ファミリークラブ

入賞者発表

総評
　真を写すと書いて「写真」。私自身も含めてこの言葉に囚われすぎてはいないでしょうか。写真とは心の内なるものを表現する一つの手段です。写真はもっと自由であっていい。その意味で、今回の審査は非常に楽しく拝見させていただきました。オーソドックスな風景から前衛的な作品まで、多様な表現を見ることができ、大いに刺激をもらったような気がします。　反面、残念に思うこともありました。プリントの仕上げにかなりの荒さが目立ったことです。写真は見る人がいて初めて成立する芸術だと思うのですが、彩度の上げすぎ、シャープのかけすぎなどは、そこに作者の明確な意図が感じられない場合は、見ていて気持ち良くありません。今一度ご自身の作品を見返してほしいのです。そして良いプリント作品をもっとご覧になられることを強くお勧めします。その点、ポジで応募された作品からは、丁寧に被写体と向き合って撮っているであろう作者の姿を感じることができ、安心して見ていられました。
　 コンテストに限ったことではありませんが、見る人のことを常に想像し、最後の仕上げにまでしっかりとこだわってほしいと思うのです。