第2回
Mountaineers - 岩山に生きるものたち
「堅牢性&耐候性」と「小型軽量」はとても重要な「性能」
野生の生き物たちは、それぞれ様々な自然環境に適応して生活しています。ユーコンやアラスカでは、森林限界を超えた山の岩肌にいくつもの白い点を見ることがありますが、これらは、熊や狼などの天敵を避け、岩山に適応したマウンテンゴートやドールシープたちです。
前者はゴート(Goat=ヤギ)と呼ばれるものの、実はニホンカモシカの近縁種。後者は野生のヒツジで、ロッキー山脈など南部では茶色い毛色のビッグホーンシープという近縁種がいますが、ここ極北に住むドールシープは通年まっ白です。彼らを撮影するためにはこちらも岩山を登らねばなりません。足場の悪いところも多く、そんな環境下ではPENTAXの小型軽量な機材の恩恵を受けます。人間が苦労する岩場でも、彼らは子どもでさえ事も無げに軽々と岩場を駆け回ります。
風に吹き晒される岩場では、機材も実際の気温よりも厳しい条件に晒されます。-20℃に加えて風という悪条件下では、さすがに予備バッテリーを常に内ポケットで温めつつ度々入れ替えながらの撮影になりますが、機材自体はいつも何の問題も無く動いてくれます。荷物や体力に余裕がある撮影では予備ボディを持っていきますが、条件が厳しくなればなるほど荷物は減らしたいもの。岩山を登る際はいつもボディ1台で挑みます。
撮影者によって機材に求めるものは異なりますが、私にとって「堅牢性&耐候性」と「小型軽量」はとても重要な「性能」の一つです。雨、雪、気温などに気を使わねばならないようでは、それだけシャッターチャンスを逃してしまうからです。
プロフィール
花谷 タケシ
京都市出身。独学で写真を学び、1998年カナダに渡航。西海岸から東海岸まで車で横断した後、カナディアンロッキーで過ごす。ここで次第に熊に魅せられさらなる北の大地アラスカや極北カナダに撮影フィールドを移していく。2007年にカナダへ移住し、2010年よりユーコン準州ホワイトホース市を終の棲家とし定住。《人間》対《自然》ではなく、人間も自然の一部として他の生きものたちといかに《共生》していくかを模索しながら、極北の厳しい自然環境の中で生きる野生動物の姿を追い続けている。
オフィシャル・ウェブサイト:熊魂 yukon-bearspirit:
www.yukon-bearspirit.com
フェイスブックページ:
www.facebook.com/yukon.bearspirit
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