瀬尾 拓慶 Takumichi Seo

瀬尾 拓慶
Profile
1990年4月24日 神奈川県川崎市生まれ 多摩美術大学環境デザイン学科卒 株式会社エス・イー・オー所属。幼少期より、音楽、自然、様々なデザイン現場に囲まれ、物事に対する特異な感性と視点を持ち育つ。自ら撮影した写真を用い、ポスターやCDジャケット、様々な広告媒体のデザイン、バックグラウンドミュージックの作曲等も手掛ける。 写真に合わせた作曲活動、個展ではピアノの即興演奏なども行う。

Takumichi Seo / 瀬尾 拓慶 公式ホームページ
Takumichi Seo × PENTAX「光の記憶」

HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited

「まるで、透き通る宝石のようだ」

HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedで切り出した画を見た瞬間、私はそう感じた。

HDコーティングされたレンズのイメージは、先入観ではゴーストなどの現象を軽減させる程度なのだろうと思っていた。 しかし、HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedを初めて使用した時の驚きはすごいものだった。 そこにはsmc時代の癖が無くヌケがあり、凛として美しく繊細な描写に心を動かされるような、新しい世界が存在していたからだ。

もともと31mmはクリアで繊細な描写というイメージがあったのだが、HDコーティングされた新しいレンズと比べると、前述の通りだいぶ癖があったように思える。
HDコーティングの効果により、太陽を背景にした木々の枝の繊細な光もゴーストに邪魔されることなく切り取ることができ、水の豊かなコントラスト、落ち葉の細かい線を見事に表現してくれる。きっと私が撮っている森だけではなく、どのようなシーンを撮影したとしても力を発揮してくれるだろう。それこそ、夜のスナップにも適している。
きらびやかな表現をしたいならばこのレンズを使うと、必ず応えてくれるはずだ。

私は以前より、31mmの繊細な描写に惚れ込んでおり、自分の作品作りの中心としていた。
この31mmという特徴的な数字を疑問に思われる方もいるかもしれない。 だが、この画角は慣れてしまうと手放すことができなくなる大きな魅力を持っているのだ。ここまでは入れたいが、ここまでは入れたくないという微妙なニュアンスで、空間をうまく切り取ってくれる素晴らしいレンズだ。 これはsmc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limitedで多くの作品を生み出してきたゆえの感覚だろうが、正直なところ、smc版とHD版は私からみると正反対な性格をしており、生み出される画も相対している。

どちらの方が優れていて、どちらの方が素晴らしいということは言えない。 相反するこの両者が対となって一つの新しい世界なのだろうと私は思っている。smc版が生み出す画が瑪瑙(メノウ)ならば、HD版はさながら水晶と言ったところだろうか。
今まで31mmを使用されていた方も、是非一度この新しくなったHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedを手に取ってみてほしい。

きっと新たな表現力を体感していただけることだろう。

Sample Images

PENTAX K-1 Mark II
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HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
by Takumichi Seo