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リコーイメージングスクエア大阪

「鉄道写真 昭和29年-昭和33年※1 ~蘇るコダックローム(コダクローム)の記録と記憶~」 
鶴田 裕

作者が1954年~1958年にかけて、日本各地の鉄道を当時まだ一般に販売されていなかったカラーポジフィルムのコダックローム(コダクローム)やさくら天然色フィルムで撮影した、極めて貴重なカラー作品58点で構成。

作品例

作者 鶴田 裕
写真展 「鉄道写真 昭和29年-昭和33年 ~蘇るコダックローム(コダクローム)※2の記録と記憶~」
会期 2021年5月6日(木)~ 5月17日(月)
時間 当面の間、10:30~16:00までの短縮営業
(最終日16:00終了)
定休日 火曜日・水曜日
入場 無料
会場 リコーイメージングスクエア大阪 ギャラリー
連絡先 〒540-6591 大阪府大阪市中央区大手前1-7-31 OMMビル1階MAP
℡ 0570-007996(ナビダイヤル) 担当:伊藤

※2:作家様のご要望により写真展名に一部追記しました(2021年4月6日)
※1:タイトルの年号に間違いがあったため修正しました(2021年5月6日)

作品コメント

鶴田裕氏は早稲田大学在学中、鉄道写真の同好の士と共に昭和29年(1954年)から昭和33年(1958年)にかけて、日本各地の鉄道をカラーフィルムで撮影していました。この時代の鉄道を記録した写真は数多く残されていますが、カラー写真は極めて貴重です。
鶴田氏は、コダックローム(コダクローム)※を特に好んで使用していましたが、そのフィルムは進駐軍が放出したものを御徒町で買ったそうです。当時コダックローム(コダクローム)は貴重なフィルムであり、鶴田氏は、ときにエクタクロームやフジカカラー、サクラカラーフィルムも使用していました。 コダックローム(コダクローム)は、かけそば1杯30円ほどの時代に1本800円(現像代含む)したそうです。現像はハワイにフィルムを送り、戻ってくるまで2月かかりました。鶴田氏は、待ちきれず東京駅前の中央郵便局に赴き航空便で送ったこともあったそうです。
愛用カメラの機種名を忘れてしまったそうですが、手掛かりを辿ったところ1953年に発売されたオリンパス35lVa(40mmF3.5)と1954年に発売されたドイツコダックが製造販売したレチナⅡc(50mmF2.8)と思われます。
67年前のカラーフィルムで鉄道写真を撮影することは、非常に困難な撮影条件に直面したはずです。フィルムの感度はISO10程度、快晴ならレチナの50mmF2.8で、1/250秒のシャッターで切れますが、走行列車をギリギリ止められるスピードです。曇天なら1/60か1/30に落ちます。鶴田氏が珍しい車両を前にしながら、条件が整わず苦労されたことは容易に想像がつきます。
長年の間に傷つき経年劣化したフィルムから画像をどのように復元するか問題でしたが、コダックローム(コダクローム)は退色がほとんどなく、富士、さくらフィルムは若干退色が見られエクタクロームは色が完全に抜けてしまっていました。いずれもデジタルスキャン後の色補正によって当時の色を再現することが出来ました。また、日本初のカラーフィルムであるサクラカラーフィルムで撮影された写真、ポジそのものが現存しているものがほとんどなく、これもまた極めて貴重な写真です。
コダックローム(コダクローム)については、データ化された画像をプリントする際にオリジナルフィルムの色補正を最小限に施し、トリミングも最小限に留めました。会場に展示した写真からカラー写真に注いだ鶴田氏の情熱と苦労、そして当時の空気感が伝わってきます。67年前の列車が先日撮影されたかのようなカラー写真に再現されました。
この度、鶴田氏の写真展に携わることで、あらためて写真とはプリントして完結するものだと再認識しました。いまここに67年の月日を経て鶴田氏の作品が完成しました。どうぞ、67年前の記憶と記録をご高覧頂けたなら幸いです。
文:小竹直人
※本来のフィルム名は『コダクローム』ですが、作者の意図を尊重して『コダックローム』の表記にしてあります。
※作者様のご要望により、一部文言を併記いたしました(2021年4月6日)

作者プロフィール

鶴田 裕(つるた ゆたか)
昭和11年東京生まれ。早稲田大学大学院工学研究科・建築材料施行専修終了。
大成建設(株)研究所にて防水技術の材料研究グループリーダーを務める。
現在、NPO法人 建築技術支援協会(PSTASサーツ)正会員。

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