第3回
Bald Eagle - 白頭鷲
機動力や長時間狙い続けることを考えると小型軽量なPENTAXが
断然使いやすい
白頭鷲といえば、アメリカ合衆国の国鳥として多くの方がご存知でしょう。アメリカ本土では生息数が減ってしまいましたが、私が住むカナダのユーコンやお隣のアラスカではまだ多く目にすることができます。生活圏内でいくつか巣を確認しているので、毎年春から夏にかけては営巣しているところを撮りに行きます。静かにしていた雛たちがピーピー鳴き始めると親鳥が餌を持ち帰ってきた合図。親鳥が餌を小さく千切ると雛が奪い合いを始めます。春先に孵化する雛たちですが、8月中旬には親鳥と同じくらいの大きさに成長し、そして巣立っていきます。幼鳥の羽色は茶褐色と白のまだらで、4~5年かけて成鳥の白黒へ変化していきます。
私の住むホワイトホースの南南西に位置するアラスカ州のヘインズという町では、冬に向けて最後までサーモンが遡上してくる川があるため、11月中旬頃には周辺の白頭鷲がこの河川敷に数千羽も集まってきます。そのためほぼ毎年この時期に足を運んでいます。一羽がサーモンを捕まえると他の白頭鷲が奪いにきたり、おこぼれを目当てにワタリガラスやカササギなども集まってきたりします。いつまで見ていても飽きないのですが、既に雪景色で氷点下になることもあるので人間は寒さとの戦いになります。鳥撮りにはもっと長い焦点距離が定番ですが、白頭鷲は翼開長2メートルにもなる大型の鳥であり、小型軽量による機動力を活かすことで撮れる写真もあるため、私は機材に特段の防寒対策をすることもなく短めのレンズを手持ちで振り回しています。
プロフィール
花谷 タケシ
京都市出身。独学で写真を学び、1998年カナダに渡航。西海岸から東海岸まで車で横断した後、カナディアンロッキーで過ごす。ここで次第に熊に魅せられさらなる北の大地アラスカや極北カナダに撮影フィールドを移していく。2007年にカナダへ移住し、2010年よりユーコン準州ホワイトホース市を終の棲家とし定住。《人間》対《自然》ではなく、人間も自然の一部として他の生きものたちといかに《共生》していくかを模索しながら、極北の厳しい自然環境の中で生きる野生動物の姿を追い続けている。
オフィシャル・ウェブサイト:熊魂 yukon-bearspirit:
www.yukon-bearspirit.com
フェイスブックページ:
www.facebook.com/yukon.bearspirit
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