにも力を発揮します。
自動露出に撮影者の意図をプラスする、
露出補正とAEロック
さまざまな光の条件や表現の意図に対応するため、露出補正とAEロックを搭載。ファインダーを覗いたまま操作できるよう、カメラ右側、自然に指が届く位置にボタンを配置しています。
カメラ背面の補正ボタンと前ダイヤルの操作ですばやく設定できます。補正可能な範囲は、±3EV(1/2EVステップ)または±2EV(1/3EVステップ)。なおステップ値は任意で選択できます。
カメラ背面のAE-Lボタンを押すと、その時点での露出をカメラが記憶。構図を変更して画面の中の輝度分布が変化しても、その影響を受けません。中央1点の測距点を選択し、ひんぱんにフォーカスロックと構図変更を繰り返すような撮影スタイルでは特に有効性の高い機能です。
光と影のデリケートな表情にこだわれる
オートブラケット
オートブラケットは、露出を自動的にずらして撮影する機能。適正、オーバー、アンダーの3つの画像から、ベストショットを選べます。露出補正の判断が難しいシーンで便利です。設定範囲は±2EV(1/2、1/3EVステップとも)。
記録メディアの限界まで連写できる、
3コマ/秒の連続撮影
有効1020万画素の高画質でありながら、3コマ/秒の軽快な連続撮影が可能。大容量バッファメモリーと高速書き込み技術の採用により、記録メディアの容量いっぱいまで連続撮影を続けることができます(記録画質がJPEG時)。
印象的な写真表現を可能にする
多重露出撮影
ひとつのコマに対して複数回シャッターを切る多重露出撮影が可能です。異なる被写体を1枚の写真に写しこみ、あたかも合成写真のように印象的な作品を得ることができます。また、レンズを交換してそれぞれの被写体を異なる焦点距離で撮影するといった活用も可能です。
表現の可能性を広げる
ストロボシステム
調光制御にP-TTL自動調光システムを採用しました。露光の直前にプリ発光を行い、その結果を16分割測光。瞬時に調光補正を行うことで、高精度な調光露出が得られます。また被写体までの距離情報も考慮することにより、背景の反射率などの影響を抑制。被写体が白く飛んでしまったり、逆に暗く沈んでしまったりと、ストロボ撮影にありがちだった失敗をカメラが解決。シャッターを切るだけで、誰でも簡単に美しい作品を手にできます。
内蔵ストロボでは撮影者の意思を尊重し、手動でポップアップさせる仕様です。ガイドナンバーは11(ISO100・m)、同調速度1/180秒。広角28mmレンズの画角(35ミリ判換算)をカバーします。-2~+1EVで発光量調整可能。
ペンタックスの専用ストロボシリーズとの連動により、同調速度を超えたシャッター速度に対応するハイスピードシンクロや、カメラから離れた場所に設置したストロボをコントロールできるワイヤレス制御が可能。内蔵ストロボとの連動による高度な多灯ストロボ撮影もフルオートです。
より厳密な設定が手軽にできる
進化したホワイトバランス
フィルムカメラにおけるこだわりのひとつに、デイライトやタングステンの使い分け、色温度変換フィルターの使いこなしがあります。これと同じ役割を果たすのが、デジタル一眼レフにおけるホワイトバランス機能。忠実な色再現や雰囲気づくりが自在です。K10Dは、カメラが自動で判断するオートのほか、充実の8種類をプリセット。多彩な光源に、柔軟に対応できます。
それぞれのプリセット値は微調整が可能です。
調整結果はカメラ背面の液晶モニターでプレビューし、効果を確かめることができます。いつも特定の光源下で撮影したり、デリケートな色合いにこだわる場面で有効です。
白く再現したいものを撮影し、その画像からホワイトバランスを測定・設定する機能です。K10Dでは、対象を撮影後、画面の中のどの部分を白くしたいか指定可能。測定時の画像に余計なものが写りこんでしまっても、その影響を受けることなく、適切なホワイトバランス値が得られます。
現像パラメーターを段階的にシフトする
新しい機能、拡張ブラケット
ホワイトバランスやシャープネス、彩度、コントラスト。任意の条件を段階的にずらしながら撮影できるのが、拡張ブラケットです。1カットごとに各パラメーターをわざわざ再調整する手間が省けます。シャッターチャンスを重視し、1回の露光で3つの画像を生成します。
思い通りの雰囲気・効果がつくれる
デジタルフィルタ
撮影後、カメラ本体で画像にさまざまな効果をプラスできる機能です。パソコンで加工処理する手間がなく、ダイレクトプリントするだけで手軽に雰囲気のある作品が手にできます。
ソフトフィルターを使ったかのように印象的な仕上がり。画像の芯を残しながら、被写体をやわらかな光で演出します。効果は3段階。
味のあるモノクロプリントのような効果が得られます。通常の白黒フィルタ1種と、白黒フィルム用カラーフィルターのように使えるRGBの3種のフィルタを用意。
ノスタルジックな仕上がりが魅力です。3種のフィルタから、好みの色合いが選べます。
カラーフィルターを使ったように、色調を思い通りに変えられます。中間色を含む18種類(基本6色×各3段階)の調整が可能です。
撮影したあとから、画像の露光量を調整したい場合に有効。効果は±8段階。
縦横の比率を伸縮させ、被写体を細くしたり太らせたり(縦位置撮影時には細らせる効果)することができます。効果は±8段階。
撮影者の好みとシーンで選べる
2つの画像仕上
K10Dでは2種の画像仕上を用意。あたかもフィルムを使い分けるように、シーンや好みに合わせて設定を変えられます。「ナチュラル」は実際のシーンに忠実な発色で、落ち着いた印象に仕上がります。一方の「鮮やか」は彩度が高く、より記憶色に近い再現性が得られます。その華やかな色調やメリハリのあるコントラストは、ダイレクトプリントに好適です。