入賞作品発表
「PENTAXフォトコンテスト2023」はお客様への感謝と、PENTAXユーザー同士の交流、さらに写真に対する新たな楽しみ方を再発見する機会になることを願い、自由な感性で捉えた作品を募集いたしました。
おかげさまで昨年度を上回る2200点以上の素晴らしい応募作品が集まりました。審査員には写真にまつわる幅広い活躍の場を持ち、当社ユーザーの皆さまにも馴染みが深い写真家こばやしかをる氏を迎え、去る1月5日(金)に厳正な審査を行い、グランプリをはじめとして全12点の素晴らしい作品を選定いたしました。
入賞者の皆さまおめでとうございます。そしてご応募いただいた全ての皆さまへも改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
ここに入賞作品を発表いたします。
なおPENTAXクラブハウスにて入賞作品展を開催いたします。ぜひ足をお運びください。
■PENTAXフォトコンテスト2023 入賞作品展
2024年2月9日(金)~2月24日(土) 11:00~18:00 ※最終日16:00まで
休館日:水・日および祝日・弊社休業日
詳細はこちら⇒
リコーイメージング株式会社
PENTAXフォトコンテスト2023事務局
<審査員総評>
ご応募いただいた多くの作品から、身近な被写体をしっかりと見つめる観察力と考察力、大切に思う気持ちが伝わってきました。世の中のさまざまな出来事と反して、明るい気持ちになれる、ホッとする写真が多く見られたことがとても嬉しかったです。
今回の入賞作品は、数多くの写真の中でも堂々としていて、スッと心を惹きつけられたものばかりでした。タイトルも作品にふさわしいものばかりです。SNSなどで多く目にするもの、似通ったものは、どんなに上手でも「どこかで見たことあるよね」となりがちですが、作者自身が心を動かされシャッターを切った写真には純粋な心が宿ります。そして、「写真らしさ」と「プリントで見る、残す価値」に重きを置いて選考に臨みました。
3枚で構成された組写真は、実際には2枚でも良いもの、単写真でも良いものが目立ちます。セレクトと構成に悩む時は、必ずプリントして客観的に見るクセをつけましょう。手にとることで選別しやすくなりますし、足りないもの、不要なものがわかります。モノクロ写真も拝見しましたが、今一歩。被写体との関係性、シーンへのアプローチ、モノクロ写真であるべき意義が伝わることが不可欠です。コンテストに限らず、他者の目線で自らを見つめ直す機会を重ね、習慣にしていただきたいと思います。
こばやしかをる
入賞作品
グランプリ
選評:
燃え盛る炎の中に、本物の天狗が目の前にいるような気迫を感じます。炎をかき分け現れる見事なタイミング、振り乱された髪、飛び散る火の粉、息をのむ一瞬です。赤々と照らされた形相も迫真迫るものがあり、別世界を見ているよう。かっこよすぎます。伝統文化を継承する祭りの背後で、スマホやカメラを構えている人たちとのギャップも見所になっています。
金賞
選評:
温かな日差しの中、お散歩日和の雰囲気が伝わってきます。舞い落ちる葉が光に照らされ輝いて、この場にいる人たちを優しく包み込んでいるようです。こちらまで気持ちがほころびます。落ち葉が右側の植栽にかかったことで、降り注ぐ様子が引き立ちました。カスタムイメージGold、コントラストの柔らかい描写がとてもマッチしています。
選評:
中心の子だけカメラ目線というのも、左隅にこっそりいる子も、ホバリングしながら止まりたいのに止まれない?子も。スズメの集団行動の習性を擬人化して捉えたところに面白さを生み出していますね。思わず笑ってしまうタイトルが一層楽しさを引き出してくれました。背景となった錆びたトタンも功を奏して、同色系のトーンでまとまっているのも好ましいです。
銀賞
選評:
フレアの光によって、暑さよりもむしろ爽やかな空気を感じます。めちゃくちゃ元気な、キーの高い笑い声が聞こえてきます。子どもの写真は「カワイイ」が優先されがちですが、錆びた滑り台による時の流れを取り入れた構成と、ローアングルの見守る視線によって世界観を上手に創り出しています。3人が大人になったときに振り返ってもらいたい一枚です。
選評:
金属の壁面に不規則な丸い凹凸。何の変哲もない場所だけに、ここに注力したことがすごい。
行き交う人たちが写り込んだタイミングは絶妙で、「どんな自転車に乗ってるの?!」「お腹に穴があいてるよ!」とか、思わず声が出てしまいます。デフォルマシオンの言葉の通り、日常が著しく歪められ、描かれた面白さ。発見力に感服しました。
選評:
トラックのラインと等間隔のシルエットの美しさ、カラフルなウェアが目を引きます。これから始まるドラマを予感させる静けさの一瞬に緊張感が伝わってきます。競輪選手の流し撮りはよく目にしますが、望遠の圧縮効果による平面的な中に、シンプルな構図と明暗のバランスが整っていてデザイン的。スッキリとした気持ちのいい作品です。
銅賞
選評:
はじめ、頬を赤らめ、リボンを付けた女の子かと見間違えてしまったほど可愛らしい笑顔です。よく見たらバリカンで刈り上げていました。鏡越しに撮影され、視線を感じて照れ笑い。緩んだ口元から照れくささがにじみ出ていますね。そんな一瞬の表情を逃さず的確に捉えている上に、ハイキー調で軽やかな雰囲気が彼の気持ちとリンクしています。
PENTAX K-3・smc PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED[IF]・f10-1/25s(-1.0)・ISO400・WB:オートWB・カスタムイメージ:ナチュラル
PENTAX K-3・10-24mm・f5.6-1/40s(-1.3)・ISO800・WB:オートWB・カスタムイメージ:ナチュラル
選評:
組写真の中で構成力の高かった作品です。大阪レトロ界隈で異彩を放つかのようなたたずまいは、広角レンズを巧みに操るレンズワークが活かされ、ダイナミックさと、歴史を感じる荘厳さが伝わってきます。外観だけではわからない、赤いジュータンの階段、ステンドグラス、タイルの反射。艶やかで印象的な時の流れを感じる見せ方(組み方)に引き込まれました。
PENTAX K-3・smc PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED[IF]・f10-1/25s(-1.0)・ISO400・WB:オートWB・カスタムイメージ:ナチュラル
PENTAX K-3・10-24mm・f5.6-1/40s(-1.3)・ISO800・WB:オートWB・カスタムイメージ:ナチュラル
選評:
組写真の中で構成力の高かった作品です。大阪レトロ界隈で異彩を放つかのようなたたずまいは、広角レンズを巧みに操るレンズワークが活かされ、ダイナミックさと、歴史を感じる荘厳さが伝わってきます。外観だけではわからない、赤いジュータンの階段、ステンドグラス、タイルの反射。艶やかで印象的な時の流れを感じる見せ方(組み方)に引き込まれました。
選評:
身近な花を丁寧に見つめる心の優しさを感じる写真です。全体の色のバランスとボリューム、配色の構成を考えた切り取り方も見事。なんといっても、左上の緑色の入れ方が絶妙です。どこにでもある花壇の花をしっかりと作品に仕立てられる作者の力量を感じます。まさに!と思わせるタイトルも作品力を引き上げるポイントになっています。
選評:
自生の彼岸花でしょうか。赤色をとり囲むように、うっそうと生える緑の葉は虫食いで、手つかずの自然のままであることがわかります。小川の畔に佇む鳥(鷺かな)の頭部の白さが、黒い背景の中にアクセントとして活かされました。それぞれの生きる姿を静観する俯瞰で捉えたことで全体的に陰影による立体感があり、静寂の中の力強さが印象的です。
選評:
慌ただしい朝の一瞬。出勤前と思わしき女性たちそれぞれの姿にはたくましさを感じます。迫りくる電車の距離には臨場感があり、少しローアングルから切り取ったことで日常的な光景をリアルに伝えられています。生粋のスナップ写真らしさがあり、この場にいたら思わず「おはようございます」と声をかけたくなる写真です。
U-25奨励賞
選評:
本来、透けて見えてしまうビニール傘ですが、弾かれた水滴にピントを置いて深度を浅めにとり、人物の視線を見せないように工夫しモザイクとした柔軟な発想がいいですね。しっとりとした静かな雰囲気の中に、口元だけが見えてドラマのワンシーンのようにも感じました。この先の物語を知りたいと思わせる一枚です。