ファミリークラブ

入賞者発表

総評　小林　義明
　ファミリー誌の審査は2011年以来なので、実に9年ぶり。前回はフィルムの作品も多かったのですが、さすがに時代はデジタルに移行していますね。作品の内容もスナップ系のものが多くなってきていて、身近な素材を被写体として写真を楽しんでいる人が増えているように感じました。また、デジタル初期に比べてプリントの質は向上していて、不自然な鮮やかさに仕上げたような処理や加工がなかったのは良かったと思います。
　半面、PENTAXのユーザーには風景撮影などネイチャー系のベテランが多数いるイメージがあって期待していたところもあったのですが、ネイチャー系の作品が少なめだったことは残念でした。2019年は気候に恵まれず撮影しにくいところもあったかもしれませんが、ベテランならではの熟練の技と視点で新鮮なネイチャー写真を見せてほしかったところです。
　スマートフォンの普及で写真を撮ることは簡単になりましたが、自分が感じたことを写真の上で表現するためには写っているだけではダメで、はっきりとした意図を盛り込むことが必要です。そのためには肉眼で見た通りだけではない表現ができる「カメラ」という道具をうまく利用することが大切だと思います。今回も作者の感動や工夫が伝わってくる作品を選びました。これからもカメラを通して、あなたのメッセージを伝えていってください。