8. 中央盆地帯と常春の首都サンホセ
中央盆地帯の農場風景
これまで熱帯雨林、熱帯雲霧林、熱帯乾燥林、マングローブ林など様々な「ライフ・ゾーン」を紹介しました。今回は首都サンホセを含む中央盆地帯(セントラル・バレー)に関して書いてみたいと思います。
豊かな自然は市街地にも
コスタリカの人口は四百数十万人ですが、その大半が首都サンホセと近郊の都市に集中しています。年間の平均気温が20℃ほどで、エアコンもヒーターも要りません。我々には非常に住みやすい環境ですね。また、セントラル・バレーはバーバ、イラズ、ポアス、トゥリアルバの四つの火山に囲まれ、その土壌は豊かです。常春の気候に肥沃な土地はコーヒー、サトウキビ、シダなどの観葉植物の栽培に適しています。今でこそ観光が第一の産業となっていますが、コスタリカは農業国でもあるのです。
そういった背景もあって、セントラル・バレーの森林は伐採され、プランテーションが広がっています。これは残念なことでありますが、このような環境下でも多彩な生き物が生息しています。コーヒー・プランテーションは適度な日陰を必要とするため、小鳥達の憩いの場になります。また都心部では、様々な草花や木々が植えられており、ハチドリ、インコ、チョウがあちこちで観察できます。リスが裏庭を訪れることだって珍しくありません。
住宅街に咲き乱れるカエンカズラ
住宅街ではどこのお庭にもトロピカルな花々や観葉植物が植えられ、散歩していると心が弾みます。都市全体が一つの巨大な植物園かと見紛うほどです。塀や柵はカエンカズラ、トケイソウ、ハイビスカスなどで覆われ、ブーゲンビリアが一際目立ちます。植物にも関心のある私は、ヘリコニアや蘭を植えているお庭を見ると、ついつい立ち止まって見入ってしまいます。
『Pura vida! 野鳥ガイド露木貴浩氏のコスタリカ大自然コラム』
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