コムロミホ Comuromiho

コムロミホ
Profile
文化服装学院でファッションを学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラフィーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。またYouTubeチャンネル「写真家夫婦上田家」でカメラや写真の情報を配信中。

HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited

今回はK-3 Mark IIIとHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedの組み合わせで、高円寺をスナップした。おしゃれな古着屋や雑貨屋が立ち並び、商店街には昭和の雰囲気が漂っている。少し歩いただけでも、いろんな被写体に出会えて、カメラを持って歩くのが楽しくなる街だ。

K-3 Mark IIIに装着すると、35ミリ判換算で47.5mm相当の画角を得ることができ、スナップには使い勝手の良い焦点距離だ。スナップをするときは、ただシャッターを切るのではなく、街の何を撮りたいのかを考えながら歩いている。撮りたいものを明確にすることで、よりその街のディテールが伝わる写真を撮ることができる。

FA Limitedレンズを使用するときは、かぶせ式のフロントキャップを外すところから始まる。すっぽりとフィットしたキャップがスルスルと外れていく手の感覚がとても気持ちいい。最新のレンズながらも見た目や質感はクラシカルで高級感がある。K-3 Mark IIIとのバランスも良さそうだ。

今回はカスタムイメージのリバーサルフィルムに設定して撮影を行った。革靴に反射する電球の光や、やきとり屋の店先、そして、マネキンの服の色など、高円寺で出会った被写体の色を深みのあるトーンで表現してくれて、高円寺のノスタルジックな被写体とマッチする。その場の空気感を感じながら絵作りを楽しめるのは嬉しい。

基本的に単焦点レンズを使用しているときは開放F値で撮影することが多い。滑らかに大きなボケへと変化するグラデーションが美しく、やわらかく大きなボケによってピント面の被写体がぐっと際立ってくれる。繊細に細部まで表現しているピント面は柔らかさの中にシャープさがあり、それがとても心地いい。そして、被写体のディテールをよりシャープに表現したいときはF3.5で撮影を行った。それによって、やきとり屋のシャッターや看板の少し古くなったディテールを細かく表現してくれている。被写体の雰囲気に合わせて、F1.8とF3.5付近を使い分けながら撮影をしたが、味わい深いF1.8の描写がクセになる。

Sample Images

PENTAX K-3 Mark III
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HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited
by Comuromiho