講師総評
大和田良ゼミナール2020年度
一年間に渡るゼミの修了生のみなさま、お疲れ様でした。
写真史に基づいた実験的制作からはじまり、後半はそれぞれのテーマに沿って制作頂きましたが、毎月課題をこなすのは中々大変だったのではないかと思います。
今回の経験を通して、写真というメディアが持つ新たな表現や、可能性を巡る探究心のようなものがみなさんに伝わっていれば幸いです。
このゼミでは、写真を撮るだけではなく、写真について考えるという時間も多かったのではないかと思います。ゼミを共にした他の方の作品を見て、写真表現やその考え方の多様性に触れられる良い機会でもあったでしょう。
写真を見る楽しみは、モチーフの美しさや階調表現の巧みさといった造形的な見方だけではありません。このゼミを通して行ったように、作品を通してその作家の意図や思考、視点といったものを読み解き、写真について話しながらその理解を互いに深めていくというのもそのひとつです。
今後もそれぞれの視点を大事に、制作においても鑑賞においても、深く写真を楽しんで頂ければと思います。
樹幹・コスモ・街・竜雲
柏木 晶子
金井 みどり
川越 貴恵
still life
菊田 淳
2020
齋藤 嘉一
坂口 知世
寄り道
迫田 肇
東京×タワー
清水 収
羅漢さん
清水 善規
2020@SHINAGAWA
宿谷 貴之
non-standard
東 朝美
蒼氓
萩生田 美樹
the Beyond
Clara Mochizuki
講師総評
岡嶋和幸ゼミナール2020年
当初の予定より2カ月ほど遅れてスタートし、しかもオンラインという想定外の状況が続きました。テーブルにプリントを並べ、みんなでそれを取り囲んで言葉を交わすような進め方はできませんでしたが、受講いただいたみなさんの変化を感じながらのあっという間の1年でした。
写真を楽しむ人たちが集い、互いに刺激し合うことで各々が技術を高めたり、表現の幅を広げられています。このようなときだからこその仲間意識も生まれたことでしょう。
複数の写真を組み合わせて1つの作品にまとめることが初めてという人もいましたが、これまで撮りためた写真を見返したり、興味あるテーマやモチーフを見つけ、撮り下ろしながら少しずつ形にしていくことでたくさんの学びがあったと思います。
今回このゼミナールで取り組んだ作品制作を継続し、より魅力的なものにまとめ上げてほしいと願います。
時の定規
秋山 武利
それぞれの道
伊藤 幹
旧万世橋駅
桐生 絵美
そのむこうで鳴る
竹内 聡
頭上の相貌
水口 直志
褪せていく記憶の中で
宮崎 奈々
三吉 由紀子
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鈴木光雄ゼミナール2020年
このゼミナールは、自分らしさを写真で表現するために、受講者各自で写真のテーマを探求したポートフォリオの完成を目標としました。
ゼミナールの参加者の方々は、撮影テクニックなど学ぶ講座の受講経験はあるが、写真の表現を学ぶ機会が今までなかった方が多く、テーマの決め方やステートメントを作成して作品を言語化することなど作品制作の課程で戸惑うことがありましたが、それぞれの個性があふれる素晴らしいポートフォリオが仕上がりました。
写真の提出と評議を重ねるごとに、写真を作品へ昇華させていくプロセスを習得していき、一人ひとりの表現に対する意識の変化が見えるゼミナールでした。
都市の写像
大西 周
尾上 義房
太陽礼賛
雑賀 節子
鷹野 裕
たかはしよしこ
tomomi yamauchi
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ハービー・山口ゼミナール2020年
この度はゼミナールにご参加頂きまして、大変ありがとうございました。
一人一人がテーマを掲げゴールを目指す中で、自分の立ち位置が明確になり、今後の指針となればという思いで進めてきました。
表現者にとって大切なのは「自分にしか撮れない写真、自分なりの写真」を目指すことです。
常に自分の写真のテーマ、自分の個性、得意なこと、こだわりを自覚し、深掘りし発展させることが大切です。そこから作風が作られてきます。
お互いの作品を見せ合い、言葉を述べ刺激を受けることで、良い結果につながるでしょう。
最終回はリコーイメージングスクエア東京で、顔を合わせ開催することが出来ました。
とても感動したのは一人一人がこだわってきたテーマに対する心の内を、正直に発言して下さったことです。私の想像以上でした。全員の前で発言することで、自分を確信し、共感を呼び、今後への大きな弾みになったのではないでしょうか。
私自身を振り返ると、① 生きて行く力を自他共に写真から感じたい。②優しい目線、③スナップ・ポートレイトのスタイル、④モノクローム。これらのことが起点となって作風が出来上がってきました。
自分の作風が肯定出来たら、あとは自身と誇りを持って続けることです。
一年後、2年後にまた皆様と再会し、新作を見せ合おうではありませんか。その日を今から楽しみにしております。
一年間お疲れ様、そしてありがとうございました。
鮎川由佳
大西 俊正
それぞれのディスタンス
岡本 由香
オケタニ
北川 衛
酒井 研
運転席
田口 浩昭
塚本 龍太
Nostalgic & Sentimental
中村 正雄
旅する抜け殻
松川 良子
昼下がりの連鎖
山口 耕人
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林和美ゼミナール2020年
今までモニターだけで見ていた写真を、額装して展示すること、テーマに添ってセレクトして写真集としてまとめること等を通じて、自分の作品に向き合ってもらいました。
コロナ禍で、プリントを囲んでの講評は最終回のみ、あとはオンライン講座となりました。オンラインでの講評にあたっては、受講生のみなさんは、事前準備が大変だったと思います。しかしながら、ひとりでじっくりと写真を見返し、セレクトする時間が増えたのだと思います。
それに加えて、他の受講生からの刺激も糧になったと思います。それぞれが自分のテーマを深く掘り進んでくれました。
これからも、撮ることだけで終わらない写真の楽しみを続けてもらえれば嬉しいです。
瞳
佐野 功次
通り雨
末弘 和夫
憐れ見
堀 圭
嗜好
若月 保宏
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三浦誠ゼミナール2020年
コロナ禍の中で始まったゼミナールでした。
リモートでの開催を含め皆様とのコミニケーションで不備が無かったか不安の残る1クールでした。
ハードウエアであるカメラとレンズをいかにソフトウエアである作者の思考と感性を優先に持っていくか、それぞれの個性ある自己表現を追求する目的で色々な角度から作品の創作を行って来ました。
デジタル化が進み写真表現の幅が広がっています、表現芸術の中の写真表現の為に自由な発想から生まれる皆様の何かを期待してゼミを進めて来ました。
他の分野では、俳句・詩歌・絵画など作者の感性を表現したものが普通です、ぜひ写真作品も従来の呪縛から解放され、自由奔放に作者の個性が発揮された表現を鑑賞者に伝える事ができればと思います。
魂の宿る肉体の感性は常に進化し続けてきた。
時を保存しようとして一瞬の光を定着させる
写真映像は、無限の広がりを持って見る人の
心をゆらす。
私事、独自の写真を独自のテーマで。