雨音が、静かな森の中で生まれた。
少しずつ大きくなるその音は、森全体を包み込んでいた。
やがて霧が、ゆっくりとした速度で、されど瞬く間に広がってゆく。

私は森の中で光を追い求める。
時には雨が降り、険しい道を切り開いて進むこともある。
光を見つけた瞬間の感情は、その場その時のものであり、出来上がる作品は唯一無二の特別なもの。
後から思い出して絵作りをするのと、その場で出来る限り作り上げるのとでは作品の質が変わってくる。
だからこそ、感情を作品に反映させる事が出来るカメラが必要だった。
撮影時に、いかに作品を作り込み、そして追い込む事が出来るかが重要なのだ。

PENTAXのカメラが内蔵するカスタムイメージ内には、光を形にするための「コントラスト(ハイライト・シャドーの比率を調整可)」そして、中間光量を調整しつつも同時にノイズ補正を行ってくれる「キー」をはじめとした素晴らしい調整機能の数々がある。
これらを使いこなした時に、作品の表現の幅が大きく広がるのだ。
カメラボディーはあらゆるフィールドの様々な条件に耐えうる堅牢性を持ち、目の前の光景を100%遜色なく瞳に届けてくれる光学ファインダーは、ノンストレスで覗き込む者の想像力を掻き立ててくれる。

K-1 Mark IIになりISO感度の上限が広がったため、今まで用いていたISO感度領域における作品の質がK-1に比べて向上した。
私は暗い森の中で基本ほぼ手持ちで撮影するため、高感度で撮影する際の心配や恐れを消してくれたこの技術に助けられている。

私が使用しているメインレンズはsmc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limitedと、HD PENTAX-D FA70-200mmF2.8ED DC AWの二本だ。
この二本を携え、縦横無尽に森の中を撮り歩く。

31mmのレンズは水に注意だが、圧倒的な光の描写力と立体感、そのクリアさに惚れて愛用している。
このレンズに出会うことができ、心から幸せに思っている。
また、70-200mmのレンズも同じようにとてもクリアで美しい光の描写をしてくれるので、手放すことのできない愛用品となっている。
そしてこれらのレンズの性能を引き出してくれるのが、AFのスピードが向上したK-1 Mark IIだ。
一瞬一瞬の光、刻々と森の姿を変えてゆく霧を撮影するのにもAFの早さはとても重要な要素だ。
K-1から進化し、使用者に更なる自由と喜びを与えてくれるK-1 Mark IIだからこそ作り上げる事が出来る作品があると、私は実体験をもって知っている。
さあ、このカメラと共に森の奥深くへ。
撮る喜びの中、美しい光を求めて。

PROFILE
瀬尾拓慶(せお たくみち)
1990年神奈川県川崎市生まれ。 多摩美術大学環境デザイン学科卒。株式会社S.E.O所属。
幼少期より、音楽、自然、様々なデザイン現場に囲まれ、物事に対する特異な感性と視点を持ち育つ。
自ら撮影した写真を用い、ポスターやCDジャケット、様々な広告媒体のデザイン。
また、バックグラウンドミュージックの作曲等も手掛け、写真に合わせた作曲活動、個展ではピアノの即興演奏なども行う。