35ミリ判フルサイズ対応、優れた接写性能と
機動性を備えた望遠ズームレンズ
本製品は機動性に優れたコンパクト設計ながら、35ミリ判フルサイズに対応するイメージサークルをカバー。小型軽量・防滴構造で気軽に持ち歩け、いつでも快適に撮影を楽しめる高性能望遠ズームレンズです。高性能なマルチコーティング“HDコーティング”を採用し、さらにレンズコーティング全体を最適化することで、逆光撮影時のゴーストやフレアーの発生を抑え、抜けの良い描写を実現しています。
全長175mm、本体質量819g(フード付:859g)と携帯性に優れながらも、ズーム全域で高い描写性能を発揮。レンズ内部に水滴が入りにくい防滴構造も相まって、あらゆるフィールドでアクティブな作品づくりが可能です。
APS-C一眼レフカメラで使用する際には、107-322mm相当(35ミリ判換算)をカバーし、APS-Cシステムならではの機動力を活かし、軽快に撮影いただけます。また、AFリアコンバーター「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」との組み合わせにも対応しており、撮影領域をさらに拡大できます。
ズーム全域で最短撮影距離0.95m、最大撮影倍率は0.32倍を実現し、テレマクロレンズとしても活躍。ズーミング、AF作動中にレンズの全長が変わらないため取り回しが良く、快適に撮影できます。
APS-C一眼レフカメラで使用する際には最大撮影倍率は約0.48倍相当( 35ミリ判換算)となり、ハーフマクロに迫るクローズアップ性能を発揮。撮影表現の幅を拡げてくれます。
開放F値の明るさは異なりますが、同等の焦点距離を持つ「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」と本製品。
「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」は、ズーム全域で開放絞りF2.8と、スターレンズならではの感動的な画質をもたらすために、近接撮影時の撮影倍率よりも描写性能を優先。口径の大きなレンズ前群ではなく、中間群をフォーカス作動に利用しています。このレンズでは、中間群をフォーカス作動に用いることで近接時には焦点距離に対して画角が広くなるため、最大撮影倍率は0.13倍にとどまっています。
対する本製品「HD PENTAX-D FA 70-210mmF4ED SDM WR」では開放絞りをF4とすることで口径を抑え、レンズ前群をフォーカス作動に利用しました。このレンズでは、前群をフォーカス作動に用いることで近接撮影時に焦点距離に対して画角が狭くなり、さらに最短撮影距離0.95mの恩恵も受けることで最大撮影倍率0.32倍を実現しました。
高トルクなリング型超音波モーター(SDM)により、高速で静かなAFを実現し快適な操作が可能です。
フォーカスの駆動範囲を制限することでAF合焦までの時間を短縮する“フォーカスレンジリミッター”を搭載。2mを境に、フォーカス駆動範囲を制限することで、無限~2mの駆動時間は、FULLの場合の無限~0.95mの移動時間に比べて約1/3の時間短縮が可能となります。
〔設定方法〕
フォーカスレンジリミッターのスイッチを“LIMIT”に入れます。その時のフォーカスレンズのある側に制限されます。範囲は無限~2m、2m~0.95mです。
例えば、レンズ本体の距離目盛が5mの状態でフォーカスレンジリミッターを入れると無限~2mで制限されます。距離目盛が1mの状態では2m~0.95mで制限されます。
〔利用例〕
・無限~2mのフォーカス駆動に制限する場合
金網越しに飛行機や車を撮影したいときに、金網にピントが合わないようにフォーカス駆動範囲を制限できます。
・2m~0.95mのフォーカス駆動に制限する場合
近い位置の花にピントを合わせたいときに、背景の建物などにピントが合わないようにフォーカス駆動範囲を制限できます。
1969年東京生まれ。東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ東京)を卒業後、フリーの写真家として活動。小さな自然から広大な景色、花や野生動物など幅広く自然の優しさを感じられる作品を発表している。現在は北海道に移住して「いのちの景色をメインテーマに撮影を続けている。写真展「光の色・風の色」、「いのちの景色 釧路湿原」など多数開催。写真集「いのちの景色 釧路湿原」など。2013年カレンダー作家のひとり。2017年4月にリコーイメージングスクエア新宿にて写真展「光の色・風の色2」を開催。
フルサイズ対応ながらコンパクトな、K-1にピッタリの望遠ズームがこの「HD PENTAX-D FA 70ー210mmF4ED SDM WR」だ。第一印象は何よりも軽い!ということ。819gと軽量で、鏡筒も細く持ち運びも苦にならない。これまで70-200mmF2.8では大きく重いと諦めていた人にこそ、手に取ってみて欲しい。というよりも、K-1の発売と同時にこのレンズこそ発売して欲しかった。
最短撮影距離が0.95mと短くなり、近くの被写体にもピントを合わせることができるのもいい。最大撮影倍率が0.32倍となり、ちょっとしたクローズアップ撮影も楽しめる。花の撮影でも柵があって近づけないようなときに望遠マクロ的な使い方ができ、コスモス位のサイズの花は画面いっぱいに撮ることが可能だ。
APS-Cボディとの組み合わせでも相性が良く、より望遠の画角で撮影したいときに威力を発揮する。リアコンバーター「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」を組み合わせると、最大で35ミリ判換算約450mm相当の画角で撮影できることになり、利用範囲を広げられる。
写りに関してはなかなかシャープ。でも必要以上にカリカリではなくPENTAXらしさのある美しい写りを実現している。ピクセル等倍の解像力だけを追求した写りではなく、自然風景やポートレートなどに適した自然な質感を再現してくれるといったら良いだろうか。
ズームリングがレンズの前方に配置されているので、ホールディングしたときにレンズの前側を支えることになって安定するのもいいところだ。三脚座はないが、KPとの組み合わせでもバランス良く、フロントヘビーになることはない。コンパクトな一眼レフにふさわしいレンズの登場で、撮影のフットワークもいっそう軽くなり、より良い作品も撮れる気がする。
1967年、長野県生まれ。高校卒業後、東京の印刷会社で働く。退社後、1年間のカナダ暮らしをきっかけに写真家としてデビューする。以後、東京を拠点に世界各国、国内各地を巡る旅を続けながら、意欲的な撮影活動を行っている。絵心ある構図で光や影や風を繊細に捉えた叙情的な風景作品、地元の人の息づかいや感情が伝わってくるような人物写真は人気が高い。代表作に『BLUE MOMENT』『Sense of Japan』『CEMENT』『「スペインの最も美しい村」全踏破の旅』がある。
『「スペインの最も美しい村」全踏破の旅』で発表した写真は、その多くがPENTAX K-1 Mark IIで生み出されている。常に3本のF2.8ズームレンズを携帯していたのだが、正直言って重さには堪えていた。
70-210mmF4が発表になったとき、まさにガッツポーズをするほど嬉しかった。何と重量はたったの819g。レンズ本体だけでも1755gもある70-200mmF2.8と比べると約半分の重さだ。この1kgの差はかなり大きい。
カナリア島テヘダ村を巡る旅で初めて使ってみたのだが、やはりその軽さには心が高鳴った。私は、被写体に応じて迅速にレンズ交換ができるように、腰のポーチに軽めのレンズを1本入れて備えるようにしている。今まで広角ズームが中心だったが、何とこの性能を備えた望遠ズームをフードを装着したままスッポリと収納できたのには驚いた。K-1に装着してぶら下げたときのバランスもよく、レンズの重量で極端におじぎしてしまうこともなく、石畳の路地を歩きながら時々カメラを構えるような撮影スタイルでも、全くストレスを感じなかった。
そして何より感動したのは、キレ味がいい描写だ。特殊低分散(ED)ガラスを何枚も使っているので、全域にわたってカチリと決まる。周辺部の光量の低下はなく、F16以上に絞り込んでも回折現象は全く気にならない。帰国後に70-200mmF2.8と画質を比較してみたのだが、日頃からある程度絞り込んで撮影をしているため正直言って画質の良し悪しはわからなかった。
さすがに薄暗い聖堂内では、開放値F4のレンズを使うと露出が1段ほど落ちてしまう。最初、ブレによる失敗作が多いだろうと危惧していたが、多少の感度アップとカメラ側の手ぶれ補正(SR)で充分にしのげた。
今回の取材で意外と役立ったのが、0.95mまで近づけるという接写能力だ。私はマクロレンズを所有していない。しかし旅の途中、花や料理のアップを撮りたいと思う時もあり、そんな夢を叶えてくれたのがこの望遠ズームだった。
2020年から、「スイスの最も美しい村」を巡る旅がスタートする。スペイン以上に歩くことになるので、70-210mmF4の出番が増えそうだ。
オーストラリア出身。風景写真に魅せられ、2002年よりイタリアに拠点を移す。初めて手に取ったカメラがPENTAX MZで、今でもペンタックのカメラシステムで世界中の様々な地形を撮影している。「母国を撮影することは常に私の願いであったが、近年はイタリアやパタゴニアでの風景写真のワークショップがその情熱をより強固なものにした。」
とても軽くて使い勝手の良い本レンズは、ペンタックスユーザーがD FAラインアップが発売されたときから待ち望んでいたレンズではないでしょうか。70-200mmF2.8と同等の焦点距離でありながら、それよりも軽く、かつ あらゆるシチュエーションで D FAの望遠レンズならではの画質を望む写真家向けのレンズです。
今回PENTAX K-1 Mark IIにこのレンズをつけ、風景や動物、ストリートフォトなどあらゆるシチュエーションで試してみました。フォーカスレンジリミッターのおかげで、フォーカスが速く正確なうえ、開放で素敵なボケが得られ、最短撮影距離0.95mは良い感じで寄ることができ、フォーカスもしっかり決まっていました。さらに、厳しい天候でも防滴シーリングのおかげで撮影を難なくこなせています。高い信頼性を感じることができました。
風景写真を撮影する際、道のりが大変なロケーションに赴くことが多く、私にとって軽量な望遠レンズを撮影機材に加えることができるのはとても重要で、今回それが実現しました。軽くて画質もよく、被写体に寄ることができ、防滴構造をレンズに求める風景写真家におすすめなのはもちろんのこと、ポートレート、野生動物、ストリートフォトなどといったあらゆる撮影ジャンルにおすすめです。
画質追求
合計約3040g
質量差
約1171g
機動性重視
合計約1869g
画質追求
合計約3335g
質量差
約1647g
機動性重視
合計約1688g
画質追求
合計約5365g
質量差
約2667g
こんなに持っても
合計約2698g