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「3776 神奈備 kannabi」(さん なな なな ろく かんなび)佐藤友昭 (さとうともあき)

©佐藤友昭

約5000年前に現在の形となった富士は、この国の 天(てん)地(ち)開(かい)闢(びゃく)以来、万物の根源としての神となった。それ以来、数千年に亘り時代ごとの芸術、宗教、ナショナリズム、あらゆる人々の感情などの象徴として存在し続けてきた。しかし、そのような与えられた像ではない、富士本来のありのままの姿とは何か。土地に堆積した歴史を汲み上げ過去、現在、未来をつなぐ意識を富士の森よりそのカケラを写しだす。カラープリント約20点で構成。

ONLINE写真展

作者 佐藤友昭 (さとうともあき)
作品名 「3776 神奈備 kannabi」(さん なな なな ろく かんなび)
会期 2017年5月3日(水)~5月15日(月)
時間 10:30~18:30(最終日16:00終了)
定休日 火曜日
入場 無料
会場 リコーイメージングスクエア東京(ペンタックスフォーラム) ギャラリーI
連絡先 〒163-0690 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB(中地下1階)MAP
℡03(3348)2941 担当:江上

作品コメント

 実家の裏山を登ると静(せい)謐(ひつ)な空気が漂う小さな神社がある。聳(しょう)立(りつ)する樹木を揺らす風の気配。木々の隙間から降り注ぐ眩い光芒。昔から山や森などの木や岩を依り代に神霊が、風や光として降りてくると言われている。原初の宗教観とはこのような身近な自然とふれあう心から生まれるもので、古来より我が国では自然崇拝や畏怖の精神を自然に受け継ぎ、現在もその意識を涵(かん)養(よう) する文化がある。
 天と地を結ぶ富士もまた人々の住む身近な所に存在し、自然の中に神が顕現する聖域(神(かん)奈(な)備(び)※)である。約1000年前、富士北麓に流れ出た溶岩が作った大地は、様々な植生の遷移が進行し現在の森を作り出した。 その森を幾度となく往来し「みる」の繰り返しの中に、古来より伝えられてきた富士情景とは異なった神々しい意識が流れてくる。闇の中から燦(さん)然(ぜん)と輝きを放つ光の帯は、依り代へと導かれる御霊のようにも、常世と現世の端(はざ)堺(かい)にも思われる。先人もここで同じような意識が生まれ、未来の誰かもここで同じ時が交差することだろう。  ここは富士曼荼羅の一部にして、光と陰の中に過去、現在、未来の意識が交差する神奈備である。
佐藤友昭 ※ 神奈備 神霊(神や御霊)が宿る御霊代・依り代を擁した山や森のこと。
霊峰富士山などを神奈備といい、現世において神が鎮座する山や隠れ住む森などを指す。

作家プロフィール

1977年福島県生まれ 日本大学卒業後、写真事務所を経て2005年独立しフリーランスへ。
2008年より富士を中心に作品創作活動をしている。

写真展

2016年5月 「3776」 ギャラリー福果

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