講師総評
篠原俊之ゼミナール2022年度 東京
9ヶ月間のゼミナールでやったこととは、素直な表現、自分らしい形をつくることを目指してきました。それは撮り方とか、プリントの色とか、紙の種類とか、そういう話ではなくて、対象の見方、向き合い方に始まり、それをどう見せるのかを経て、最終的にまだ出会ったことのない誰かと、どのような対話が生まれることを期待しているのかを、一緒に考えることでした。
なんだか、とても難しいことのように思われるかもしれませんが、毎回の授業は爆笑の連続、といった記憶しかありません。
自分らしい表現のタネはある日直感的に降りてくるものです。同時に、それはやりすぎではないか、、、という理性が自分の感性にブレーキをかけます。かけてないつもりでも、無意識にココロのブレーキをかけてしまうものなんです。それが社会人の良識というやつです。
だから少々の遠慮を取っ払って、ちょっとやりすぎかな、、、と内心ドキドキするくらいまで、持っていかないと、他人の耳には表現がおとなしすぎて、その内なる声が聞こえません、ということになります。
だから、僕の仕事は、参加者のみなさんの表現のいいところを見つけて、勇気を持って前に進めるように背中を押すことでした。押すなよ、押すなよ、絶対に押すなよ〜、というところをぼくがどーんと、そのまま行っちゃいなよ〜、とガシガシ押すので、笑いが絶えることがありませんでした。
結果として、展示はなんとかできたのですが、ハガキに印刷したり、WEBで告知するには収まり切らないような、自由すぎる表現がいろいろ生まれてしまいました。
今後もこのメンバーが全力で振り切った表現を続けてくれることを切に願っています。
学校教育の現場では、気がつけば20年以上、数えきれない学生たちと作品制作を支援してきたのですが、社会人向けのゼミでの授業は初めてでした。貴重な機会を私に与えてくださったリコーフォトアカデミーさんに感謝申し上げますとともに、この1年弱の間、関わって下さった全ての皆さんにお礼申し上げます。
講師総評
こばやしかをるゼミナール2022年度 東京
2022年7月から半年間「人に伝える・見せる」ために写真をどう選び、どう発表するかを考えながら、他者の視点を通し、自分自身の発見と自分らしさの理解を深めてきました。また、その中でプリントの仕上がりや、用紙による表現の違い、額装など、展示までのプロセスを学ぶ機会を経て、写真展開催に取り組みました。
自分の思うままに撮った写真の中から作品としてブラッシュアップし、オリジナリティとテーマを見出すことの難しさや、言葉にならず伝わらないもどかしさ、自分自身が気付かなかった側面を知ることも、自問自答する葛藤も、本ゼミナールでの経験値になっています。
写真展に取り組んだ皆さんは、発表することが大きなステップとなりました。写真展開催中に時間を共有したことで得られた喜びも、これからの作品に波及していくことでしょう。明確な答えのない表現の世界で、今日からまた新たなテーマに向けて歩みゆくことを願っています。
講師総評
中山博喜ゼミナール2022年度 オンライン
本ゼミナールでは、毎回こちらからお題・言葉を提示し、そのお題に沿った写真を撮ってもらいました。受講生の皆さんは、示された言葉をどう解釈し、それを「写真」というヴィジュアルイメージに落とし込むために何をどう撮れば良いのかと思考を繰り返す中で、自分自身の撮影スタイルや特徴に気づいたことでしょう。
自分自身の写真を理解するというのは意外と難しいものですが、受講生の皆さんはこれらの経験の中で、ご自身の写真について色々と整理が出来たのではないでしょうか。ここに掲載された作品は、これらの経験を通して改めて自身が何を撮りたいのかを明確にして、撮影に臨まれた写真群と言えるでしょう。