ファミリークラブ

入賞者発表

総評　藤城一朗
　ペンタックスリコーフォトコンテストはデジタル、フイルムを問わず、全体的にハイクオリティの作品が多いコンテストです。そのため、審査は楽しい緊張感をもって行うことができました。今回は新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言下でのコンテストになりました。過去の作品を見直して応募された方もいらっしゃったかもしれません。古い写真に新鮮さを感じたのではないでしょうか。
　写真とは不思議なもので、撮影したときには失敗かと判断しても時間が経つと良い出来映えに思うことがあります。これは、写真を見る目が向上したからに他なりません。デジタルフォトならソフトウエアを用いて、撮影意図を明確にするための編集も可能になるでしょう。撮影時間に失敗と感じた作品も破棄せず、ある程度の時間をおいて見つめなおしてみることも大切です。
　ところで、ちょっと気になることがありました。組写真の組み方です。単にいろいろな要素をまとめただけですと、写真表現としての訴求力は強くなりません。ひと言でこうだ！とは断言できないですけれど、それぞれの写真につながりは必要です。また、縦と横位置の写真を混在させるときも、見やすさなどを気にしながら順番も含め、構成してみてください。単写真は、写真力が問われます。組写真は、構成力も問われます。そのあたりを注意しながら、組写真に挑んでください。
　もうひとつ。奇をてらいすぎるタイトルが散見されました。これだと、かえって撮影意図がわからなくなります。今一度、タイトルの付け方についても熟考を重ねていただきたく、筆をとりました。