
高田美(たかたよし)は1916年、明治の豪商高田商会・高田慎蔵の孫娘として生まれました。1954年には単身でパリに渡ります。パリを撮影に訪れた木村伊兵衛の通訳を務めたことで写真を勧められて写真家としてのキャリアをスタートさせます。その後、アンリ・カルティエ・ブレッソン、ブラッサイ、ロベール・ドアノー等と親交をもち、フランスの写真家を日本に紹介する橋渡しをします。当時、新進気鋭のデザイナーのピエール・カルダンとの出会いにより、彼の右腕として世界中で活躍します。ファッション界、写真界のみならず産業界にもフランスと日本の交流に貢献し、終生のパリで撮影した作品を日本やパリで発表します。はっとり・よしを氏はピエール・カルダンの仕事を手伝いつつ、高田美との親交を深めました。はっとり・よしをコレクションはカルダンのオートクチュール作品をはじめオリジナルプリントやフランス映画と多岐にわたります。今回は、そのコレクションの中から、高田美の作品約30点を展示いたします。作品はゼラチンシルバープリントでピエール・ガスマン工房によるプリントです。
※2021年6月24日(木)~8月8日(日)の会期でリコーイメージングスクエア東京ギャラリーAにおいて開催された同写真展から厳選した作品による巡回展となります。