ファミリークラブ

入賞者発表

総評　内田ユキオ
　歴史あるコンテストの最終回ということで寂しさもありますが、個性豊かで被写体に幅があって、皆さんの情熱が感じられる作品が多く集まったので、見ていてとても楽しかったです。仕上げも綺麗でしたし、タイトルに悩んだことなど、とても丁寧な気配りが伝わってきました。
　それだけに選ぶのは苦労しましたが、「これからも写真が必要とされる意味」のようなものを考えさせられる写真を上位に残しました。デジタルが本格的になって十年がすぎ、動画の人気と勢いがあるなかで、写真の役割と価値はそれまでと同じではないでしょう。でも普遍的な魅力があり、他の表現では成立しない写真ならではの良さを再発見する機会も多くあります。
　個人的な好みで、美しさよりは物語のある奥行き、第一印象よりも余韻、色彩よりも構図を、それぞれ高く評価したかもしれません。そういうところに選者が号ごとに変わる意味があると思っています。自分では撮らない被写体でも、コメントと合わせて読んで、見る喜びも感じてもらえたら嬉しいです。コンテストは終わりますが、皆さんにとってカメラや写真が、日々を豊かにするものであることを願っています。