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写真三昧の池永が語る
知れば知るほどペンタックス

第3回
ペンタックスの色作りカスタムイメージを理解する
デジタルカメラを使用するための基礎知識

デジタルカメラ撮影のポイントは、ピントと露出と色です。ピントと露出はフィルムカメラも共通のテーマです。それに対して色は違います。色に関してフィルムカメラはフィルムを選ぶということで色が決定されます。そのために、どこのメーカーのどのフィルムを使うかにこだわりがあったわけです。フィルムの決定が最終の写真をイメージすることになったのですが、デジタルカメラにはフィルムがありません。デジタルカメラはカメラのなかで色を作ります。そのためにイメージする色の設定は撮影者に委ねられることになります。すなわち撮影者にその知識が求められます。色に関わる項目はホワイトバランスとカスタムイメージをどのように組み合わせるかです。そのためにPENTAXの色作りに関する知識を持つことが大切です。

PENTAXの画作り

PENTAXでは、画の色作りからチューニングまで一貫してやっています。カスタムイメージやホワイトバランスなども同様で、トータルで画作りをしています。それをどのように管理しているかというと、開発者が肉眼で判断して、「これは雅(MIYABI)だ」とか、「これは鮮やかだ」ということで作り込んでいます。すなわち官能評価による作り込みです。それがPENTAXの色へのこだわりであり、色作りの真骨頂がそこにあります。

カスタムイメージについて

色作りに対するPENTAXのアプローチは、他のメーカーとは少し違うと考えています。どう違うかというと、まずは種類が多いということです。カスタムイメージは一般的に言う画像仕上げの機能ですが、これがK-1から13種類になりました。これは他のメーカーに比べると多いのです。選択肢が多く、そこから選びぬく知識を持って、PENTAXの画作りを理解しながら、「このシーンはどのカスタムイメージがいい」と選んでいただけるのが一番だと思います。

カスタムイメージについて

色作りを決定するカスタムイメージはフィルムカメラのフィルムを選択するのと同じ機能

メーカーの腕の見せ所で開発者のこだわりそのもの

K-1は13種類のカスタムイメージを用意している

忠実色と期待色

では、PENTAXのカスタムイメージはどのように作られているのでしょうか。まず、「鮮やか」「ナチュラル」「人物」「風景」という4つは「忠実色」という共通項で作られています。「忠実色」とは肉眼で見たときの色合いです。そのなかで、たとえば人物ならば肌色をきれいにし、風景を選ぶと色合いを濃くし立体的に見せるなど、それぞれのシーンに応じての調整をしています。カスタムイメージの設定にすると六角形のチャートが出てきます。チャートは光の三原色(レッド、グリーン、ブルー)と色材の三原色(シアン、マゼンタ、イエロー)が補色関係に配置されています。それを見ると多少の違いはありますが、ほぼ正六角形です。すなわち各色バランスをとっていることがわかります。これが忠実色です。


<写真 1>

それに対して「雅(MIYABI)」(以下「雅」)があります。チャートを見てください。正六角形ではなく形が変形しています。特にマゼンタとグリーンが強調されていることがわかります。特定色を強調することで忠実色ではなくなります。この「雅」で作られる色のことを期待色と言います。期待色とはこうであったらうれしいと願う色です。たとえば青空を写した時に見た目の空の色が実際よりも青が深い方がうれしいわけです。このように期待する色のことを期待色と言います。

空の色を見比べて下さい。明らかに違いますよね。実際は写真左の「ナチュラル」にした時が見た目の色です。「雅」にすると、ブルーが深くなります。なぜかと言うとブルーにマゼンタを加えることによってブルーに深みが増すのです。それが期待色です。

フィルムカメラで撮影したフィルムをDPEショップに同時プリントを依頼すると、オペレーターは期待色のことも考えながら色を作ります。期待色ベースの色を少し加味してプリントすると、お客さんに喜んでもらえるからです。それと同じようなことを、PENTAXは「雅」でやっています。また、「雅」は派手だと思われがちですが、そうではありません。「ナチュラル」と同じで、彩度などのパラメーターは全て真ん中に設定しています。画作りを強調しているのは特定色だけです。そのマゼンタを強調することによってブルーが深くなるし、グリーン強調することでグリーンは明るくなります。

風景はグリーンの描写が決めて


<写真 4>

そのグリーンがPENTAXの特徴的な色になるのですが、風景写真を撮っている方にとってグリーンは大切です。そして、デジタルではグリーンが生っぽくなるという傾向があります。しかしPENTAXの場合は、開発の人たちが目で見て確認しながらの官能評価で作り込んでいるので、グリーンが非常に自然に表現されます。グリーンは肉眼で見ているのと写真にしたときの色合いが最も乖離する色と言われています。肉眼では400nmから800nmが可視光線となっていて、その中間域がグリーンで視感度のピークとなっていて明るく見えています。写真にするとグリーンは暗く写るという特性があります。そのグリーンを見た目に自然な色あいにするのがPENTAXの色作りです。特に「雅」ではグリーンを明るく表現します。私は風景では「雅」を使うことが多いです。新緑の緑を表現するには最適です。

忠実色と期待色によって構成

カスタムイメージは忠実色と期待色がある

忠実色は見た目の色合いで仕上げる「鮮やか」「ナチュラル」「人物」「風景」

期待色は被写体の固有の色ではなく「こういう色であったら」と願う色で仕上げる「雅」

ペンタックスはグリーンを自然な色合いで表現でき、特に「雅」がグリーンを明るく表現する

カスタムイメージの活用

ただ、よくありがちなのが「雅」が良いと信じて常に「雅」にしてしまうことです。私は、それは違うと考えています。シーンごとに、どういった色合いがいいのかをカスタムイメージの選択にこだわっていただきたいのです。どのカスタムイメージを選ぶか、そのための知識を持っていないと何を選んで良いのかがわからなくなってしまいます。そこで選択するときの必殺技があります。記録方式がJPEGであっても撮影した直後は一時的にRAWでの保存をしています。そのためK-1の十字キーのカスタムイメージを選択する右ボタンを押すとカスタムイメージのアイコンの背景に写真が写し出されます。カスタムイメージを選択すると背景の写真も変化していきます。各カスタムイメージをシュミレーションでき、どれがよいのかを決めるのにとても有効で、色作りの選択肢が広がります。さらに選択したカスタムイメージでのデータをAE-Lボタンを押すことで新規保存が可能です。そして、その画像を再生してAE-Lボタンを押すことでRAWの追加保存のできる自在性は大変に便利なシステムと言えます。


<写真 5>

たとえば紅葉の撮影は赤の飽和が気になるのでどのカスタムイメージを使うか難しいシーンです。私はおおよその撮影は「ナチュラル」を基本にしていますので「ナチュラル」から「鮮やか」「人物」「風景」「雅」と順番にシュミレーションします。「雅」はマゼンタを強調するので赤が飽和しやすくなりますが、紅葉の赤を強調するのに最適です。青空と紅葉の組合せでは「雅」を使いたいところです。試した時に派手だと思えばさらに細かい調整もできます。上級者向けになりますが、カスタムイメージを選択した後に詳細設定のINFO(インフォ)ボタンを押すと、彩度や色相などのパラメーターを調整することも可能です。例えば「雅」で赤が飽和してしまった時には、彩度を下げることで、うまく調整ができます。「モノトーン」もよく使います。「モノトーン」の活用のポイントはINFOボタンを押してフィルター効果の何を使うかです。フィルターなしと8種類のフィルターがあり、赤外調をよく使います。青空が真っ黒になって、白が際立ちます。

特徴的なカスタムイメージ

まず、K-1からの搭載の「オートセレクト」と「フラット」のふたつがあります。「オートセレクト」はカメラがどのカスタムイメージにするかを自動選択します。「フラット」はイメージセンサーが作り出す色合いのままの仕上がりとなります。すべての調整を使う側に委ねるものです。「リバーサルフィルム」はメリハリ感のある仕上りになります。ホワイトバランスが太陽光に設定されていて、調整項目が限られリバーサルフィルムで撮影したような仕上がりになります。決め打ち的な仕上がりなので当たり外れがあります。そのほかに「ポップチューン」「ほのか」「銀残し」「クロスプロセス」のアート系のカスタムイメージがあります。詳細設定の各パラメーターを上手に使うことで趣のある写真をつくることができます。

カスタムイメージの活用

カスタムイメージは絶対的なものはない、シーンに応じて選ぶ必要がある

カスタムイメージを選ぶ時に事前にシミュレーションができる

「雅」は特徴的な色合いで風景にオススメ

ある程度慣れた方は、詳細設定からパラメーターでさらに細かな調整が可能

カスタムイメージが理解できたら色作りにおいて何が適しているかを見つけるのが楽しみになります。色作りをカメラの中で、自分自身で作っていけるからです。その場に応じて、どのカスタムイメージが一番適するのかを考えながら、撮影を楽しんでいただければと思います。

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