第4回 冬鳥から夏鳥へ(1)
デジスコひと口メモ
まずはじめに、野鳥を見つけることができなければ、撮影することはできません。野鳥を見つける目、観察眼を必要としますので、バードウォッチングを長年やっている方、フィールドでの経験者などから教えていただくことが一番の近道です。
野鳥の囀りや地鳴き声を頼りに、その辺り全体を見渡し、野鳥が動く時が見つけるチャンスとなりますが、野鳥観察を長年続けていた方は、こちらがビックリするぐらいすぐに見つけてしまいます。居ると言われても、こちらには見えない。そういう経験を多々味合うことになると思いますが、フィールドで回数を数えるごとに、徐々に鳥の姿を捉えることができるようになると思います。
野鳥を見つけたら、スコープへの導入(カメラの画角内に被写体を導く)となりますが、小さな小鳥を倍率の高いスコープに入れることは至難の業です。照準器という便利なものがありますので、照準器をスコープまたはデジタルカメラの脇に備え付けることをお勧めします。照準器の中心に野鳥をとらえることで、カメラのファインダー入ったのと同様の効果が得られます。
いかに早く、被写体をカメラに捕えるかが、野鳥撮影の第一歩です。
今回は、2月下旬から6月下旬頃までによく見かける野鳥たちを2回に分けて紹介したいと思います。
2月も下旬を過ぎると寒さも和らぎ、比較的容易に野鳥観察できることから、毎週末バードウォッチングや野鳥写真を趣味にされている方が、楽しみにしている時期でもありますね。もちろん、デジスコにとってもっとも適したシーズンと言えるでしょう。
冬鳥と夏鳥が交代する時期でもあり、巷の公園には野鳥たちが頻繁に出入りします。冬鳥たちは帰り支度のために、また南からやってくる夏鳥が高原に向かう途中で、骨休めする時が出会えるチャンスです。
また、早春から初夏にかけては、木々が芽吹きはじめ、一面枯れていた雑草も色づき、花々が可憐な花を咲かせはじめます。鳥たちも繁殖の時期に入りはじめ、野鳥たちの囀りをよく耳にする季節となります。
冬鳥
近所で桜見物をしていると、桜の花の蜜を吸いにくる、凄い数のメジロやヒヨドリを見かけることができます。たぶん、花粉でくちばしをまっ黄色にした鳥たちを多く見かけることでしょう。
イカルは留鳥または漂鳥で、冬になると暖地に移動し、山地の落葉広葉樹林に戻っていきます。まだ肌寒い時期、公園の地面に落ちた木の実を、イカルたちが群れでバリバリと音をたてながら食べる姿を見ることができるでしょう。レンジャクも、このイカルも非常に細かい柔らかい毛並みで、その質感を写真に表現することは大変難しいと感じています。
イカルを撮影していたところ、たまたま一緒にいたオオカワラヒワも撮影できました。野鳥を撮影していると、こんな突然の出逢いが、野鳥撮影の楽しみのひとつでもあります。
早春の訪れを感じる頃になると、市街地の公園にヒレンジャク、キレンジャクがやってきます。なんだか歌舞伎役者を想像させる面構えの上、名前も特撮ヒーローのようでユーモラスですね。その年によって、会えるときと会えない時があるようですが、それも野鳥撮影の楽しみのひとつです。
野原にタンポポが咲き始める頃、ムクドリに混じってギンムクドリもやってきます。ムクドリと顔つきが良く似ていますが、銀色に光った羽を纏った貴公子です。
カラスの仲間でカケスという鳥がいます。この鳥も冬になると平地に降りて来て、早春には、山の方へ戻って行きます。正面はやや山賊顔で、鳴き声もオナガ同様美しくはありませんが、なかなか警戒心が強く、思うように撮影させてくれないので、一度は挑戦してみたくなる鳥です。
Joypapaさんについて
野鳥に魅せられて以来、その姿を収めるために人一倍の情熱を燃やすJoypapaさん。独自の視点で撮影活動にいそしんでいらっしゃいます。
夏鳥
4月に入ると夏鳥たちが飛来します。身近で見られる代表的な夏鳥としては、キビタキやオオルリではないでしょうか。
南から何千キロという距離を飛んで、日本にやってきます。あんな小さな身体で海を渡り、長距離を飛んで来ることに驚嘆さえ感じます。そんな野鳥たちがほんのひと時、市街地の公園に入り、休養と栄養を補給した後、高原や山に登っていきますので、その瞬間をとらえて見ることができますね。
オオルリもキビタキと時を同じくして、日本へやってきます。コバルトブルーのキレイな色をした鳥ですが、光の加減で羽の発色が大きく異なります。いままで何度もトライしていますが、思うような色合いがなかなか出てくれません。固体差にもよると思いますが、その鳥の年齢によっても羽の色合いが違うようです。思った色を出すことの難しい野鳥のひとつです。
4月から5月下旬にかけては、野鳥撮影にとってのベストシーズン。この期間は、野外で観察するための好条件が揃っていますので、見逃すことができない時期ですね。