ファミリークラブ

入賞者発表

総評　新井幸人
　風景写真が意外と少なかったですね。これが第一印象でした。ペンタックス67や645が最盛期時代以来、記憶にないほど久しぶりにファミリー誌の審査を担当いたしました。そんなことから風景写真ひと筋に過ごしてきた者としては、いきなり一抹の寂しさを感じてしまったのが正直な気持ちでした。
　しかし、いざ作品を拝見していくにつれて、風景やスナップといった分野だけではなくて、多種多様な作品に徐々に魅せられ続けて、所定の時間をオーバーしそうになってしまい、やはり伝統あるファミリー誌ならではのコンテストだと、選者として嬉しい疲労感さえ感じてしまいました。
　そんな中、モチーフ、あるいはテーマなどは作者がそれぞれ果敢に挑戦していて、作品に対する情熱は反映されていますが、デジタル時代になり自家用プリントが広く普及したためなのか、応募作品の中にプリント仕上げが芳しくなく、涙をのみながら選外とした作品も少なくありませんでした。そんなことから、応募の際はプリント仕上げまで気を抜くことなく、完璧に仕上げて応募されますようお願いしたいと思います。それから、デジタルカメラの進歩から撮影の自由度も増したでしょうが、基本を疎かにしていては見る者に感動や作者の思いは伝わらないと思います。写真はあくまで現場でカメラで撮影すべきだと思います。