アラスカK20DK20D

京では花盛りの4月上旬、久し振りの海外だというのに十分な準備期間もなくバタバタと荷造りをして気の赴くままに北米大陸へと向かった。旅の相棒はPENTAX K20D。レンズはDA★16-50mm F2.8ED AL[IF]SDMとDA★50-135mm F2.8ED[IF]SDMの2本をチョイスした。共にSDM(超音波モーター)搭載のデジタル専用レンズである。

今回の最終目的地はアラスカなのだが、日本からアラスカへの直行便はないのでシアトルを経由してのフライトとなる。ちょうどこの時期、シアトルからバンクーバーにかけてのエリアにハクガンの群れが中継するので、せっかくだからそれを撮るために数日間ステイすることに決めた。越冬地である農地を見渡すと、緑に覆われた農地が一面真っ白に見えた。近づいてみるとそれらは数万羽というおびただしい数のハクガンだった。さっそく、K20Dに50-135mmを装着、空一面を覆うほどの群翔を狙う。K20Dはその迫力をとてもシャープに切り取ってくれた。納得のできる写真が撮れたのでアラスカへと向う。

アラスカでの撮影は、日中に野鳥や山岳風景などを撮影しながら、晴れた日の夜はオーロラにも挑戦した。4月上旬のフェアバンクスは日が経つにつれ夜が短くなり白夜に近づいていくため、時期的にオーロラを撮影できなくなるリミットが近い。今シーズン最後のオーロラをK20Dで狙ってみたかったのだが、僕が訪れたときのオーロラは活発ではなく、淡いオーロラしか見ることができなかった。だが、試しにK20Dで撮ってみると、肉眼で見る以上の明るさでオーロラを写し出してくれた。これには驚いた。高ISO感度でもノイズは少ないし、長秒時の露光にも不安がない。K20Dは天文現象の撮影にも高いポテンシャルを示してくれた。オーロラの撮影中は気持ちが高ぶっていたためか、たいした寒さを感じなかったのでカメラには何も防寒対策をしなかった。ところが、撮影を終えてからカメラにふれるとカメラとレンズに霜が降りて白くなっていることに気が付いた。近くにあった気温計をチェックするとマイナス15度。低温下で数時間も放置していながら何の不具合を見せないK20Dに、フィールドカメラに不可欠な「逞しさ」という性能を感じた。

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